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採用成功ガイド

中途エンジニア採用企業の人事の方向け

採用後に気をつけること(3)オンボーディングの具体例

こちらの記事で、中途採用者の短期退職を防ぐ「オンボーディング」という取り組みの概要をご説明しました。今回はオンボーディングの具体的な導入事例をいくつかご紹介します。

会社の規模や事業フェーズ、採用者の配属先となるチームの体制などによって、どういった取り組みをするとよいかは異なりますが、取り入れられそうなものがあれば自社で実施する際に参考にしてみてください。

オンボーディング実践時に気をつけたいポイント

具体例をご紹介する前に、オンボーディングを導入するにあたって気をつけたいポイントを簡単にお伝えします。

  • オンボーディングの目的を既存社員に周知する
  • 受け入れ部門やチームだけではなく組織全体で準備・歓迎するマインドを持つ
  • 実施後は評価や効果検証をおこない事業フェーズなどに合わせて内容を見直す

この中では「組織全体で」というのが特に大切です。主導は人事部や受け入れ部門であっても会社として、新メンバーの早期即戦力化や企業文化に早く馴染んでもらうための取り組みだと社員が理解する必要があります。

具体的なオンボーディング事例

以降で5社のオンボーディングでの取り組みををご紹介します。なお、情報は公開された時点のもので現在とは異なる場合がありますのでご了承ください。

Google

Googleでは、新しいメンバーを受け入れるチームが主体となって迎え入れるための準備を進めます。

入社初日にGoogleでの働き方、プロダクトのこと、今後の戦略など会社の大きな流れの説明があり、そのあと個人の業務にブレークダウンしていくそうです。担当業務についてはもちろんですが、それだけではなく会社の仕組みや社風、価値観などを学ぶことが大切という考え方にもとづいています。

また、以下の5つのチェックリストが新メンバーの上司に配属の1日前に送られます。

  • 仕事の役割と責任について話し合う
  • メンター役となる先輩社員をつける
  • 新入社員が社内でのネットワーク構築するのを支援する
  • 最初の6カ月間は毎月面談(Check-In)を実施する
  • 気軽に話せる環境をつくる

これらはシンプルですがとても重要な内容となっています。

Googleの社内調査によると、受け入れ時の準備がしっかりされている状態で入社した社員は以降3カ月のパフォーマンスが30%上がるという結果も出ています。

 

参考サイト:

Why Google’s Onboarding Process Works 25% Better Than Everyone Else’s

Google、メルカリも採用。新メンバーのパフォーマンス&定着率を上げる「オン・ボーディング」

Twitter

Twitterでは"Yes to Desk"と呼ばれる、採用のオファーを受けて(Yes)から、当日席につく(Desk)までのプロセスをきちんと整えておく仕組みがあります。

PCのセットアップやメールの設定はもちろん、席には歓迎の証としてTシャツとワインが置かれているそうです。席は仕事上関係の深い同僚の隣に配置されます。

入社当日の朝食はCEOと一緒にとり、そのあとオフィスツアーが実施されます。月に1度は企業文化の理解を深めるために経営陣との交流があり、他の部署の仕事を学ぶ機会も用意されています。

これらは新しいメンバーが入社初日を迎える前に、「新入社員が加わったことをみんなが歓迎し、成功させるためにはどうしたらいいか」をマネジャーが考え計画します。

 

参考サイト:

Twitter, LinkedIn, and Google Have Mastered Employee Onboarding, and You Can Too. Here's How

株式会社キャスター

取締役COOの石倉氏によりますと、キャスターでは「入社3カ月で一人前になってもらう」という目標があり、その一人前の基準を事業ごと、ポジションごとに決めているそうです。

ひとりひとりにメンターがついており、一人前になったかどうかはメンターが責任を持って判断します。

業務のオンボーディングと文化のオンボーディング両面が必要と考えており、業務のオンボーディングではたとえば以下のようなことを実施しています。

  • 入社1週間後、1カ月後、3カ月後…など明確に測定可能な目標を設定
  • 会社について、業務に必要なものなどを徹底的にドキュメント化
  • 1on1の実施
  • リモート環境ならではのマインドセット(察する・察してもらうをしない、なんでも言う、情報をオープンにする)を持つ

など

次に文化のオンボーディングですが、特にリモートワーク環境下ではコミュニケーションが足りず、あとから入った人に見えづらいという問題があると捉えて、たとえばSlackでの取り組みとして

  • 5分迷ったら話す、なんでも伝えるといったマインドセットを持つ
  • 仕事の話だけでなく、雑談ができるチャンネルを作成する
  • 人の投稿に気軽に反応する、スタンプを押す
  • ミーティング前の10分間を雑談に使う

といった会話が発生する仕掛けを作ることを大切にしているそうです。

 

参考サイト:

リモートワークでのオンボーディングノウハウ|石倉秀明 |note

株式会社ヤプリ

組織の「50人の壁」で古参の社員が続けて辞めてしまったこと、また、社員のオンボーディングが整っておらず定着率が悪かったことをきっかけに「YOP(ヤプリ・オンボーディング・プログラム)」作り受け入れ制度を整えたそうです。

具体的な取り組みとしては

  • 初日のあいさつや歓迎会といった基本的なことをおこなう
  • 入社後3カ月の目標を立てて発表する場を設ける

など、組織に馴染むためのプログラムとなっています。

合わせて、全社員を対象にカスタマーサクセスの思想の浸透のための合宿の開催や実際の顧客事例をもとに提案を考えるなど、全社でCS理解を深めるための取り組みもおこなっています。

 

参考サイト:

「0→1は個人、1→10はチーム」年300%成長企業ヤプリが明かす、SaaSの勝ち方 | SELECK [セレック]

paiza株式会社

弊社の事例で恐縮ですが、paizaも新しいメンバー受け入れ時にはオンボーディングを実施しています。一部をご紹介します。

  • 入社後1カ月くらいのスケジュール提示
  • 社長と各部門長から事業内容・方針・数値目標などの説明と質疑応答
  • Confluenceに「入社した方へ」ページがあり、業務で必要になる情報の提供(Slackの使い方から、エンジニアであれば開発環境の構築・設定、チーム開発における決まりごとなど)
  • 直属の先輩からの業務ロープレ(OJT的なもの)
  • 歓迎ランチの実施(現在はZoom、部門関係なくシャッフルし少人数グループで)
  • 定期的(2週間、1カ月、3カ月、6カ月)な人事面談

基本的には受け入れ部署の先輩・上司や同職種の人からのサポートが中心になりますが、まだ人数がそれほど多くないため歓迎ランチで全員と1度は(Zoom上で)顔を合わせる機会があります。

エンジニア採用に課題を感じているなら

中途社員であっても入社後のフォローは必須であり、できる限り早く本来の力を発揮してもらうためにはオンボーディングという取り組みが必要です。

しかし、それ以前にエンジニア採用で課題を感じている場合は、エンジニア採用専門のpaizaへお問い合わせください。

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