よい採用のために採用基準を明確にしよう
採用準備というと、採用スケジュールを立てたり、どの媒体に求人票を掲載するか検討したりということが思い浮かぶかもしれませんが、まずは「どんな人を採用するか」という採用基準を明確にしましょう。
やるべきことは大きく3つです。いずれも採用担当者だけでなく、自社のエンジニアと協力して進めていく必要があります。
採用基準を明確にするための3つの準備
1.自社にとって「よいエンジニア」とは何かを定義する
「とにかく優秀な人に来てほしい」「フルスタックなエンジニアを採用したい」という気持ちは分かるのですが、ご存知のとおり技術力が高く実績のあるエンジニアは引く手あまたで採用難易度が非常に高いです。
今自社に必要なのはどういったスキルや経験のある人で、入社後はどのポジションで何をやってもらいたいのかをはっきりさせ、自社にとっての「よいエンジニア」を定義しましょう。そのためにも採用にあたっての必要条件・十分条件を洗い出してみてください。
また、現在社内で活躍しているエンジニアの傾向や特徴を分析して、求める人物像・自社似合うタイプについても考えてみるとよいでしょう。たとえば…
必要条件
- Webサービスのサーバサイド開発経験1年以上
- アジャイル開発手法を用いた複数名でのチーム開発経験
十分条件
- Webサービスの企画・開発・リリースに携わったことがある
- Rubyでの開発経験(趣味・実務問わず)
求める人物像
- 新しい技術にどんどんチャレンジしたいと思える人
このときやりがちなのが「Rubyでの実務経験3年以上」のように言語+経験年数で条件を書く方法ですが、一概に経験年数だけでスキルが測れるわけではありません。
経験年数は長くても既存ソースのコピペを続けていた人と短期間でもサービスの企画・開発からリリースまでの経験を持つ人とでは、どちらのほうがエンジニアとしてよい働きをしてくれるか考えてみてください。
例で書いた「Webサービスのサーバサイド開発経験」のように具体的なスキルや業務経験をベースに考えたほうが、本当に求めている人材に近い条件を挙げることができます。
また、入社後どんな働きをしてもらいたいかも採用基準を決める上では大切です。たとえば、なるべく早くサービスを世に出したいなら動くものを早く作れるエンジニアであればよいですし、既存サービスを安定運用したいなら負荷分散や処理速度向上の検討ができるなどインフラ寄りのスキルを持ったエンジニアであればよいですよね。
2.自社の魅力を高める・アピールする
採用条件が明確になったら、今度はどうやったらエンジニアが自社に興味を持ち、応募したくなるかについて考えていきましょう。
考えるポイントとしては、自社が他社より優れている点はどこか、エンジニアの好奇心を刺激する仕事はあるか、エンジニアの働く環境を整えているか…などです。
分かりやすいところでは、最新技術の導入に積極的で業務を通してスキルアップできる、開発マシンは会社が決めたものではなくエンジニアが好きにカスタマイズしたものを会社負担で支給するといったところは自社の魅力としてアピールできる点になります。
働く環境を整えているかについては、エンジニアを優遇しようと言いたいのではなく、PCのスペックやディスプレイのサイズ、椅子の座り心地などが業務の効率やアウトプットの質に直結するためです。
もし「アピールできるところが全然浮かばない…」となってしまったらエンジニアを採用する前に、もう少し社内環境を整えるほうに注力したほうがよいかもしれません。
すでに述べたように優秀なエンジニアは自分で会社を選べる立場にあるといっても過言ではありません。自社の魅力を高めてエンジニアに選ばれる会社を目指しましょう。
3.エンジニアが求人票で本当に知りたい情報は何かを知る
転職を考えているエンジニアが求人票で確認したいと思っている情報は何だと思いますか?
もちろん必ず明記しなければならない項目(就業時間や賃金、加入保険など)というのはありますが、paizaが過去に実施した求人票に関するアンケートでは、求人票から知りたい開発現場に関する情報として一番多く挙げられたのが「開発チームの構成」でした。
会社のミッションやビジョンを熱く伝えるのもよいですが、エンジニアに読まれる求人票であることを念頭に置く必要があります。
開発体制や開発環境、業務内容について具体的に書くことができていればエンジニアからの評価は高くなります。
求人票を公開しても応募が来ないと悩むことがないよう、現場のエンジニアと連携して自社の魅力が伝わる求人票を作成しましょう。
採用におけるエンジニアの巻き込み方
エンジニアは本来の業務で多忙なことが多いですし、人手不足でエンジニア採用を実施するのに採用活動に時間を割いてほしいとは言いづらいと感じるかもしれません。
しかし、現場(エンジニア)の欲しがっている人材が採用担当者にうまく伝わっていないと、求人票の質にも影響しますし、入社後のミスマッチにもつながります。
エンジニア採用がうまくいっている企業は、例外なく社内のエンジニアが採用活動に深くかかわっています。
もし「エンジニアと何をどう話したらいいかわからない」「技術についてはわからないから求人票作りも丸投げしている」という場合は、まずエンジニアとの関係性をよくするところから取り組んでいくのが一番の近道かと思います。
その際、いつまでどれだけの工数を採用活動に使う必要があるのかよくわからない状況では、エンジニア側も開発業務との折り合いもつけづらいため、まずは、いつまでに何人採用したいかの目安を定めて、採用計画を共有しましょう。
paiza転職では、エンジニアを募集している企業の皆さまからの「積極的に採用活動をしているが、なかなかエンジニアを採用できない」といったご相談もお受けしています。ぜひご活用いただければと思います。
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