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スペシャリストインタビュー 株式会社北國銀行 岩間正樹さん

DXを推進し自行も地域経済も活性化させたい
北國銀行がエンジニアとともに描く未来とは

今回取材したのは、石川県に本店を置き、北陸三県を中心に店舗を展開している株式会社北國銀行です。

地方銀行の中でもDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に進めている同行。paizaで多数のエンジニアを採用しています。同行が描く地方銀行と地域経済の未来像とは? そしてそれを達成するために求めるエンジニアとは? エンジニアの採用担当を務めるシステム部上席調査役兼システム企画課長の岩間正樹さんにお話を聞きました。



株式会社北國銀行(写真)
岩間正樹さん:株式会社北國銀行 システム部上席調査役 兼 システム企画課長

銀行にとって厳しい環境の中、DXを推進する北國銀行

――最初にpaizaを利用することになるまでの経緯についてお聞きします。北國銀行ではDXを推進するためにエンジニアを募集されていますね。

近年、日本中で地方銀行の経営環境が厳しい状況にあります。人口減少によって地域のビジネスが縮小しているためです。さらに日銀の金融緩和によって、銀行にとってメインの収益である金利で収益をあげていくことも難しくなりました。これまでに銀行がやってきたビジネスが成り立たなくなってきています。

さらにFintechによって銀行にとってのライバルも増えています。もともと銀行のライバルは銀行だけで、しかも地方銀行に限ればひとつの県に1~3個くらいでした。しかし今は、キャッシュレス、ECサイト、コンビニ系の銀行など、いろいろなところから新しい会社が登場しています。地方銀行は彼らとの激しい競争にさらされることになりました。

厳しい環境の中、経営を改善していくために何をするか。一般的な地方銀行の経営戦略として、まず検討されるのが合併や連携です。コストを減らすためにシステムを共同化したり、経営統合したりする銀行が増えています。しかし、われわれはそうではない方法もあるのではないかと考えていました。では、自分たちは今後どうやっていくのか。さまざまな選択肢の中からDXという道を選びました。現在は勘定系システムのクラウド化などを進めています。

そして、取引相手である地域企業の経営効率化もしていきたい。DXを進めることで、地域経済を活性化していきたいと考えています。現にメインのサービスのひとつとして、取引先へのコンサルティングサービスを始めています。

エンジニアらしく働ける環境を整備

――今回、システム子会社として東京にデジタルバリューを設立されていますが、その意図も教えてください。

「DXを進めていこう」といっても、われわれの地盤は地方都市です。DXを進められる人材、具体的にはアジャイル開発やDevOpsなどを推進・実行できる人材をそろえようと思っても限界があります。また、システムだけでなく、働き方・文化も含めてDXを進めていこうという思いもありました。

それを実現するのであれば、北國銀行として石川県で募集するよりも、東京に子会社を作ってそこで募集をかけたほうがいいのではないかということになり、2019年11月に東京にシステム子会社「デジタルバリュー」を設立しました。

――北國銀行とデジタルバリューで、何か働き方で違いはあるのでしょうか。

デジタルバリューでは銀行本体よりもずっと自由に働けるようにしています。服装はカジュアルでOKですし、能力に応じた年俸制や裁量労働制など、エンジニアの方々がより働きやすい環境を整えています。

さらに、副業も許可しています。むしろウェルカムです。さまざまな仕事をしたり新しい人と交流したりしながらキャリアを積みたい人もいるでしょうし、外で仕事をすることで新しい知見を取り入れてもらえればいいと考えています。

――まるでスタートアップ企業のような環境ですね。「銀行の子会社」というイメージとはだいぶ違うように感じます。

そうしないと優秀なエンジニアなんて集まらないと感じたからです。

2年ほど前、インターネットバンキングの開発を一緒にやっていた東京のベンチャー企業へ出向していました。そのときに、クロックスを履いて出社し、バランスボールに乗って仕事をする……という世界を初めて見たんです。その会社はダイバーシティで、若い人、年配の方、海外の方、いろんな人が集まってディスカッションしながら和気あいあいと仕事をしていました。テクノロジーに強く、モチベーションも高くて、型にもハマっていない。そういう世界を見て「やっぱりこれからはこういう感じじゃないと、新しいものは生まれてこないしDXは実現できない」と身をもって知りました。その経験が大きく影響していますね。

株式会社北國銀行(写真)
以前からシステム開発はしていたものの「保守レベルの開発で、昔ながらのウォーターフォール」だったそうで、
「イノベーションをやっていくというと、マインド的にも技術的にも難しい」と感じていたといいます。

優秀なエンジニアを見極めるため、paizaを積極活用

――そして現在はpaizaでエンジニアを採用されています。改めて、paizaを利用しようと思ったきっかけを教えてください。

エンジニアを迎える環境は一通り整えたので、次はどう人を集めていくかになりました。自分たちはシステム会社ではないですし、エンジニアのコミュニティとのつながりがない。その中でどうしていけばいいだろうかと考えました。

実はpaizaを使う前に大きめの人材会社を一度使って採用活動をしたこともありました。ただ、選考をしてみてエンジニアの目利きができないという課題が分かりました。何をもって「高度な技術を持ったエンジニア」と見なせばいいかの判断が難しかったのです。過去の経歴や実績は分かっても、それだけでは今から自分たちが求めている「これからのDX施策を担える人材かどうか」があまり分かりませんでした。具体的には、クラウド技術やC#のプログラミングスキルがどれくらいあるかを知りたいのですが、それの見極めに苦労していました。

それでいい選考ができずに困っていたとき、社内のエンジニアからpaizaを教えてもらったんです。応募者がプログラミングテストの結果でランク付けされていて、スキルの裏付けがされているサービスだということで、そのランクを参考にして採用をやっていったほうがいいだろうということになったんです。

――実際にpaizaを使ってみて、ランクがあることによってそれまで抱えていた採用課題は解決されましたか?

当初の期待どおり、ある程度ベーススキルの裏付けがされていることで、応募者とのミスマッチが減りました。ちゃんと手を動かせる人と会えるようになりましたね。その先のポテンシャルの部分は未知数ですが、現状ここまでに採用した方は戦力になってくれています。

――paizaからの応募者に特徴はありますか?

いい意味で「銀行員らしくない」ですね。システムや開発が好きで、どんどん開発や勉強をしてスキルアップしていきたいけれど、型にはまった会社や仕事はしたくないという人が多いです。

あとは、現在の新型コロナの状況もあるのでしょうが、フルリモートできるかを聞いてくる方が多いですね。そういうところも含めて、従来の銀行での働き方や考え方にはめられたくないという思いがあるように感じます。

――リモートワークの話が出ましたが、現在(2020年11月に取材)はフルリモートでの勤務なのでしょうか?

そうですね。新型コロナを受けて実際にフルリモートで開発をしてみた結果、問題なく仕事ができることが分かったので以後はフルリモートでの勤務としています。

フルリモートでできるのであれば、場所にこだわらずいろんなところから採用してもいいんじゃないかという発想にもなりました。現在は全国からエンジニアを募集しています。意外と東京以外からも応募が来ていて、福岡、静岡、愛知などからもありました。応募する側も「リモートワークでも問題なく仕事ができる」と気づいて、全国に応募対象を広げている人が増えているように思いますね。面談で聞いてみると「別に近場でなくてもいい、住むところを変えなくてもいいんじゃないか」ということでした。実際に東京以外からの応募者で内定も出した事例もあります。

求めているのは「常に新しいことをキャッチアップできる人」

――次に選考についてお聞きします。paizaで応募があった際、どういったフローで選考が進むのでしょうか。

最初にカジュアル面談を実施します。そこでは、北國銀行や子会社のデジタルバリューのご紹介をさせていただきます。地元の人であればある程度どういう銀行か分かってる方も多いですが、そうでないとそもそも北國銀行を知らないですからね。しっかりわれわれのことを知ってもらえるようにしています。それとともに、使う技術や働き方について問題がないかの確認をします。

次の面接ではリードエンジニアとエンジニアマネジャーが面接官になって、より泥臭い技術の話をします。具体的な開発手法の話や採用しているテクノロジーなどをご説明して、興味があるかを見ていますね。クリーンアーキテクチャという先進的なことに取り組んでいるつもりではあるので、その話をさせていただくとエンジニアの反応はいいことが多いですね。面接を通過すると、デジタルバリューの社長、総務部門の部長と自分の3人による最終面談となります。

――エンジニアを選考する際のポイントや求めている要素について教えてください。

自分たちは新しい分野をやろうとしています。今持っているスキルよりもこれから出てくる技術なりマインドなりをどんどんキャッチアップしていけるかどうか、日々研鑽しているかのほうが重要だと考えています。

二次面接では、開発現場のメンバーが応募者のモチベーションやスキルに対する貪欲さをいろんな質問をしながら見極めています。paizaは応募者がスキルチェックの際に書いたコードを見られるので、エンジニアがそれを見て応募者とディスカッションをすることもあります。

そして何より、本質的にほしいのは志ですね。「北陸地域のために一肌脱いでみたい」ですとか、「イノベーションのために必要な知識や技術をどんどん吸収していきたい」というモチベーションが一番求められるポイントだと思います。とはいえ、北陸地方に縁もゆかりもない方が求人サイトを見ていきなり「よし、北陸のためにがんばるぞ!」と思うのも難しいと思いますから、そこは面談を通して話していく中で、どれくらい熱量を持ってくれるかを見ています。

――ポジションごとに複数の求人票を出されていますが、ポジションによって見るポイントに違いはあるのでしょうか。

一応職種やロールによって求人票を分けていますが、それによって選考で求めるポイントを変えてはいません。あくまで入り口であって、選考時はスキルや経験、年齢、印象をもとにどういう業務をお任せしていくかを決めていきます。

たとえば、面接してみて「この人はリーダーシップがありそうだな」と分かったとします。そういう方であれば、どの求人から応募してきたかは関係なく、そういうことへの興味を聞きますね。あるいは応募者に「これまでは手を動かすところがメインだったけど、これからマネジャーとしても頑張っていきたいです」といったビジョンがあれば、それらも聞きながら考えていきます。担当領域についても同じで、興味ややりたいことを聞いたうえで、「今回はこの求人で応募されていますけど、別の職種だったらどうですか?」といった話をすることもあります。

株式会社北國銀行(写真)
地方銀行の中では早くからDXに取り組んでいたことが奏功し、コロナ禍でもリモートへの移行はスムーズだったそうです。

フルリモート制度を採用、アウトプットで評価

――次にエンジニアの日々の働き方についても教えてください。さきほどフルリモートというお話もありましたが、現在はみなさんオフィスへ出社はされていないのですか?

デジタルバリューに入社された方はフルリモート勤務です。東京にオフィスはあるもののほぼ使用していない状態で、チャットやWeb会議のツールを使ってリモートで仕事をしています。チーム内は常時オンラインでつながっていて、誰かが自分のマイクを入れて「○○さーん」と呼べばすぐ気付けるような体制です。

開発はアジャイルで、1スプリントを1週間で回しています。今はチームが5つほどあり、各チームごとにスプリントでやるタスクを分解し、各メンバーのタスクを決めています。毎日の朝会で進捗確認し、毎スプリントの最後にデモ会と振り返りをやるという流れです。

やってみて分かったのですが、この動き方であれば、リモートでも問題なく成果は出せます。一挙一動まで見なくても、ちゃんとやるべきことがやれているかは把握できるので、それで問題ないと考えています。

――デジタルバリューでは、エンジニアがアウトプットで評価される仕組みが整っているのですね。

そうですね。あとは開発のアウトプットだけでなく、周りのサポートをちゃんとできているかも見ています。(北國銀行はEN:TRYでも募集をしており)どんどん新人さんも入ってきます。彼らは当然右も左も分からないのでサポートが必要です。「○○さんのサポートで○時間使ってました」ということであれば、それは理由としてOKです。とにかく理由がちゃんとはっきりしていればいいという考え方です。

地域経済のため、一緒にDXを推進してくれる方を待っています

――最後に、今後の展望についてもお聞かせください。北國銀行はDXを通じてどういう未来像を描いているのでしょうか。

お金は経済の血液と言われます。そしてその血液を循環させるための心臓が銀行です。「銀行の三大業務」と呼ばれる預金・融資・為替は必ず残っていくと思います。今まで以上に三大業務をいろんなところとつないでシームレスにやれる環境を提供していくことが必要だと考えていて、そのためにシステムのクラウド化を進めています。

そしてその先ではBaaS(Bank as a Service)を推進していきます。サービスをAPI化し、機能を企業へ提供していければと考えています。いろんな企業とコラボレーションしながら、どんどんお金を回せるようにしていきたいですね。

あとはやはり、取引先である北陸地域の企業に貢献していきたい。どういうふうにデジタルのシステムを使って経営を効率化していくか、ビジネスをやっていくのか、というところで多くの企業が苦しんでいます。自分たちの経験やそこから生まれたノウハウを、コンサルティングサービスとして提供していきたい。そのための基盤を作っていくというのが大事になります。そこに対してこれまでの北國銀行のノウハウだけでは足りないので、東京にデジタルバリューという出島を作って、そこで広く人材とか知見を出し入れしていく。そんなイメージでとらえています。

――あくまで「地域経済のために何ができるか」というのが第一にあるのですね。

そこは北國銀行もそうですし、デジタルバリューもぶれていなくて、ともに地域のための会社なんです。できるできないは別にして、このまま誰もやらなければ、北陸地方にとってよくないと思っています。北陸新幹線が開通したとはいえ、まだ首都圏からは遠いじゃないですか。観光客は来てくれても、情報や人材はなかなか入ってこないっていうのがありますから。

技術力というベースを持ち、かつそういう志に共感していただける方に応募していただけるとうれしいですね。

株式会社北國銀行(写真)
お忙しいなか、お時間をいただきありがとうございました。

岩間さん、ありがとうございました。

自行だけでなく、地域経済のためにDXを推進する北國銀行。自分の技術を使って社会に貢献していきたいエンジニアにとっては、これ以上ない企業といえるでしょう。さらに、フルリモート制度など自由な働き方で開発に取り組めるので、そういう環境を求めている方にもおすすめです。

ご興味がある方はぜひ北國銀行の求人票をチェックしてみてください。


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