やる気や意欲をしっかり伝えるには?
「志望動機が思いつかない」という人も多いかと思いますが、面接で「エンジニアになりたい」というやる気を伝えることは非常に重要です。エンジニアを目指す意気込みがしっかり伝わるようにポイントを押さえていきましょう。
ポイント1:やる気、意欲
やる気や意欲が伝わらずにNGになってしまうケースは非常によくあります。面接官は、「志望動機」だけでなく、転職理由や面接中の態度などを通して応募者のやる気や意欲を見ています。自分が面接のどのポイントでつまずいているのかを把握し、対策していきましょう。
例(1)
とにかく「やりたいです!」と言うだけの人
NG理由
「やりたい」というアピールは重要ですが、転職では「やりたいこと」よりも「できること」が重要です。「やりたい」だけなら誰でも言えます。開発業務未経験で、できることが少ない人でも「現在どれくらいのことができるのか」「できるようになるためにどんな勉強や努力をしているか」などを言えるように整理しておきましょう。これがないと、企業側も「本当にやりたいと思っているのか」「今はできなくてもこれからできるようになってくれそうか」が判断できません。
「やりたいこと」と「できること」をひもづけて整理しましょう
未経験からエンジニアを目指している人はたくさんいます。その中でも内定が出やすいのは、自分が「今できること」と「これからやりたいこと」をひもづけて、ストーリーとして話せる人です。
開発経験がなくても、たとえば「これまで営業職として顧客の要望を吸い上げ、それを提案として形にする仕事をしてきました。システム開発でも、顧客の要望を吸い上げ、どんな形で実現させるかを考えることは重要だと思いますので、これまでの経験が生かせると考えております。プログラミングの実務経験はありませんが、独学で勉強をして、paizaのBランクを取得し、簡単ではありますがWebサイトを作ることもできました。入社後は、実践できる環境をいただければ全力で頑張ります」というように、これまでの経験とこれからやりたいことをひもづけることはできます。自分が今までやってきたことを振り返り、経験とスキルの棚卸しをしましょう。
例(2)
静かに相手の話を聞いている人
NG理由
面接官が話しているときに反応が薄いと、自分ではじっくり真剣に話を聞いているつもりでも、「うちの会社に興味がないのでは」と不安に思われてしまいます。また、説明の後で質問がない場合も同様に「うちの会社に興味がないんだな」と判断されてしまいます。
リアクションを取り、説明を受けた後はできる限り質問をしましょう
面接官から会社の説明を受ける時は、「メモを取ってもいいですか」と聞いてみたり、ときどきうなずいたり、視線を合わせたりして、相手の話を理解しながら意欲的に聞いている姿勢を見せましょう。また、「なにか質問はありますか」と聞かれた場合はなるべく質問をしましょう。これから入社するかもしれない会社の話を真剣に聞いていれば、質問や気になることが何も思いつかないということはないはずです。
たとえば「配属予定のチームは何人構成ですか」「どんなバックグラウンドの人がいますか」といった質問は、どんな企業でも聞けますし、具体的にそこで働くイメージをするのにも有効です。質問事項は、面接前に企業の情報を調べながら、できれば3つほど準備しておきましょう。
例(3)
「何か質問はありますか」と聞かれたのに質問をしない人
NG理由
これから入社するかもしれない企業の面接を受けているのに、何も質問がないようだと、普段から疑問を持たない鈍感な人に見えてしまいます。企業の面接を受けるなかで、疑問や気になる点が一切なく、入社したらどんなふうに働くのか完璧にイメージできているような人はほとんどいないはずです。
「何か質問はありますか」と言われたら必ず何かを返しましょう
どうしても思いつかない場合も、なるべく「特にありません」だけで終わらないようにしましょう。たとえば「面接前は○○についてお聞きしたいと思っていたのですが、さきほどご説明いただけて理解できました」と質問がない理由や理解できた旨が言えると、質問がなくても印象がよくなります。
ポイント2:事業への共感、志望動機
多くの転職希望者を悩ませる志望動機ですが、「面接で聞かれるからそれっぽい動機を作らなきゃ」と考えてしまうと逆に失敗しやすくなります。自分の経験と転職理由を整理した上で、「自然と志望動機が出てくる」状態を目指しましょう。
例(1)
エンジニアを目指す動機が「手に職をつけたいから」という人
NG理由
手に職をつけたいだけなら、エンジニア以外の職業でもできます。最近は「エンジニアは年収が高い」「エンジニアになれば仕事がなくなることはない」といった動機でエンジニアを目指す人も増えています。それ自体は悪いことではありませんが、変化の早いIT領域で仕事をするなら、日ごろの情報収集や勉強が欠かせません。志望動機を聞かれて「手に職をつけたいから志望しました」と言うだけでは、「新しい情報や技術をキャッチアップして、活躍してくれそうな人だ」とは思ってもらえないでしょう。
エンジニアを目指そうと考えたきっかけを具体的なエピソードで用意しましょう
「身近にエンジニアがいて、話を聞いて自分もやりたいと思った」「小さい頃にPCをいじっていて楽しかったのを思い出した」など、ITに興味を持ったきっかけは、具体的なエピソードを用意しましょう。「手に職」と考えてITエンジニアが思い浮かんだのであれば、ITと関わった経験、ITへの驚きを感じた経験が何かしらあるはずです。
例(2)
転職理由や志望動機が福利厚生や年収などの条件面の人
NG理由
誰だって転職するならよりよい条件のところが望ましいです。ただし好条件を求めるのであれば、それなりの成果と再現性が必要になります。「何もできないけど条件だけよくしてほしい」というのは、企業目線で考えると虫のいい話であり、「待遇だけが条件で、特にやりたいこともないなら、意欲的に学んでエンジニアとして成長していくのは難しいだろうな」と思われても仕方ありません。
転職理由や志望動機は「なぜエンジニアになりたいのか」をベースに考えましょう
もちろん、条件面の話をしてはいけないというわけではありません。ただ、志望動機や転職理由が「待遇をよくしたいから」だけで終わってしまうのは避けましょう。エンジニアになりたい理由や、エンジニアになったらどんな仕事がしたいか、どんなエンジニアになりたいかといった前向きな理由が伝わるような理由を考えみてください。
ポイント3:業務外の勉強、取り組み
やる気を伝えるには、行動をアピールするのが一番です。未経験者の面接では、自主的な取り組みについて質問されることが多いので、話せるように準備しておきましょう。
例(1)
「○○をしたいです」どまりで何もしていない人
NG理由
「こういうことに興味があります!」とは言うものの「何か勉強などしていますか」と聞かれると、具体的に答えられない人が非常に多いです。「やりたい」「勉強するつもり」だけなら誰でも言えます。何の取り組みもしていない人は、「口だけで本当はやる気がない人なんだな」と思われても仕方ありません。
例(2)
「○○を勉強してます」と言うだけの人
NG理由
勉強しているのはよいことです。ただ、もはやエンジニアを目指している人たちの中では、ふだんから勉強や情報収集をしていることが当たり前となっています。応募者の中でも「勉強しています」というだけの人はたくさんいますから、それだけで話が終わってしまうとあまり印象には残りません。
「勉強した」だけで終わらず「実践した」話をしましょう
「勉強しました」だけで終わらずに、たとえば「実際にこのフレームワークを使ってWebアプリを作ってみながら、業務での利用シーンを考えています」といった感じで、具体的に手を動かして試した内容が話せるといいでしょう。「自分から手を動かすことができて、エンジニアとして成長できそうな人だな」と思ってもらえます。簡単な内容でも「手を動かして試してみた」ことは、面接でのアピールポイントになりますから、話せるように準備をしておきましょう。