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採用成功ガイド

中途エンジニア採用企業の人事の方向け

面接でのポイント(3)応募者の目線に立った面接のやり方

面接は、企業が応募者を選ぶだけの場ではありません。応募者も企業を見極めるために面接を受けています。ここを勘違いして「こちらが選ぶ側である」という目線で面接をしていると、それが応募者に伝わり、「この企業はやめておいたほうがよさそうだな」と思われてしまいます。

選考結果はどうあれ、応募者に「応募してよかった、有意義な面接だったな」と思われるような応募者の目線に立った面接の進め方を解説します。

まず自社紹介から始める

まずは応募者の自己紹介を求める前に、自社紹介をしましょう。

ここで言う自社紹介とは、事業内容や開発環境、今回の求人ではどんなポジションにどんな人を採用したいと思っているのか、入社したらどんなチーム構成でどんな仕事をしてもらうことになるのか、自社や開発チームが抱えている課題点…などのお話をすることです。

優秀なエンジニアは、転職先の企業選びに困っていません。加えて、面接を受ける前から「ぜひ御社に入社したい!」と思っている応募者もなかなかいないでしょう。むしろ「どこを選ぼうかな」「知ってるサービスの中のエンジニアと話してみたい」といった気持ちで面接に来ている人のほうが多いかもしれません。

まずは自社紹介をすることで、自社の存在を知ってもらい、興味を持ってもらうことから始めましょう。説明用の資料などはあらかじめ用意しておき、説明が終わってからは質問を聞いてください。

よく、組織の課題点をあまり話さないことで、自社をよく見せようとする採用担当者の方がいますが、これは逆効果なのでやめておいたほうがよいです。

優秀なエンジニアほど「課題がない企業なんてこの世に存在しない」「課題がなかったら求人募集する必要なんかない」ということを知っていますから、「入社したらすぐバレるようなことを選考段階で隠すなんて、よい企業ではないな」と思われてしまいます。

エンジニア同士で技術的な話をしてもらう

応募者は「この企業のエンジニアと技術的な話ができる」と思って面接に来ています。

逆に言えば、技術の話ができないような面接は「無駄な時間だった」「志望度が下がった」と思われても仕方ありません。

ですから、自社紹介の後は、自社のエンジニアに技術的な話をしてもらいましょう。たとえば以下のようなことをエンジニアに聞いてもらうとよいでしょう。

応募者に聞くとよい技術的な話の例

  • スキルチェックはRubyで受けられているんですね、業務でもRubyを使われているんですか?
  • 弊社の開発環境はこのような感じなのですが、現職ではどのような環境で開発されていますか?
  • 最近勉強されている技術やこれから使ってみたい技術などはありますか?

どうしても面接にエンジニアが参加できない場合

とはいえ、一次面接は人事担当者だけで面接をしなければならない仕組みになっている場合もありますよね。また「急な障害対応などでエンジニアが面接に参加できなくなってしまった」など、やむを得ないケースもあるかと思います。

エンジニアが面接に参加できない場合は、なるべく事前に応募者の情報を見てもらい、当日は「本日はエンジニアがどうしても参加できないのですが、提出されたコードやプロフィールを見て『こういうところを評価していて、こういうところがうちの開発チームに合いそうだと感じたので、ぜひ次の面接でお話ししてみたい』と言っていました」といったことが伝えられるとよいでしょう。

応募者に「それならとりあえず次の選考に進んで、エンジニアの人たちと話してみるか」と思ってもらえるかもしれません。

一番避けたいのは、エンジニア職の面接なのに、人事担当者だけの判断で優秀な応募者を落としてしまうことです。迷う場合は、一緒に働くことになるエンジニアの判断を聞いてみましょう。

スカウトした応募者を面接する場合

今やほとんどの求人サービスには、企業側からスカウトメールを送れる機能が搭載されています。

スカウトを受けて面接に来てくれた応募者は「スカウトが来たからとりあえず行ってみるか」といった程度の気持ちの人がほとんどです。そしてスカウトを受けた人が気になっているのは、「どうして自分にスカウトをくれたのだろう?」ということです。

この場合も、応募者の提出コードやプロフィールをきちんと見た上で『こういうところを評価していて、こんなところがうちの開発チームに合いそうだと感じたので、ぜひお会いしたいと思って、スカウトを送りました』といった話ができるとよいでしょう。「自分の経歴やスキルをそんなふうに評価してくれたんだ」とよい印象が残ります。

1と2がそろって初めて採用面接的な質問ができる

ここまでの話ができて初めて、いわゆる面接然とした転職やキャリアについての質問ができます。1と2をしっかり話した上で、改めて以下のような質問をしましょう。

緊張もある程度はほぐれていますし、場もあたたまっていますから、少なくとも面接開始直後にいきなり聞くよりは、応募者もスムーズに話しやすいはずです。

スムーズに話せた面接は、応募者にとって「よい企業・よい面接だったな」という印象が残ります。

転職やキャリアについての質問例

  • なぜ現職からの転職を考えているのですか?今回の転職でかなえたいこと、もしくは解決したい課題はどんなことですか?(※ただしこの段階ではまだ転職を具体的に考えていない応募者もいるため状況によって少し変えてみてください)
  • 今後はどのようなキャリアや開発分野に進みたいと考えていますか?
  • これまでの仕事で苦労したことは何ですか?達成感を感じたのはどんなときですか?

よい面接だったと思ってもらうために

ここまでお伝えしてきたポイントをまとめておきましょう。

応募者の目線に立った面接のポイント

  • 自己紹介を求める前に自社紹介をして、自社に興味を持ってもらう
  • エンジニアの面接なんだから、エンジニア同士で技術の話をしてもらう
  • 応募者の情報を事前に見て「こんなところを評価している」ということを伝える
  • 面接然とした質問をするなら、上記を終えてから

以上を踏まえて応募者の立場に立ち、「よい面接だった」と思ってもらえるような面接が実施できれば、途中辞退も減らせるはずです。

paiza転職では、エンジニアを募集している企業の皆様からの「どんなふうに面接するとよいのかわからない」「応募があって面接をしても辞退されてしまう」といったご相談もお受けしています。ぜひご活用いただければと思います。

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