内定を承諾したら、現在の職場へ退職の意思を伝えなければいけません。最初に退職の意志を伝えるのはまず直属の上司。現場で必要な人材であったならば、強く引き止められる可能性があります。上司への恩や待遇改善案などで心が揺らいでしまう場合もあるでしょう。
しかし、それでも退職はブレないことが大切です。意志が揺れると退職交渉が長期化し、たとえ残ることになっても印象が悪くなり働きづらくなります。転職活動時の初心に戻り、改めて次のステージへ行く理由を思い出しましょう。これまでお世話になった感謝を伝え、断固たる決意で転職意思が変わらないことを訴えましょう。
内定を獲得し入社を決意(内定承諾)してから、退職までどのようなスケジュールで進めればよいか、これまでの転職成功したプログラマの方の事例をもとに、一例をご紹介します。
図6)退職のスケジュールイメージ
在職中の方の内定承諾から入社までの期間としては、1.5ヶ月程度が平均的です。まずは引き継ぎ準備と上司への退職意志の告知から始めますが、引き継ぎ状況にもよりますが、退職日の調整を見込んだり、たまっている有給を消化することなどを考えると遅くとも1.5ヶ月前には動き出したいところです。
また突発的なトラブルが起きた際にも対応できるよう、最終出社日の2〜3日前には残務処理が終わるような余裕を持ったスケジュールがベストです。少しずつ備品や資料の整理を始めましょう。原則的には、早出や残業をしても、残務整理は責任をもって完了させましょう。有給もできるだけ取得できることが理想的ですが、希望退職日まで日がない場合、引き継ぎを優先させましょう。
なお、転職先の会社へは、メールなどで定期的に引き継ぎの進捗状況を共有するとよいでしょう。仮に、引き継ぎや担当業務が予定より伸びてしまい、退職日がずれ込む場合も、対応してもらいやすくなります。
✔ 引継ぎスケジュール
最終出社日から逆算して、いつまでに、誰に、何を引き継ぐかスケジュールを組みましょう。
✔ 引継ぎすべき内容のリスト
現在担当している業務を洗い出しリスト化しましょう。
✔ 引継ぎドキュメントのリスト
業務を説明するために作成しなければいけない資料(業務手順、注意点、関係者などを記載した資料)をリストアップしましょう。
上司へ退職意志を告知する際は、転職先の会社と取り決めた時期から大幅に伸ばすことはできないと伝え、引き止めに対しては検討の余地がないことを伝え、退職までの希望スケジュールを提示しましょう。その上で、退職日を引き延ばせないかと依頼されたら、可能であれば少しだけ譲歩するのが良いかと思います。譲歩の余地を残すためにも、退職希望日は少し手前の日を提示しましょう。
また退職日が正式に決まり、社内でオープンになったら、取引先へ後任の紹介と併せて退職の挨拶を行いましょう。
少し強引ですが「退職日が決まらないと引き継ぎもできませんので引き継ぎ責任が取れなくなってしまいます」といった旨をそれとなく伝えてもいいかもしれません。事前に引継ぎスケジュールを用意しておき、自分の条件を伝えつつ譲歩できるポイントを示し、交渉していきましょう。
これまで積み上げてきた人間関係は、ある意味ご自身にとって財産です。今後も大事にする意味でも円満退職は非常に重要です。
現在の会社に対して感謝の気持ちを伝えつつ、次のキャリアステップとしてどうしても新たな環境に進む必要がある熱意を伝え、引き継ぎは誠意を持って対応することを話しましょう。
また最終出社日には、社内の方へ、また直接挨拶ができなかった取引先へ退職の挨拶メールを送りましょう。以下からサンプルをダウンロードできます。
退職挨拶メールテンプレート