企業インタビュー Sansan株式会社
「出会い」を起点にイノベーションを生み出し世界に挑む
このミッションを達成するため一緒に戦いましょう
「それ、早く言ってよー」のCMでもおなじみのSansan株式会社。会社内の名刺を集約し、名刺の情報を企業の資産へと変える「Sansan」や、個人向けの名刺アプリ「Eight」などの事業を展開しています。
今回は、CTOの藤倉成太さん、人事部で採用を担当する田中達也さんのおふたりを直撃! 新卒採用で重視する点や、同社の今後の展望についてお話を伺いました。
これからは世界にチャレンジするフェーズ
――CMのインパクトも強く、Sansan=名刺の会社、というイメージの学生も多いと思います。まずは事業内容について、簡単に教えてください。
田中さん: 弊社の事業はBtoB、企業向けのビジネスです。実際に社会で働く経験をしていない学生の方には、イメージがつかみにくくて当然ですね。「名刺の会社」のイメージが先行しているのもわかります。ただ、私たちは名刺管理をすることを目的にした会社ではないんです。現在掲げているミッションは、「出会いからイノベーションを生み出す」。名刺はあくまで手段にすぎません。私たちは世界に挑むビジネスプラットフォームとして、その先に解決しようとしている本質的な課題があるわけです。
――「本質的な課題」とはどういったことでしょう?
田中さん: 私はよく「名刺って、連絡網に似ているよね」という例え話をするんです。連絡網って、友だちが引っ越したらわからなくなっちゃうし、連絡網自体をなくしてしまったら終わりですよね。ビジネスシーンで利用される名刺も、この連絡網と同じくらいの、はかないつながりでしかないと思うんです。それって、よく考えると違和感がありませんか、と。我々が取り組むのは、この違和感を解消するイノベーションです。コンセプトレベルで共感していただけると、具体的な事業の意味や目指す方向も理解しやすいのかな、と思いますね。
――これから入社する方たちは、どんな事業を担っていくのでしょうか?
藤倉さん: 私たちは、いま2回目の変革期を迎えていると感じています。設立から12年、事業を軌道にのせ、認知をあげてきました。これからは、コアな事業領域、能力をベースにしながら、その周辺にも意識を向けていくフェーズに入ります。
――名刺管理サービスから、さらに事業領域が発展していく、ということでしょうか?
藤倉さん: ええ。これまで「Sansan」や「Eight」では、ユーザーが読み込んだ名刺データを、そのままユーザー価値として提供することに注力してきました。しかし今後は入ってきた情報を別の価値に転換して提供することにも重きを置いていきます。たとえば、名刺の持つ人脈の情報を、キャリアデザインという別の価値に転換するようなサービスですね。
――事業領域が広がるなか、今後御社のエンジニアにはどんな能力が求められますか?
藤倉さん: 私たちはテックドリブンで何かを企画しようと考えてはいません。技術的にこういうことができるから、これをビジネスにしよう、といった発想ではないんです。ですから、現時点でどんな能力が必要かと問われても、今はまったく分からない、というのが本当のところです。ミッションである「出会いからイノベーションを生み出す」ことを実現させるものであればやるし、そうでなければやらない。必要とされる能力を身につけながら進んでいくのだと思います。
求めるのはミッションに共感し自走できる人材
――続いて、エンジニアの新卒採用についてお話を伺いたいと思います。採用で最も重視するのは、どんな点ですか?
藤倉さん: まずは、事業や会社のミッションに対する共感度や理解度です。社員数は400人を超えるくらいにまで成長してきましたが、とはいえ我々はベンチャー。なぜこのタイミングでこの方向へ力に入れていくのか、行間までくみとって理解しようする姿勢は絶対に必要だと思います。そのうえで、自分で考え、自走できる人が求められています。
――技術面でのレベルはいかがでしょうか?
藤倉さん: もちろん技術も大事です。ただ、入社時点で先輩社員と肩を並べられるほどの技術力を持つ学生は、そうはいないだろうと思っています。大切なのは成長しようという意欲です。技術力で事業を伸ばしたい気持ちさえあれば、育てる準備はできています。
田中さん: 採用チームとしても、大切なのは今の技術レベルではなく、将来的に大きく成長するポテンシャルがあるかどうかかと思っています。どう行動し、どう学んできたか、自分自身を内省する力などはその中の1つかと思います。
――次に、新卒エンジニアの採用フローを教えてください。
田中さん: 通常は技術審査が1回と、面接が3回です。技術審査は、定性と定量の2軸で評価します。定性部分はスキルチェックシートを用意しています。これは、その人がこれまでどういう言語を使ってどういうことに取り組んできたかを、自由記述でアピールしてもらうものです。定量部分はコードですね。それを通過した方が面接に進みます。面接は、現場エンジニア、マネージャー、役員の3段階です。
――新卒採用にpaizaを導入されていますが、御社ではどのように利用されていますか?
田中さん: 一定の基準で技術力をはかることができるので、学生と会う前の貴重なデータとなりますね。データをもとに、効率的なアプローチができていると思います。paizaからの応募者は、技術に向き合うのが好きな人が多い、という印象がありますね。
各職種の垣根を越えたチーム体制
――エンジニアのチーム体制や開発環境について教えてください。
藤倉さん: エンジニアだけの開発部門があるわけではなく、入社後はさまざまな事業部に配属されます。どういうものを作るべきかを考えるプロダクトマネージャーやディレクター、UI、UXの設計を担うデザイナー、それとエンジニアは、必ず同じ組織のなかにいるべきだ、という考えで、組織をつくっています。
――エンジニアもデザイナーもディレクターも、職種ごとに固まっているわけではないのですね。
藤倉さん: ものづくりを考えるときには、できあがるまでの工程をわかっていたほうがいいですよね。そういう意味で、プロダクトマネージャーとエンジニアの親和性は高いし、同じチームにプロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニアが混在していることで、企画の構想段階からスピード感を持って取りかかれる、と考えています。
田中さん: ほかの事業部とも距離は近いし、部署・部門を越えたコミュニケーションは活発です。職種横断的に関わる仕事も多いです。
藤倉さん: そうした組織体制と日常的なコミュニケーションのおかげか、プロダクトに不具合があったり、パフォーマンスが落ちたりしたときにも、エンジニア職への不満や文句が出ることは一切ありません。
たとえば営業職であれば、当然お客様からのクレームなども受けているはずです。それでも、彼らは日頃からエンジニアをはじめとしたチームメンバーが製品に対して常に本気で向き合っているのを見ています。ですから、適切な説明ができない、あるいは売れないといったときでも、それは自分の提案力が低いのが問題なのだ、と言ってくれるのです。
一方で、そういう営業を見ていれば、僕たちエンジニア側だって頑張るしかないじゃないですか。そうやってお互いが頑張っていく。弊社はそういう場所なんです。
――お互いに信頼関係が築けていてすばらしいですね。次に、新卒エンジニアとして入社後は、どんなステップを踏んで自分の力を高めていくことになりますか?
藤倉さん: まずは最も若手のエンジニアとして先輩方に教わりながら仕事を覚えていきます。慣れるにつれ、扱う領域は広がっていくでしょう。数年後、いくつかのプロジェクトをリードできるようになれば、チームリーダーになっていきます。さらにスキルアップすれば、他部門と連携して大きなインパクトを与えるようなプロジェクトに携わっていくようになるでしょう。
エンジニアとしては、大きく3つのキャリアパスが考えられます。プロダクトに寄り添っていくタイプ、専門職として極めていくタイプ、そしてエンジニアのマネジメントで能力を発揮するタイプです。その先には部門長や会社としてのマネジメントに進む道もあるかもしれません。また、ロールを変えて、プロダクトマネージャーになるケースもありますね。
――成長やスキルアップを後押しするための制度や取り組みがあれば教えてください。
田中さん: 勉強会や読書会は積極的にしていますね。お昼どきだけ見ても、毎日何かしらの勉強会が開かれています。社外の方が参加できる、パブリックなものもありますよ。
藤倉さん: 「TechDojo」といって、エンジニアが主体となって、営業職などビジネスサイドのメンバーにテクノロジーの入り口を教えるようなものもあります。また、外部のセミナーに参加する場合は、参加費や交通費などの補助が受けられます。
スタートアップの気持ちで一緒に戦いましょう
――最後に、御社への入社を目指す学生へのアドバイスやメッセージをお願いします!
田中さん: 私たちは、ベンチャービジネスのなかでも一点突破型。ここから先の成長角度は非常に高くなると予想しています。今後はビジネスプラットフォームとして、新規事業を展開する可能性もあります。大規模なプロダクトの開発に関わるチャンスも多く、刺激的な経験ができる環境だと思います。
藤倉さん: 世界にリーチできる日本企業って、実はそれほど多くはありません。Sansanは、その数少ない会社のひとつであると思います。今、足場が固まって、いよいよ飛躍の時期に差しかかっています。
しかし、会社を大きくするためだからといって、ただいろいろな事業をやるわけではありません。すべての事業が「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションに集約されるものであること。それが大切だと考えています。私は、そうでなければ世界の壁をうがつことはできないと思っているし、そのブレない姿勢こそが、私自身がこの会社を好きで、ここにい続ける理由でもあります。
田中さん: ミッションを軸にした一体感や熱量は、ものすごいです。社員400人規模というと、もうすでに安定した企業だと思われるかもしれません。でもなかにいる社員はみな、スタートアップの気持ちで戦っています。弊社のミッションに共感し、一緒に戦いたいと思ってくれる方をお待ちしています!
――ありがとうございました!
藤倉さん、田中さん、ありがとうございました。
近い将来、Sansanが提供するサービスがビジネスシーンを変えるかもしれない。そんなワクワクする未来を垣間見ることができたインタビューでした。名刺管理ツールにとどまらず、さらにイノベーティブな事業へと飛躍しようしている同社。その最前線に立って道を切り開いていく経験は、きっと想像以上に刺激的で充実感のあるものとなるはずです。
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