「withコロナ時代のインターン」をテーマに、3社の採用担当が登壇
世界規模で猛威を振るう新型コロナウィルスの流行によって、新卒採用にも大きな影響が出ています。直近の21卒採用はもちろん、流行の長期化によって、22卒向けのインターンシップ(以下、「インターン」)への懸念も強まっています。
初夏を過ぎ、例年であれば新卒学生を対象としたインターンが始まる時期です。しかし今年は、準備が進んでいない企業様や、どのようにインターンを実施してよいか迷っている企業様もいらっしゃると思います。
そこで新卒採用サービス「paiza新卒」では、2020年6月17日、企業の新卒エンジニア採用担当者向けに「withコロナ時代のインターン」をテーマとしたWebセミナーを開催しました。
チームラボ 採用責任者の山田剛史氏、株式会社GA technologies 採用担当の長谷川将司氏、株式会社アカツキ 採用担当の花田健二氏にご登壇いただき、各社の22卒インターンについて、実施内容や心がけていることなどを伺いました。
この記事では、当日のセミナーの模様をお伝えします。
登壇者ご紹介
左から順に
チームラボ 採用責任者・山田 剛史様
株式会社GA technologies 採用担当・長谷川 将司様
株式会社アカツキ 採用担当・花田 健二様
司会進行は弊社営業の庄司(画像右上)が務めました。
3社とも22卒向けインターンはオンラインで実施
2020年の22卒向けインターンでの大きなポイントとして、「対面での実施を継続するか、オンラインで実施するか」があげられるのではないでしょうか。
従来、多くの企業で実際に出社してもらい実施していたインターンですが、新型コロナウィルスの流行で状況は一変。今年はオンラインで実施する企業が増えています。今回登壇いただいた3社様も、すべて「オンラインで実施する予定」とのことでした。
GA technologiesは「X-Hackathon 2020 Summer」というオンラインで完結するハッカソン型のインターン。また、アカツキでも3週間の就業型インターンを予定しており、両社とも今年は完全オンラインで実施するそうです。
一方、完全オンラインではなく「出社してやるか、オンラインでやるか、学生に好きなほうを決めてもらうスタイル」で実施予定なのがチームラボ。
今年のインターンは「いろんな部署を巻き込んでどんなインターンができるかを考えてきた」(山田氏)そうで、最終的にハイブリッド型での実施が決まったのは5月になってからだったといいます。
オンライン実施で特に重要な「コミュニケーションの確保」
オンライン実施によって、新型コロナウィルス対策だけでなく「海外や地方の学生の受け入れ」(山田氏)など、インターンの新たな可能性が広がる一方、やはり対面でないことでの難しさもあるようです。
GA technologiesは2日間のインターンということもあり、当日だけでなく、実施前・実施後でのフォローも含めた対応を検討。チーム間の交流に力を入れていくと話していました。
「自己紹介の時間を厚めに設ける、メンター社員とのオンラインランチの時間を設けるなどのほか、事前に参加メンバーのSlackチャンネルを用意し事前交流を図っています。また、オンラインでのオフィス内覧や座談会も実施する予定です」(長谷川氏)
また、アカツキでは、すでに21卒の内定者の受け入れをオンラインでやっており、そこで得られた知見も使いながら、オンラインインターンの準備をしているといいます。
「オンラインで学生が不安に思うシーンが出てくると思うので、コミュニケーション面に注意していきたいと考えています。(21卒の受け入れでは)SlackやZoomなどのツールを使い、同期的/非同期的なコミュニケーションをとっています」(花田氏)
各社とも、コミュニケーション面での対策を重要なポイントととらえているようでした。
現場への負担も大きいインターン…それでも続ける理由は?
インターンを実施するには、時間も手間もかかります。さらに今年は新型コロナウィルスの影響でオンラインとなるなど、例年通りの実施が難しくなっています。そういった状況の中でも実施する企業様は、どのような目的をもっているのでしょうか?
各社とも、主目的は「新卒採用の候補者を探すこと」で共通していましたが、さらに詳しくお話を聞いてみると、それぞれで違った観点があるようです。
学生と企業が相互により深く理解できる点にインターンの意義を感じているのがアカツキ。「就業を通して面接のみでは見えづらい学生の強みや特性を知ることができる。また、実体験を通し学生側にも相性を感じてもらうことができる」(花田氏)と話していました。
昨年からインターンを始めたGA technologiesも「はじめの目的は、新卒学生へのタッチポイントをつくるため」だったといいます。しかし、実際にインターンを実施してみて、今では「一番大きな目的は、資質やグリップ力など、学生のマインド面を理解すること」(以上、長谷川氏)に発展してきたそうです。
また、「インターンを実施することで、現場のメンバーにもいい影響を与える」との声も多く聞かれました。
チームラボでは、「採用にはつながらないけれど、会社にない技術を持つ人を呼んで、ナレッジをわけてもらうというようなインターンも実施」しているそうで、「このような優秀な人材にはもちろん入社してほしいですが、そうでなくても、既存メンバーが刺激を受け、新しいインプットをもらえるので、とても大切なインターンです」(以上、山田氏)とのこと。
GA technologiesもハッカソン型のインターンをするなかで「新しい考え方やふだんの業務では使わない実装を経験でき、現場の社員のスキルアップにもつながっていく」(長谷川氏)と考えているそうです。
一方、アカツキでは「インターン参加者同士のつながり形成」としての側面を大事にしているそうで、21卒向けインターンでは「実施後の12月にインターン参加者による同窓会を開催し、もう一度インターン生が顔を合わせるという機会も持っている」(以上、花田氏)とのことでした。
各社とも、採用を主目的にしながら、副次的な効果も見据えてインターンを実施していることが分かりました。
頭を悩ませる母集団形成。どうやって学生を集めている?
インターンの開催にあたって、まずは学生に応募してもらわなければなりません。自社に合いそうな学生を集める方法は、多くの企業が興味をもっている部分です。そこで、母集団形成の手法についても3社のご担当者に伺ってみました。
登壇した3社様とも、スカウト媒体を使う、求人記事の掲載、逆求人セミナーの利用など、主だった部分は共通していました。もちろんすべての会社様で『paiza新卒』も使ってくださっています(ありがとうございます!)。
しかし、「特に力を入れている」部分は三者三様。
「大学や高専の先生による紹介」での採用に注力しているとお話しいただいたのはチームラボの山田氏。「先生方と数年単位で信頼関係を築いてきました。今では、どのような学生がチームラボに合っているかをよく理解していただいています。実際、紹介いただいた学生は、他のルートよりも高確率で入社につながっています」とのこと。
長く業界の一線で実績を出し続けている企業だけあって、チャネルもしっかりと時間をかけて構築。それが実を結び、採用活動で有効に機能していることが伝わりました。
一方、GA technologiesでは「リファラル採用を活性化しており、内定者からの紹介による採用にも力を入れている」そう。また、エンジニアに技術力だけではなくビジネス視点も求めている同社では、「採用時点では開発経験がまったくない方もいて、そこからエンジニア育成制度(GA BootCamp)を経てエンジニアになる方も多い」(以上、長谷川氏)そうです。
母集団形成をマス向けと個人向けに分けて解説をしてくれたのはアカツキの花田氏。
「Webでのプロモーションなど、主に認知獲得を目的としたマス向けの施策ももちろん実施しています。一方でマッチする学生を探すために特に注力している施策は、paizaをはじめとしたスカウトや、面談形式のイベントなど、学生と向き合ってじっくりお話しをする個人向けの施策です」とのことでした。
母集団形成の話は、各社の個性が顕著に出ていました。3社ともが、大規模なイベントやサービスだけに頼らず、それぞれ地道な方法で独自のチャネルを開拓・確保しているのが印象的でした。
インターンは学生を本採用までつなげる大きなチャンス
今回のセミナーでは、こちらのレポートでご紹介した内容以外にもたくさんの話を聞かせていただくことができ、非常に充実した時間となりました。参加者からの質疑応答でもさまざまな質問が飛び出し、盛況のうちに幕を閉じました。
ご登壇いただいた3社様には厚く御礼を申し上げます。
インターンは準備から実施まで多くのリソースを割くため、決して簡単にできるものではありません。しかし、しっかりしたものを提供できれば、学生の間に強固な関係を築くことができます。結果としてインターンの成功が多くの学生を本採用へとつなぐ橋渡しになります。
今回お話しいただいた3社様とも、その先の本採用へしっかりとつなげられるように、綿密な準備をしてインターンに臨んでいることがとてもよく伝わってきました。
今回のWebセミナー、およびこのレポート記事が、各企業様のインターンやその先の採用活動を考えるうえでの一助となれば幸いです。
今後もpaizaでは、企業様の採用をサポートできるようなイベントを開催していきたいと考えております。今回Webセミナーを主催した「paiza新卒」はエンジニア志望の学生の就職活動をサポートするサービスです。情報系・理系学生が数多く登録しており、さらに、プログラミング力を可視化することで、よりよい人材を企業様へおつなぎしております。
インターンの掲載は無料でおこなっておりますので、ご興味がありましたらぜひお気軽にお問い合わせください。