ここまで中途エンジニアの採用手法やアプローチの仕方、自社のエンジニアを巻き込む方法、応募者の見極め方、そして内定者へのフォローなどをお伝えしてきました。
今回はそれらをエンジニア採用におけるPDCAの中で、どのようなタイミングで実施すればPDCAサイクルとしてうまく回していけるかについて考えていきたいと思います。
採用を成功に導くためには、採用活動をひと続きのPDCAとして回していくことが重要です。
PLAN:エンジニア採用状況の整理と可視化
採用計画を立てたり、求人票を書いたりする前に、まずはなぜエンジニアを中途採用する必要があるのか、現在の採用状況はどうかといったことを整理し、それから具体的な募集要件や採用計画を決めていきます。
自社の開発チームの現状を把握する
エンジニアを採用するためには、自社の事業における開発部門の役割、エンジニアチームの構成を理解する必要があります。採用担当だけでは難しいので、エンジニアにヒアリングをして把握しておきましょう。
なぜ自社のエンジニアチームの現状を知る必要があるかというと、応募者にとって「組織においてどんな経緯で業務が発生するのか、他の部署とはどのように関わりながら仕事をするのか」が重要な情報だからです。
たとえば、エンジニアがサービスの企画段階から参加するのか、別の部署が決めた仕様に沿って開発するのか、分業されておりシステムのいち機能の開発を担当するのか…などをはっきりしておかないと、募集ポジションや任せたい業務内容があいまいになってしまいます。
採用ニーズと募集ボジションを明確にする
現状が把握できたら、次は採用ニーズを明確にします。
募集ポジション、そのポジションでの職務内容、求める人物像(ペルソナ)を整理して採用ニーズを明らかにしていきましょう。
さきほどエンジニアチームの構成を理解しようと述べましたが、現在チームにどんなスキルを持ったエンジニアがいて、どんな役割を担っているかを把握することで、「このチームで不足しているポジション・スキル」を洗い出すことができます。
こうして開発体制を理解し、現状どの領域が弱いかが分かれば、どんな人を採用すべきか・入社後に任せたい業務内容も明確になります。
同じエンジニア求人といっても求人票には募集対象やポジションで訴求ポイントを分けて記載する必要があります。応募者の転職の動機や転職に求めるものを理解して、自社のアピールポイントを盛り込みましょう。
採用計画(期間・人数など)を立てる
現状把握と採用ニーズ、ポジションの明確化ができたら採用計画を立てます。
中途採用は新卒採用と異なり、通年で実施していることが多いため、いい人がいれば採用すると考えている企業も多いのですが、近年経験者の採用難易度は非常に高く、優秀な人材は各社で取り合う形になっています。
「退職者が出て補充したい」「新規プロジェクト立ち上げのため人を増やしたい」といった自社の都合によるタイミングであっても、いきあたりばったりではなくしっかり計画を立てることが大切です。
以下の記事でここまでの内容をさらに詳しく解説していますので、ぜひごらんください。
DO:採用活動
求人票の作成・公開
PLANで明らかにした内容を求人票に落とし込んでいきましょう。
エンジニア採用の求人票は、当然ではありますが「エンジニアに読まれる求人票」である必要があります。求人票を公開したはいいもののまったく応募がないようでは意味がありません。
エンジニアに興味を持ってもらえるような自社のアピールポイントを整理して、記載しましょう。開発チームの特徴やエンジニアにとっての働きやすさなどがよいかと思います。
また、応募が来ないのとは別に、要件に合わない応募ばかり来るのも困ります。そういった状態にならないよう、募集対象やポジション別の訴求ポイントを明らかにして求人票に記載することが大切です。
求人票の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。
スカウトサービスの利用
エンジニア採用の手法として、スカウトサービスの利用は欠かせません。
エンジニアのような需要が高い職種は求人票の数も多いため、知名度の高い企業でもない限り、公開しただけではほとんどの応募者の目に止まらず埋もれてしまうからです。
また、転職サービスには「すぐに転職したい」という人よりも「今すぐ転職したいわけではないがいつかのために」「気になる企業があれば考えてもよい」といった人のほうが多く登録しています。
そのため、そういった潜在層にも求人票の存在を知ってもらうには、企業から直接個人にアピールできるスカウトを送る必要があります。
求人票に遷移してもらえるスカウトメールを書くにはいくつか押さえておくべきポイントがあります。詳しくは以下の記事で解説しています。
面談・面接の実施
面接とは、採用する側が一方的に応募者を選ぶ場ではありません。特に売り手市場が続いているIT業界では、むしろその逆で「優秀なエンジニアに自社を紹介し、興味を持ってもらい、選んでもらう場」であると言っても過言ではありません。
カジュアル面談や一次面接など、最初の選考では、応募者に自社への興味を持ってもらうこと、採用したい応募者に「次の選考に進んでみようかな」と思ってもらうこと、そして不採用の応募者にも「悪くない企業だったな」と思ってもらうことを第一の目標にしましょう。
面接について、詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。
現在、オンラインで面接を実施している企業も多いと思います。オンライン面接で気をつけたいポイントをまとめた記事も公開していますので、ぜひ参考にしてください。
CHECK:採用活動の振り返り
CHECKを実施するタイミングですが、早すぎる段階でやっても事例が少なすぎるので、期間なら2カ月程度、人数なら3・4人の面接を実施できたくらいを目安として振り返ってみるとよいでしょう。
以下にチェックリストを示しますので、振り返り時に確認してみてください。
応募について
- 応募はありましたか?
- 応募があった場合、採用ニーズにマッチする人からの応募でしたか?
スカウトの反応率
- スカウトメッセージは送っていましたか?
- 送っていた場合、反応(求人票へのブックマーク、応募など)はありましたか?
求人票の反応率
- 求人票に「気になる※」や「ブックマーク」などの反応はついていますか?
※paizaの求人票には「気になるボタン」があり、応募者は気になる求人があれば応募しなくても気軽にブックマークできるようになっています。ほかの求人サイトやサービスでも同様の機能が搭載されているところは多いかと思います。
選考通過率と辞退率
- カジュアル面談や一次面接のあと、どれくらいの人が次の選考に進んでいて、どれくらいの人が途中で辞退していますか?
採用において、内定者のフォローはやや手薄になりがちですが、他社と迷っている応募者の心を掴み自社を選んでもらうことも重要です。
内定者へのアプローチの仕方については、以下の記事で具体的な方法をお伝えしていますのでごらんください。
採用後に気をつけること(1)内定承諾を迷う内定者へのアプローチ
ACTION:改善
最後に改善点について洗い出して、次回の採用活動に生かしましょう。
応募が来ていない、応募は来るが要件に合わない人が多い、など問題がある場合は、たとえば以下を見直してみてください。
求人票の訴求ポイントを再検討する
応募条件の見直しをする
スカウト運用を見直す
スカウトを送っているのに全然反応がない場合、求人の募集内容と送っているターゲット層が合っていないのかもしれません。もしくは、求人票を見てみようと興味を持ってもらえる文面になっていない可能性があります。それぞれ見直してみましょう。
ITエンジニアの中途採用成功のために
ここまで、中途採用を成功に導くためにやるべきこと、求人票の書き方やオンライン面接のポイント、内定者のフォローなどお伝えしてきました。具体例をもとにぜひ実践してみてください。
ただ、専門職であるエンジニアの採用では、これらの実現が人事担当者だけでは難しい場合があります。
paiza転職では、エンジニアを募集している企業の皆さまからの「積極的に採用活動をしているが、なかなかエンジニアを採用できない」といったご相談もお受けしています。ぜひご活用いただければと思います。
paiza転職についてお問い合わせ・ご相談はお気軽に
- 目次
- PLAN:エンジニア採用状況の整理と可視化DO:採用活動CHECK:採用活動の振り返りACTION:改善ITエンジニアの中途採用成功のために