企業インタビュー 株式会社フィックスターズ
「技術が大好きでスペシャリストを目指したい」
そんな思いを持つ学生にきてほしい
今回は、高速な処理を必要とするクライアント企業の製品開発をサポートしている、株式会社フィックスターズに伺いました。お話を聞いたのは、採用グループでグループ長を務める高橋拓真さんと、同じく採用グループの青木亮さんです。
「爆発的に増えていくデータや計算量の多いアルゴリズムを現実的な時間で処理したい」、「非常に限られた計算資源下で多くの機能を実現したい」など、一見すると不可能とも思えるクライアントの課題を「ソフトウェアの高速化」で解決し続ける同社。最近トレンドである機械学習・ディープラーニングを活用したソフトウェア開発支援もおこなっています。今回は、高橋さんと青木さんの双方に、この会社での働き方と企業風土、そして「高速化」をドライブさせるエンジニア像について語っていただきました。
プロフェッショナル志向の強いエンジニアが集まってくる
――新卒採用でpaizaをご利用いただいていますが、そもそも御社ではどういった人材を求めているのでしょうか。
青木さん: まず、プログラミングが好きでかつ普段からプログラミングをされている方や、さまざまな技術を吸収していきたい方などが求める人材像ですね。ただ、弊社の業務特殊性から、やはりプログラミングスキルの高さは重要視しています。結果として、技術面の選考基準が他社と比べても高くなっており、paizaさんではSランクの方限定で選考をさせていただいています。paizaさんでは、スキルレベルを絞ってお会いできるので、こちらの希望とマッチングしやすいです。
――ありがとうございます。paiza経由で応募してきた人材にはどんな印象をお持ちですか?
高橋さん: paizaさんは技術オリエンテッドなユーザーが多く、媒体登録のきっかけは、就職を考えてよりもプログラミング問題を解くためという印象です。企業からスカウトが来たから、そこで初めて就職のために使い始めた人も多いですよね。そういった理由で、他の採用媒体ではリーチしづらかった潜在層の獲得に優れていると思います。
――ありがとうございます。技術面の基準が高いとのことですが、実際に現在在籍されている社員は、プロフェッショナル志向が強い方が多いのでしょうか。
青木さん: 多いですね。「類は友を呼ぶ」ではないですが、学生に弊社の魅力を伝える際にもプロフェッショナルを目指している人たちがいる点はアピールしています。
エンジニアは時代に応じて使用する技術も変わります。特に「高速化」はハードウェアの変遷を追い続ける必要があるので、常に向上心を持って、技術者として切磋琢磨しないといけません。そうした資質が垣間見える方を求めています。
高橋さん: 最近新卒で採用した方の半分以上は大学院卒なんですが、入社後、「民間企業はもっと堅苦しいイメージがあったけど、ここは研究室みたいですね」と、言われることが多いんです。そういう意味で当社の技術者は、仕事としてやっているのか、純粋な好奇心でやっているのかの垣根があまりないのでしょう。
大事なのはプログラミングが好きかどうか
――paiza経由ですと書類選考はありませんが、他媒体から応募された方の場合、書類選考ではどういった部分を見られていますか。
高橋さん: 出身学校と専攻、研究内容などの基本情報に加えて、課外活動もチェックします。プライベートの時間をプログラミングコンテストなどに費やしているのは評価のポイントになります。
青木さん: 競技プログラミングをやって、常にさまざまな問題を解いてきた方であれば、弊社に合うことが多いです。高速化の主だった作業はアルゴリズムを考えたり、トライ&エラーのサイクルを早く回したりすることなので、そこが鍛えられていると入社後も強いんです。
高橋さん: あと、弊社のエンジニアは常に脳のパフォーマンスをよくする方法を考えている人が多いです。たとえば、「今日はすごく眠い。残業してコードを書いたらここから3時間くらいかかるけど、明日早く出社して仕事すれば15分できれいなコードが書けそうだから、今日はもう帰る」といった行動特性の方が多いように思います。弊社は裁量労働制、もしくはフレックスタイム制をとっているので、パフォーマンスが上がるのであれば、時間管理については個人の裁量に幅を持たせています。
――プログラミングスキルの高さ以外で、御社のエンジニアの何か共通する特徴はありますか?
青木さん: やっぱり、プログラミングが好きかどうかかなと思います。プログラミングをやっていれば幸せというか。そういう方ばかりですね。
特に狙っているわけではないんですが、たとえば天文学に興味を持って研究室に入ったものの、シミュレーションでプログラミングをしているうちに、そっちのほうが楽しくなる人も一定数います。しかし、彼らは高いプログラミング能力を持っていたとしても、天文学のフィールドではそれが評価されづらい。でもプログラミングが好きなことに気づいてしまった。そうやって自分の中でプログラミングの割合が大きくなった人が、自分の活躍できるフィールドを求めて弊社に来てくれるという方も多いですね。
これは転職だけではなく、新卒でも同じです。いま来てくれているインターンの中にも機械系の学部生がいるんですが、専攻とは別にプログラミングをやってみたら楽しくて、そちらでの就職を考えているとのことでした。
高橋さん: 薬学博士もいれば土木工学専攻もいますし、それぞれのバックグラウンドはかなり幅広いです。
青木さん: あくまで技術面にフォーカスしているので、コンピューターを使いこなせる能力さえあれば、それまでの研究分野は問わず広く採用しています。
――技術に関してはある程度のレベルを求めつつ、その先は多様性を持って選考されているのですね。では、面接ではどんなポイントを見られているのでしょう。
青木さん: そうですね、われわれが高速化したソフトウェアは医療機器や自動車、工場など、社会に役立てる案件が多いので、そうした部分にやりがいを感じられる人かどうかは見ています。
他に人物面であげるなら、「人柄が良い方」かどうか、ですね。例えば自分が何か理不尽な目にあった時に、安易に他人のせいや会社のせいにしない方。そして、仕事で壁にぶち当たっても、ちゃんと自分で乗り越えられる方かどうかという点です。
――大学での研究やバックグラウンドなど、社員の多様性は業務のどのような部分に生かされるのですか。
青木さん: 仕事面だと、弊社には「高速化」という切り口で、さまざまな分野の課題が降ってきます。そうするとさすがに一人ではカバーできないのですが、多様性があるおかげで、「聞けば誰か知っている」という状況が生まれています。そういった部分では大いに助けになります。
スキルアップを強制せず、学ぶ機会を提供する
――次に、新卒の方の入社したあとのフローについて伺います。研修などはどういったことをやっているのでしょうか。
青木さん: 一般的なビジネスマナーの研修はありますが、いわゆる研修プログラムはありません。コードが書きたくて仕方がない人のほうが多いですし、それぞれにレベルも違うので、実際に現場に入って覚えてもらうのが一番いいと考えています。
弊社では、新卒であっても、どういう勉強をするかの選択権はエンジニア側にあります。キャリアに関係なく、外部の研修や勉強会に行きたければどんどん行くことができます。会社としては勉強できる環境・機会を提供するスタンスです。
――社内行事も含めて、ほかには技術向上のためにどんな施策を用意しているのでしょう。
青木さん: 勉強会は盛んにやっています。今(取材当時)よくやっているのは「いまさら聞けない高速化」というテーマ。わざわざ口に出して聞けないレベルのこともあらためて出し合い、新入社員やインターン生に教えています。
高橋さん: 他にも、コンパイラの勉強会や、機械学習・コンピューターサイエンスで必要となる数学の勉強会などもやっています。普段あまり関わりが無いチームとの交流を深めるために、プロジェクト共有会なんかも実施しています。新人研修がないというと不安に思うかもしれませんが、勉強会をはじめとして、懇親会などコミュニケーションを取る機会は多くあります。自分から積極的に学びたいことを見つけて参加してほしいと思っています。また、こうした活動は参加自由なので、苦手な方に強制することもありません。
青木さん: さらに、さきほども言ったとおり、社内にはさまざまな分野のスペシャリストが集まっていますので、社内大学と称して自分の得意分野を知りたい社員に教える機会も用意しています。
――何かを学びたい人にとっては、環境は整っているわけですね。
青木さん: 高額なので枠は限られてしまいますがMBAや博士号の取得費用も会社が全額負担していますし、プログラミングコンテストやセミナーなど、仕事に直接関係がないことにも参加できます。ボードゲームサークルや実際の地下鉄を使った謎解きイベントなど、有志の活動も盛んです。自分のやりたい勉強会やコミュニティがなければ作ってしまえるので、かなり自由ですよ。
高橋さん: 勉強会もそうですが、クライアントから技術力を評価していただけているので、機密性の高い特殊なプロジェクトを任せていただく機会が多くあります。エンジニアはプロジェクトのために論文調査をしたり、新しい技術をリサーチしたりすることで知識を蓄積し、それを社内にシェアしていく。そうして、優秀なエンジニアが育っていくんです。
――よりレベルの高いプロジェクトがあればこそ、教育のサイクルが回せるわけですね。次に、エンジニアチームの働き方についても教えてください。
青木さん: プロジェクトにもよりますが、2、3人でチームを組むケースが多いです。具体的にはクライアントへのヒアリングから始まり、高速化の手法を提案し、納品する際の説明やサポートにも立ち会います。上位の職位になると複数の案件を俯瞰的に見ることもありますが、最初は1人1プロジェクトが基本です。また事業部長もコードを書くなど、マネジメント職になっても可能な限りプログラミングに関われる点も弊社の特徴ですね。
問題を解く延長のつもりで応募してほしい
――最後に就職活動中の学生へメッセージをお願いします。
高橋さん: 弊社は技術レベルの高いエンジニアの人口密度が高い場所なので、プログラミングが好きな方ならすごく楽しい環境だと思います。
定期的に会社説明会をやっていて、それは就職活動中の方に限らず、大学1、2年生の方や高校生でも大歓迎です。弊社が何をやっていて、どういう技術者がいるかがよくわかると思いますし、技術が好きな人であれば、単純にTechトークとして楽しんでいただくこともできると思います。軽い気持ちで来ていただいて結構なので、興味がある方はぜひ参加していただけるとうれしいですね。
青木さん: 理系の学生の中には、就職活動にあまり興味がなかったり、自分の興味があること以外はやりたくなかったりする方もいると思います。paizaさんで問題を解くのが好きな人であれば、面接というよりは問題を解く延長と思って応募してもらいたいです。
あとは、プログラミングが好きでスペシャリストになりたいけど、行き先が分からなくて困っている人にも、フィックスターズは最適な場所だと思います。そういう方もぜひ一度お話を聞きに来ていただければと思います。
青木さん、高橋さん、ありがとうございました。
もともとエンジニアだった青木さんとこれまでも採用分野で活躍してきた高橋さん。異なるバックグラウンドを持つお二人ですが、より高みを目指したいエンジニアにとってフィックスターズが最高の職場であることは、それぞれのことばからしっかり伝わってきました。
今後は高速化で培った技術をベースに、自社プロダクトの開発にも注力していくとのこと。果たしてどんなモノを生み出そうとしているのでしょうか。今回の取材では詳しく教えてもらえませんでしたが、「面接にきていただいた方にはお話しします」とのこと。環境面に魅力を感じた方はもちろん、次の展開が気になる方も、ぜひ求人票をチェックしてみてくださいね。
株式会社フィックスターズのますますのご発展をお祈りしております。