スペシャリストインタビュー 株式会社SHIFT アネシアディス・アナスタシオスさん
DXやサービス作りを推進する新組織を創設
品質保証で知られるSHIFTが開発エンジニアを積極採用
今回は株式会社SHIFTにお伺いしました。
ソフトウェアの「第三者による検証・品質保証」のリーディングカンパニーとして知られる同社ですが、2020年に新組織のDAAE(ダーエ)を設立。DAAEは従来の同社とは大きく異なる事業で、お客様のビジネス成功にコミットするための「DX推進」や「売れるサービスづくり」など、品質保証の枠を超えた支援に取り組んでいます。
この記事の前半では、DAAEでリードエンジニアを務めるアネシアディス・アナスタシオスさんに、DAAEでの業務内容やエンジニアに求められる要素などについてお話を伺いました。
また後半では、人事本部 人材戦略統括部の今枝千佳さん、井口明里さんに、DAAEの事業内容や成り立ち、応募してほしい人物像や今後の展望などについてお聞きしました。
※今枝さんと井口さんへのインタビュー(後半)は
こちら
から。
フルスタックエンジニアが集まり、小さく早いサイクルで開発
――アナスタシオスさん(以下「タソスさん」)はDAAEの一人目のエンジニアなんですよね。DAAEのどんなところに魅力を感じて入社されたのですか。
DAAEができた際に部長から誘われて入社したのですが、単純にこれからやろうとしていることがすごくおもしろそうだと感じたんです。いろいろなプロジェクトを作り上げて、海外のチームとコミュニケーションをとって、新しいものを開発していくという業務に魅力を感じました。
実際に入社してやってみて、開発はもちろん、入社当初は携わる予定ではなかった組織づくりなども楽しく感じています。
――これまでDAAEではどんな業務をされてきたのですか。
リードエンジニアとしてプロジェクトに入って、スクラムでチームを回しながら開発をしています。初期メンバーなので、採用にも携わってきました。面接官はもちろん、選考プロセスや選考で出す課題なども考えましたね。あとはエンジニアのチームビルディングや、メンバークラスのエンジニアの育成やフォローもしています。
――次に開発チームの普段の動きについてお聞きします。お客様から具体的に「こんなことがしたい」と要望が出た場合は、どれくらいの期間で開発されるのでしょうか。
場合によりますが、機能的に肝心なところだけを実装するのであれば、早くて2週間、遅くても2カ月ですね。スピード感を持って開発できるのは、DAAEのよいところだと思います。
――それは早いですね。やはりフルスタックエンジニアの方が多い組織だからこそ、素早い開発ができているのでしょうか。
そうですね。基本的には経験者だらけの組織じゃないと、そんなことはできないかと思います。また、当然ですが試作モデルは毎回うまくいくとは限りません。お客様からフィードバックをもらって、何度も話し合いながら、よりよいものにブラッシュアップしていく。我々はそうしたコミュニケーションの中で、お客様との信頼関係も築いてきました。さまざまなスキルを持つ経験者のチームと、そこで作られる試作モデルと、頻度の高いコミュニケーションの3つがそろっているからできることかと思います。
――お客様の要望に沿ったサービスを作るときに、例えばお客様から技術的な観点が抜けている要望が来たり、そもそもの課題感が明確でなかったりするケースもありますよね。その場合は、みなさんから提案やヒアリングをして、イメージを明確にしていく必要があると思いますが、それはリードエンジニアの方々がお客様とコミュニケーションをとって進めていくのでしょうか。
その通りです。ですからリードエンジニアの採用選考では、コミュニケーション力やビジネス感覚をかなり重視しています。DAAEのエンジニアは、何かを作るだけじゃなくて、作ったものに関する話ができなければなりません。場合によっては、お客様と意見がぶつかってしまうケースもあります。「それは無理だな」「現実的には難しいな」と思う要望が来ることもあるでしょう。そんなときは、とりあえずお金をもらうために「できます」と言うのではなくて、できないものは「無理です」と言えなければなりません。その上で「なぜ無理なのか」「どこまでならできるのか」を説明するのが私たちの仕事です。
1つを突き詰めるよりもいろいろやりたい人が合っている
――なるほど。ここからは、開発業務や組織について教えてください。業務はスクラム開発で回されているんですか。
基本的にはスクラムです。プロジェクトによってはウォーターフォールとスクラムの境目が曖昧なケースもあったりしますが、ほとんどスクラムですね。チームごとにスクラムマスターも配置しています。プロジェクトは5〜10名程度で、期間は2、3カ月の場合もあれば、1年以上かかるプロジェクトもあって、平均では6か月くらいでしょうか。
組織全体では80名を超える規模になりました。当初は、5人くらいしかいなかったのですが、ここ一年半程で積極的に組織を拡大していて、新卒も21卒で3名、22卒で5名採用しています。
――在籍されているエンジニアのみなさんの経歴や素質でいうと、どんな方が多いのでしょうか。
一言で言うと、「いろいろやってきた人」です。例えば、ずっと一つのことをやってきた人は、その分野のスペシャリストかもしれませんが、DAAEで活躍できるかというと難しいでしょう。具体的には、いろいろな組織で働いた経験があるとか、海外にいた経験があるとか、海外のチームと一緒に働いた経験があるとか。技術もそうですね。例えばECサイトも、決済サービスも、インフラも、フロントエンドも、アプリも触った経験があるとか、そういったフルスタックなメンバーが多いと思います。
――今後もエンジニア採用においては、やはりそういったフルスタックエンジニアの方を募集されているのでしょうか。
リードエンジニアと、若手エンジニアで採用要件は分かれますが、リードエンジニアであればやはりフルスタックであるかどうかは見ています。あとは、先ほども言った通りコミュニケーション力を重視しますね。技術は知らなくても学べばなんとかなりますが、コミュニケーションはそれだけではなんともならない部分が大きいですから。リードエンジニアについては、フルスタックの知識やコミュニケーション力を重視していて、可能な限りゼネラリストを集めた組織にしたいと思っています。
スペシャリストのエンジニアもゼロではないですが、基本的にみんなが「全部をやる人」です。DAAEでは、プロジェクトによって扱っている技術が全く異なりますし、あらゆる技術を駆使して自分たちでいろいろなサービスを作ったりすることになる。だから、使える技術を限定しないゼネラリスト志向なエンジニアのほうが適していると思います。逆に特定の技術へのこだわりが強い人は、あまり合わないと思いますね。プログラミング言語や、インフラなどはただの手段であって、最終的に何を作るかが一番大切ですから。
――面接ではどんなところを見られているのでしょうか。
いわゆる経歴などをお聞きする面接だけでなく、アルゴリズムの知識を問う技術面接も実施しています。問題に対して、解決のために、どんな思考をされているかをお聞きしています。知りたいのはどんな考え方をしているか、解決までのプロセスと、あとはコミュニケーションの観点で言うと、自分の考えをちゃんと人に伝えられるかです。回答が100%正解である必要はないですから、ぜひ怖がらずに応募していただければと思います(笑)。
スペシャリストインタビュー
採用者の目線
株式会社SHIFT
人事本部 人材戦略統括部 今枝千佳さん、井口明里さん
後半では、人材戦略統括部の今枝さん・井口明里さんに、DAAEの事業内容や成り立ち、応募してほしい人物像や今後の展望などについてお聞きしました。
クライアント企業からも要望がありDAAEを設立
――まずはDAAEでの事業内容について、簡単にお伺いしてもよろしいですか。
今枝さん: これまでのSHIFTは、品質保証の領域で事業拡大をしてきましたが、DAAEは2020年に立ち上げた、お客様の事業成功にインパクトを与えられることにフォーカスした組織です。具体的には「DX」の推進や、「売れるサービス作り」を掲げて、お客様の事業にも切り込んでサービス提供を行い、新規事業の領域を拡大しています。「サービスを作る=開発」だけではなく、「サービスが売れること=ビジネスの成功」に重きを置いています。
――これまで品質保証で安定した基盤を築いてきたSHIFTが、なぜそういった新たな組織を立ち上げることになったのでしょうか。
今枝さん: 簡単にいうと、これまで品質保証事業を行ってきた中で、「もっとUI/UXやユーザーのライフタイムバリューといった部分も向上させていきたい」「そのためにはテストだけでなく、よりお客様の事業の企画フェーズから参画していく必要がある」という考えに至ったのがきっかけですね。また、実際に以前から「品質保証だけではなく、アプリ開発やインフラ構築、セキュリティといったところもやってほしい」といったご依頼もよくありました。
――DAAEにおける今後の事業の展望についても伺ってよろしいですか。もともとあった品質保証やテストの領域とのつながりや、相乗効果などを狙うお考えはあるのでしょうか。
今枝さん: 従来の品質保証から領域を広げて、コンサルティングやDX支援、開発、デジタルマーケティングまで、既存の枠にとらわれずに幅広く展開しています。
品質保証の領域ではある程度基盤ができあがっているので、同じような柱を他にも立てていきたい。それがサービス開発の領域だと思っています。マーケットとしては、開発のほうが大きいので、今後も伸びしろがあると考えています。そしてただ開発をするだけではなく、基盤を生かして、より視座の高いレイヤーで、世の中に求められるサービス開発を進めていけたらと思っています。
若手向けのポジションも拡大、フルスタックを目指す人を歓迎
――DAAEでは、エンジニアの採用要件が高めに設定されているのでしょうか。
今枝さん: 高いというよりは、従来のSHIFTでの採用とは異なる観点で見ているという表現が正しいかと思います。新しいビジネスを遂行していくメンバーになりますから、これまでよりもビジネス感覚と技術を持ち合わせた人材を採用したいと考えています。
――先ほどタソスさんのお話では、技術力だけでなくコミュニケーション力が重要というお話でしたね。
今枝さん: 一言で「コミュニケーション力」と言っても、色んな意味合いがありますよね。意思疎通ができることも大事ですし、業務においては「このサービスって、誰のための、何のために作るんだっけ?」といったことをしっかり考えられるのもコミュニケーション力だと思います。タソスも「技術はあくまでも手段」と言っていましたが、「この技術を使いたい」ではなくて、目的を達成するために、何を使うのか。それを考えられる人がDAAEでは求められます。
――エンジニアに限らず、組織内に共通で求められる要素は何かありますか。
井口さん: いろいろな部署の人間が共通して言っているのは、「SHIFTは変化と成長のスピードが早いから、ポジティブに楽しめる方が活躍できる」ということです。この資質がない人は、逆につらくなってしまうかもしれませんね。
――タソスさんにもお伺いしましたが、どんなエンジニアを採用したいとお考えですか。
今枝さん: 現在のチームには幅広いフルスタックの見識を持っているエンジニアが多く、今後もそういった人材は求めています。ただ、人数が増えて組織が大きくなってきて、今後は人材を「育てる」土壌も整えられると思っています。今までは本当にフルスタックで何でも1人でできるエンジニアを集めてきましたが、今後はジュニア層というか、ポテンシャルがあって成長したい若手の方にもジョインしていただきたいですね。
要件としては、経験者・若手問わず、やはりビジネス感度の高い方がよいかと思います。課題解決のための思考ができるというか、HowではなくWhyを追求して「なぜそれをやるのか」を意識できる方がよいですね。
若手の方でもチャレンジできる環境を用意していますし、入社後のキャリアにおいても、選択肢は多いと思います。例えば、バックエンドやフロントエンドを強化したいとか、今はPL経験しかないけどPMに進みたいとか、もしくはサービスディレクターやコンサルティングとして企画に携わりたいといった希望も、幅広くかなえられると思います。
paizaからの応募者は向上心が高い人が多い
――ここからはpaizaのご利用についてお聞かせください。paizaを知ったきっかけや、導入の目的などがありましたらお教えいただけますか。
井口さん: paizaは、昨年の11月から利用しています。当時は、開発エンジニアの採用目標数が高まったタイミングでした。そこで、応募者のスキルを見るためにタソスのようなリードエンジニアに面接官をしてもらって、つきっきりでライブコーディングなどの試験を実施してもらっていたのですが、エンジニアの工数をかなり消費してしまうんですよね。その割に、面接をしてみたら応募者のスキルが全然要件に届いていなかったケースも多くて…。だから選考に入る前に、もう少し応募者のスキルを担保できる方法がないか検討していたときに、paizaに出会いました。
――ありがとうございます。実際にpaizaを使われてみて、いかがでしたか。
井口さん: まず、応募者がみなさんランクを獲得済みで、一定以上のスキルが担保された方である点がすごく魅力的ですね。以前は面接してみたら、スキル要件が全然マッチしなかったことも珍しくありませんでしたが、そういったケースはかなり減っていると思います。あとは、paizaを経由して応募していただいた方は、普段からプログラミング問題を解くのが好きな方が多いからか、向上心が高い方が多く感じます。ユーザーの方には若手の方も多いと思いますから、今後はそういった方からもご応募いただけるとうれしいです。
――最後に、この記事を読んでいる方、応募を検討されている方に対してアピールしたい魅力やメッセージなどはありますでしょうか。
井口さん: 条件面的なお話もしておきますと、我々は応募者の方のスキルをしっかり見極めて、それに見合った給与をお支払いしたいと思っています。
具体例を挙げますと、20代で前職の年収が420万円だった方に対して、550万円でオファーをして、入社してもらったりしています。またテックリードのエンジニアでは、30代で前職の年収が550万円だったところを、900万円でオファーをして入社してもらった事例もあります。選考中にご自身のスキルをしっかりアウトプットしていただければ、きちんと評価してかなり年収アップができる企業ですから、ぜひ応募先の候補に入れていただければと思います。
そう言われると「高いスキルが求められるんでしょう」と尻込みしてしまう若手の方もいるかもしれませんが、そういったハイスペックなエンジニアがある程度集まってきたので、今は若手でポテンシャル層の方も積極的に採用したいと思っています。
――年収アップができるというのはすごく魅力的ですね!
今枝さん: そうですね。もちろんそれだけじゃなくて、業務的な魅力もアピールさせていいただくと、先ほどのお話で入社したテックリードのエンジニアが話していたのですが、DAAEの場合、やはり品質保証の部隊がバックにいてくれるところが強みになっています。例えば、エンジニアだと気づきにくい点まで、早い段階で品質保証の観点から指摘がもらえる。だからプロジェクトを進めていく中で、手戻りがすごく少なく済んでいて、そこがDAAEならではの開発しやすさにつながっているという話を聞きました。ONE-SHIFTで並走しているからこそ生まれる相乗効果も、DAAEで働く魅力だと思っています。
――ありがとうございました。
皆さん、ありがとうございました。
品質保証という大きな基盤がありながら、DAAEという新規事業を立ち上げた株式会社SHIFT。 安定した環境のもとで新たな挑戦ができる、エンジニアにとっては力を発揮しやすいフィールドではないでしょうか。 これからフルスタックエンジニアを目指したい若手の方も、自分のスキルを試したり年収を上げたりしたい経験者の方も、ぜひ一度同社の門を叩いてみてください。
株式会社SHIFTのますますのご発展をお祈りしております。