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新入社員インタビュー 芸者東京株式会社 矢原翔太郎さん

成果物の持ち込みと高いスキルが決め手!
試験免除でゲーム会社に就職

いまやゲーム業界といえば、若い世代が憧れる業種のひとつ。この業界を目指すところからエンジニアへの道を志すようになった人も多いのではないでしょうか。そんな中、ゲーム制作会社になんと通常の採用フローなしで就職したのが、今回インタビューさせていただいた芸者東京株式会社のエンジニア矢原翔太郎さん(27歳)です。前半は、矢原さんが異例の採用を勝ち取った秘けつを探っていきます。

後半では、彼の採用を決めた同社CEO・田中泰生さんのコメントから、企業側の思いについても解き明かしていきましょう。

※田中さんへのインタビュー(後半)は こちらから。

(左)田中泰生さん
芸者東京株式会社 CEO
(右)矢原翔太郎さん
芸者東京株式会社 エンジニア。採用時のpaizaスキルランクはA。

働くなら自分の好きなことを仕事にしたい――。中学時代からずっとゲーム業界で働くという夢に向かって進んできた矢原翔太郎さん。高専、大学、大学院と、一貫して情報工学を学んできたといいます。オリジナルのボードゲームを自主制作するなど、学生時代からゲーム業界で自分にできることはなんだろうか、と絶えず模索してきたという彼に、学生時代、今のゲーム業界での業務、そして自身の就職活動について聞いてみました。

ゲームエンジニアになるため情報工学の道へ

――まず、就職活動についてお話を伺います。ゲーム業界に行こうと思ったのはいつごろからですか?

中学生の頃に進路を考える時点で、すでにゲーム業界志望だったんです。その目標に向けて勉強するために高専に入学し、それから大学編入、大学院と、情報工学を学んでいきました。

――14、5歳の時点でそこまではっきり目標を持っていたんですね。ただ、ゲーム業界志望といってもかかわる仕事は数多くあります。その中で、情報工学を学んだ理由、エンジニアを目指した理由とはなんだったんでしょうか?

自分は絵がうまいわけでも、物語を書けるわけでもなかったので、ゲーム業界でできることはなんだろうと考えたときに、数学や理系がちょっと得意だったのでプログラミングなら自分の強みを生かせるかな、と思ったんです。それでエンジニアの道を選びました。正直、悩む時期もあって休学して海外に行ったこともありましたが、行った先もボードゲームの本場であるドイツだったりして(笑)。けっきょく夢は変わることなく、ゲーム業界を目指し続けました。

――就職活動中のことを振り返ってみて、どんな活動をされていましたか?

求人媒体はpaizaのほかに大手のサイトを1つか2つ使っていました。たしかpaizaのことは、プログラミングの勉強をしていて知ったんだと思います。休学から戻ってプログラミングの勘を取り戻す上でも、paizaのスキルチェックは役立ってくれました。理系学生の友人の間でもpaizaの認知度は高くて「ここでSランクが取れれば多くの会社を受けられる」なんて話はよくしていた記憶があります。自分自身がpaizaのスカウトをきっかけに仕事を決めたこともあって、後輩たちにも勧めていますよ。エンジニアを目指す人にとってはいいサービスだと思います。

――今の会社(芸者東京株式会社)に惹かれたポイントってどんなところだったのでしょう?

実は大学時代にオリジナルのカードゲームを作っていて。それをこの会社のカジュアル面談のときに持参したんです。このときは顔合わせ程度だと聞いていたのですが、社長(田中泰生CEO)がこのカードゲームを見て気に入ってくれて。それで「選考フローを飛ばしてもいいからうちに来ないか?」と言ってくれたんです。そこまで言ってもらえるのなら自分もこの会社にマッチするのではないか、と思って入社を決めました。

矢原さんの就活データ
就活当時の志望業界:ゲーム業界
就職活動を始めた時期:入社前年の春ごろ
応募した会社数:10社程度

コンピュータのほうが人間より素直

――そうして憧れのゲーム会社への入社を果たした矢原さんですが、現在の業務はどんなことをされているのですか?

まず入社後に1週間ほどの研修があって、そこでアプリをひとつ作りました。その後に新規開発チーム、それから既存アプリのチームを経て、2016年9月から『パズルオブエンパイア』の運営をメインに手掛けています。今はエンジニアというよりプランナー業務の比重が大きいのですが、業務に使うデータ処理のツールなどは自分でプログラミングして作ることもあります。

――エンジニア志向だった矢原さんがプランナーの業務をやってみて感じたことってありますか?

意外ではあったのですが、自分はこういう業務も向いているんだな、と思ったんですよね。いろいろな人たちと関わる仕事で、大変だけれどとても面白いです。それにしても人間関係って難しいですよね。人間よりコンピュータのほうが絶対素直だよなって、最近は常々思っているところです(笑)。

会社では「GTE料理長」にも任命されている矢原さん。調理師の免許ももっているそう。「得意料理はパスタです」

実際にゲームを運営してみて難しさを実感

――なるほど(笑)。入社前と入社後でゲームに対する見方に変化はありましたか?

ええ。だいぶ変わりましたね。遊ぶ側として外から見ていると「ここをちょっと直せばもっといいゲームになるのにな」なんて簡単に思ったりしていたのですが、制作側として中に入って自分の考えた施策を打ってみても、思ったより効果が出ないもので。つくづくゲームバランスって難しいですね。先日も新しく追加したキャラが想定より強すぎちゃったりしていて……。

――作り手側の想定を超えてしまう時があると?

たとえばテストにしても、社内で3人が10時間ずつやったとしても延べ30時間にしかならないですよね。でも実際に世に出して3000人のユーザーが10分ずつプレイしただけでもテスト時間を軽く超えてしまうんです。自分たちに予想できないことが起こりうる世界なので、怖いなあと思うことはあります。

――作り手側になったからこそ分かる感覚ですね。最後に、これから就職活動をする学生たちにアドバイスをお願いします。

就職活動中に、たくさんの会社に行って、そこで働く多くの人々と話すことができるのは楽しいことです。企業側も一緒に仕事をする人を本気で探しているわけなので、いい話を聞ける機会でもありますよね。まだ自分のやりたいことが明確に見えていない、という人は、もし状況が許すのなら大学を休んで自分を見つめなおすのもいいと思います。私自身も大学院時代に休学して海外に行き、そういう時間を作りました。そこで1年遅れたからといって、そのあと20年、30年と仕事をしていく長い時間を考えれば、大したことないのではないでしょうか。なにより社会人になってからではそんな時間は取れませんからね。

これからもがんばってください!

新入社員インタビュー

採用者の目線

さて、ここからはそんな矢原さんを採用された企業側の視点から、エンジニアやクリエイターを志す人たちに求める資質、心構えについてお話を聞いていきます。今回でなんと3度目の登場、paizaインタビューではおなじみとなりつつある芸者東京株式会社CEO、田中泰生さんです。

※過去のインタビューは以下のリンクからご覧ください
・初めての転職、7年越しで憧れのゲーム業界に転向できた理由(2015年1月取材、後半部分)
・エンジニアが書いたコードは、大げさに言えば「人生の集大成」!(2016年10月取材)

芸者東京株式会社 CEOの田中さん。矢原さんの採用で評価したポイントとは?

成果物があるかは採用での重要なポイント

――過去のインタビューでは、スタッフの採用に関して「書類よりも提出されたコードを重視する」とおっしゃっておられましたが、それは今も変わりありませんか?

なにも変わらないですね。エンジニアにとってコードを書くということは、野球選手にとっての素振りのようなもの。そこから生まれる技術力、そして目の輝きを評価します。

――今回、矢原さんを評価したポイントはどんなところだったのでしょう? 自らが作ったカードゲームを持参したことが評価されて採用まで進んだと聞いたのですが?

はい。すでに完成品を作っていたというのは、大いに評価すべきポイントでした。正直なところ、ものすごく面白いものを作ってきたかというと、そういうわけではなかったんですけどね(笑)。それでも、自分の頭の中にあるものを具現化して、人に見せられる形にして提出できるのは素晴らしいことです。

エンジニアやクリエイターの採用においては、成果物を出せるかというのは圧倒的に重要なポイントになります。スキルだけではなく、ものづくりにどういう姿勢で取り組んでいるかが大切ですから。たとえばゲームの世界では、個人でもUnityといったツールとPC、そして「作りたい」という気持ちさえあれば会社に入らなくても作れる時代なわけで。作りたいと言うならまず作ろうよ、と思っています。そこで自分から行動に移せるかは内発的なものであって、入社後に環境で変化するものではありません。

社内ではVRやAIの研究もおこなわれています。実際に使っているところを見せていただきました。ありがとうございました!

エンジニアも、ただコードを書くだけではない

――矢原さんの入社後の活躍について、どう感じられていますか。

彼には今、『パズルオブエンパイア』運営チームのリーダーとして頑張ってもらっています。アイディアを多く出してくれますね。みんな彼を頼りにしていて、その施策を「矢原プラン」と呼んでいます。実は彼には、入社前にカードゲームのイベントを運営していた経験があって、ユーザー側と運営側の双方の視点をすでに持っていたのです。そこにエンジニアの素養を併せ持っていたことで、適性があると考えて配属しました。ゲームの運営というのは誰がやっても難しいものですが、経験が少ないながらもよくやっていると思います。なにより熱意があるのがいいですね。

――当初エンジニアだった矢原さんのケースもそうですが、御社では入社後に職種によって業務内容が限定されるわけではないということでしょうか?

そうですね。僕としてはサッカーチームのような運営をしていると思っていて。サッカーではディフェンダーやキーパーでも時には前線にあがることがあるし、フォワードだってピンチになれば守備もやるでしょう。僕はエンジニアたちに、「ただコードを書くためだけにこの会社に入ってもらうわけじゃない」と言うようにしているんです。コードを書くのはあくまでも手段でしかなくて、ミッションは良いゲームをつくることですからね。よりよいものを作るためのアクションとして、さまざまなポジションでの活躍を求めることはありますし、プランナーにも一定のプログラミングスキルを要求します。

――エンジニアチームの構成や、仕事場での雰囲気などを教えてください。

エンジニアの人数は30人くらいです。開発しているときは静かですけれど、ミーティングになると活発に議論していて、時には白熱した激論になることもあります。ゲームやエンタメを仕事にする人間って、どこか子どものままの部分を持っているので、どうしてもそうなっちゃうんですよね。

――新たなゲームのリリース予定や、ゲーム以外に御社が取り組んでいることがあれば教えてください。

現在は2017年夏頃のリリースへ向けて、「すごいアクションゲーム」を作っていますのでご期待ください。ゲーム以外では研究としてVRとAIに力を入れています。これらは今のエンタメ界における2大テーマだと思っているんです。たとえばAIをグラフィックの自動生成やゲームバランスの調整に使ったり、人間の「いい塩梅でやってくれ」的なあいまいな指示に応えられるようなツールができたら面白いんじゃないかな、とも考えています。

ゲームを作る職人になる覚悟をもってほしい

――最後に、これからゲーム業界を目指す学生たちに向けたメッセージをお願いします。

水道や電気といったインフラとは違って、ゲームとは世の中に必要不可欠なものではありません。そんななかで、ユーザーの皆様がわざわざ貴重な時間を割いて遊びたくなるものを作るのには、それ相応の覚悟が必要だと思います。それは社会人になる、というよりはクリエイター、エンジニアになるという意識。もっと言うと職人として挑戦していく覚悟です。もしあなたがゲームクリエイター、エンジニアになることができたなら、その仕事につけた運命に対して喜びを感じてほしいですね。そして、そんな自分の幸福な運命をムダにせず、すばらしいエンジニアになるために時間を使ってほしいと思います。

この日もお忙しい中、インタビューに出ていただきました。ありがとうございました!

矢原さん、田中さん、ありがとうございました。

小さい頃からの夢をかなえるために勉学や実践を重ね、今は充実した日々を送る矢原さん。そして、時に冗談を交えつつも、ゲームに対しての熱い想いを語り続けてくれた田中さん。クリエイティブな世界で活躍していくために必要な姿勢、そして覚悟が伝わるインタビューでした。ゲーム業界志望で、お二人の心意気に共鳴された方も多いのでは? そんな方はぜひ一度求人票を覗いてみてください。

芸者東京株式会社のますますのご発展をお祈りしております。



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