転職成功者の声 セーフィー株式会社 谷口元信さん
AI未経験でも企画力や自走力を評価
ずっとやりたかった映像解析の世界へ
今回は、スマートフォンとネットワークカメラを活用したクラウド型のセキュリティーサービス、そして映像プラットフォームの開発事業を手がけるセーフィー株式会社にお伺いしました。
セーフィーでは、新たにAIサービス開発部が設立され、AI・機械学習の技術を駆使した新規サービスの開発が進められています。
この記事の前半では、AIサービス開発部で部長を務める山谷寛之さん、シニアソフトウェアエンジニアの谷口元信さんに、同社に転職された理由や開発業務の難しいところや今後のキャリアプランなどについて語っていただきました。
また後半では、同社代表取締役社長の佐渡島隆平さん、取締役CTOの下崎守朗さんに、AIサービス開発部のエンジニアに求めている要素や、AIの展開を含めた今後のセーフィーの展望などについてお聞きしています。
※佐渡島さん、下崎さんへのインタビュー(後半)は
こちら
から。
谷口さん「映像解析はずっとやりたかった仕事」
――まずはお二人のセーフィーに入るまでのご経歴を聞かせていただけますか。
谷口さん: 20代のころはフリーランスエンジニアとして業界を渡り歩いていました。8年ほど前からは医療系のベンチャー企業で働いていたのですが、いずれ「映像解析に関する仕事がしたい」と思っていました。というのも、学生時代はずっと山や森など自然における生態管理についての勉強をしていまして。野生の動植物の情報収集って、人力だと非常に手間と時間がかかるんですよ。そこで「もっとテクノロジーを導入して自動化できれば、調査以外の育成や保護にコストをかけられるのに」と感じたのが、エンジニアになったきっかけでもあるんです。だからセーフィーに入社して、ようやく「ずっとやりたかった仕事ができるぞ!」と思っています。
山谷さん: 最初は国内外のカメラメーカーで、デジタルカメラのソフトウェア・ハードウェアの設計開発に10年ほど携わっていました。そのあと、AIと画像処理関連のベンチャー企業を経て、セーフィーに入社しました。私は昔から一貫して、画像やAIの分野に関連する仕事をしています。
――谷口さんは、もともとAI・機械学習分野の開発経験はあったのですか?
谷口さん: セーフィーに入社するまで、実務としての経験はありませんでした。今期からAIサービス開発部が設立されて、ゼロから試行錯誤しつつ勉強と開発に取り組んでいる状態です。
――転職活動をされていた中で、セーフィーを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
谷口さん: 今回の転職活動では、ドローンなどのデバイスを開発している企業にも応募していました。ただ、デバイス系だとどうしても大きな資本がなければ実現できないような事業モデルの企業が多かった印象があります。その点、セーフィーならスモールビジネスにも対応できるし、大きな事業だって実現できる。加えて、建設や小売、飲食などさまざまな業界とのつながりもありますから、幅広い事業展開が期待できます。そういった柔軟性に魅力を感じて、入社を決めました。
「監視カメラ×AI」でできることとは?
――続いて、AIサービス開発部について伺います。まずは現在のチーム構成を教えてください。
山谷さん: 今はまだ発足したばかりで、私と谷口の2人のチームです。もう一人エンジニアの入社が決まっており、まもなく3人のチームになる予定です。AIを使えば解決できそうな課題はすでにたくさん挙がってきていますから、採用を強化して、このチームでできることを増やしていきたいですね。
――具体的に「監視カメラ×AI」で解決できそうな課題にはどのようなものがあるのでしょうか?
山谷さん: 近年の飲食店は慢性的な人手不足ですが、映像解析とAIによる自動化で解決できる課題は多いですよ。たとえばサラダバーがあるお店で、「この野菜がなくなりそう」「ここが汚れている」といったことが自動で検知できれば、人力でチェックしなくてもよくなります。また、補充や掃除のタイミングが属人的でなくなれば、ばらつきを抑えて、少ない人数でも一定のサービス品質を保てるようにもできるでしょう。
―― AIというとどこか遠いもののイメージがありましたが、そんな身近な場面にも解決できる課題が隠れているんですね。
山谷さん: そうなんです。ほかにも建築業界では、たとえば工事に向かう前に現場の天気を知りたいわけですが、現場数が多かったり行きづらい場所だったりすると、確認しに行くのは大変ですよね。そんなときも、映像をもとにAIが情報を知らせてくれたら、人力で確認しなくても済みます。こういった定性的な判断が必要な課題って、AIが入り込めば解決できるものが多いんですよ。
――本来の監視カメラとしての役割だけでなく、今やビジネスの課題解決へと用途が広がっているのですね。谷口さんはセーフィーに入社されるまでAI系の実務経験がなかったとのことですが、実際にやってみてどんなところが難しいと思いますか?
谷口さん: AIの世界は「どれを使ったらどんな結果が出るか」が読めません。そういった点は難しいなと思いながら日々試行錯誤しています。それから、ビジネスでやっている以上は低コストと使いやすさを両立しながらの課題解決が求められます。そのあたりも考慮しながら実現していくのは大変ですね。
大切なのは経験に基づく目利きができるか
――ここからは、採用についてもお伺いします。現場として、今後この部にどんなエンジニアがほしいと思いますか?
山谷さん: 技術的には、Pythonが使えて画像処理や音声処理をしていた経験がある人は、親和性が高いと思いますね。あとは、これまでの経験から「これとこれを組み合わせたらこんなことができるな」といった目利きができて、かつ自分で手が動かせる人がいいと思います。目利きって、何度も挑戦と失敗をした経験がある人じゃないとできませんから。
加えて、いい意味で技術にこだわりがない人がいいですね。というのも、AIや機械学習といった技術は、すでにアカデミックな分野だけのものではありません。さきほど言ったように、身近なお店の課題解決や車の自動運転など、みんなが実用できる段階に来ています。だからこそ、「この技術が使いたい」が目的になってしまわない人、技術はあくまで課題解決やサービス提供を実現するための「手段」として認識できる人が向いていると思います。
――お二人が思う「いいエンジニア像」とはどういったイメージでしょうか。
谷口さん: エンジニアとして自分で手を動かせるのはもちろん、その前に必要な設計のスキルも高い人だと思います。私自身もそんなエンジニアになりたいですね。チームで開発をする以上、そういった人がトップに立って、コミュニケーションをスムーズにしたり、メンバーのスキルを正しく評価したりするのが重要だと考えています。
山谷さん: エンジニアに限った話ではないのですが、「当事者意識を持てる人」だと思います。「誰かに言われたからやった」という感覚だと、他責思考になりがちですし、セーフィーのようなベンチャー企業ではやっていけません。採用時も、当事者意識がある人かどうかはよく見ています。あとは、失敗してもめげずに挑戦できる人。そして、さきほども言いましたが技術者でありながら、目的と手段を切り分けられるのがいいエンジニアだと思います。
山谷さん「エンジニアが誇りを持って働ける環境に」
――最後に、お二人の今後のキャリアプランや目標について教えてください。
谷口さん: 今後は、AI・機械学習の技術を使って、デバイス関連の組み込み開発をやってみたいですね。そしていずれは自分で試作機を作って山や森を撮影するなど、自然関係の調査に貢献したいです。生態管理の世界でも「広大な土地の自然を、いかに人手をかけず調査できるか」は、大きな課題となっています。自然を人力で計画通りに調査するのは、本当に難しいですからね。将来的には、テクノロジーを使って自然環境の保護や育成につながる仕組みづくりをしたいんです。そのために、今後もセーフィーで学べること、できることは多いと思っています。
山谷さん: 私は、もっと日本のエンジニアの立場を上げ、やりがいや誇りを持って仕事をできる環境にしていきたいと考えています。セーフィーを通じてエンジニアの給与水準を引き上げていきたいですし、労働環境もどんどん改善したい。そのために、この会社をもっと大きくして利益も上げて、100億円規模の会社に育てていくつもりです。今のセーフィーの成長率から考えると、十分実現可能な夢だと思っていますよ。
――ありがとうございました。
転職成功者の声
採用者の目線
セーフィー株式会社 代表取締役社長 佐渡島隆平さん
取締役CTO 下崎守朗さん
後半では代表取締役社長の佐渡島さんと、取締役CTOの下崎さんにお話を伺いました。谷口さんのどんなところを評価したのかや、これからのAIサービス開発部で採用したいエンジニア像、今後のセーフィーの展望などについて語っていただきました。
AI活用は創業当初から想定していた
――はじめに、AIサービス開発部の設立はいつごろから、どういった理由で考えていたのでしょうか。
下崎さん: セーフィーの創業当初から「いずれはAIや画像処理を使ったサービスをやりたい」とは考えていました。ただ、当時はまずカメラの設置台数を増やすこと、そしてデータの収集が必要だったので、それに注力していたんです。ようやくデータが集まってきて、AI技術を取り入れての開発が実現可能なステージに上がることができたという感じです。
佐渡島さん: 容量はどんどん増加していて、現在はおよそ10ペタバイト分のデータが蓄積されています。カメラの台数で言うと、常時4万台くらいが動いています。
――同部を立ち上げるまでは、どのようにしてAI系の開発をされていたのでしょうか。
下崎さん: これまで、制御系の部分でAIっぽい技術を使うケースはありましたが、実際にAIを搭載したサービスの提供はできていませんでした。今後は次のステップとして、山谷が話していたような具体的なユーザーの課題を、AIが解決してくれるサービスを作っていきたいと考えています。お客様からもそういった要望はたくさん上がっていますからね。
――現時点で、同部をどのように発展・展開していきたいと考えていますか。
下崎さん: 最初は数人規模の小回りがきくチームでやっていけたらと思いますが、対応するサービス数はどんどん増やしていくつもりです。それにともなって、サービスごとのオーナーも増やし、最終的には10人、20人といった規模のチームにしていきたいと考えています。
AI未経験でも採用した理由は
――そのためには、エンジニアの採用強化も必要になりますね。谷口さんはもともとAI開発の実務経験がなかったそうですが、この部に採用された決め手は何だったのでしょうか?
佐渡島さん: AI部門のエンジニアというと、コアになるアルゴリズムの知識が求められるイメージがありますよね。しかし弊社の場合は、それだけでは足りないんです。映像がデバイスからサーバを経由してアプリケーションに届くまで、ひとつひとつのアーキテクチャの設計などもできなければ、サービスとして成立させることができません。ですから、この部門での採用では、コアな部分だけではなく、アーキテクチャの部分ができるかどうかも重要だと考えています。
谷口は、新規事業の立ち上げやアーキテクチャ設計の経験があったのと、自分の手を動かして何でも作れる自走力がありそうだったので採用を決めました。新規事業担当には、幅広くいろいろなことに挑戦できる人が必要ですからね。
――「AIサービス開発部」とはいっても、AI以外の幅広い経験や知識も求められるのですね。それでは、今後はさらにどんなエンジニアを採用したいと思いますか?
下崎さん: AIの分野は今後も変化が多いでしょうし、弊社にとってもまだまだ新規事業の段階です。探究心が強くて新しいもの好きな人は、親和性が高いと思いますよ。また、AIや画像処理というのは、実行すれば必ず想定通りの結果が出るものではありません。失敗を恐れず、たとえ経験がなくても「やってみよう」と思えるチャレンジ精神がある人に来てもらいたいです。
佐渡島さん: 立ち上げたばかりの新しい部署で、まだ守るものもないですから、今は特に「攻め」に強い人を採用しています。攻めの姿勢で、新しいサービスを立ち上げるというミッションを遂行できる人がいいですね。
下崎さん: あとは、いくら「作りたい!」と意思があっても、ベースとなる技術がなければスピード感を持って実現するのは不可能ですから、意思に加えて経験と技術も重要です。
――お話を聞いていると、かなりレベルの高いエンジニアを求められていると感じます。需要の高いカテゴリでもあり採用も大変なのではないかと想像しますが、セーフィーとして「この会社だからこそ実現できること」をアピールするとすればどういうところになりますか。
佐渡島さん: 最近はAIブームが起きて、いろいろな企業がAI技術を使って何か作ろうとしていますよね。たとえば、メーカーからの依頼でAI搭載システムを開発しているテックベンチャーは多いです。ただ、ユーザーからのフィードバックが来るのに何年もかかる、結果が出るのかどうかもわからない…といった案件も珍しくありません。
その点、セーフィーならお客様が目の前にいて、明確な課題もありますから、すぐにAIを使ったサービスを形にしたり、結果を見て改善したりできます。自分の技術を使って世の中の課題を解決したい人には、すごく向いていると思いますよ。
――高い技術があっても、それを生かす場がない方がマッチしやすいのでしょうね。
佐渡島さん: そうですね。谷口も最初はWebエンジニアでしたが、「学べば何でもできる」レベルの技術と経験、学習意欲もある人間です。そんな優秀なエンジニアの活躍できるステージが、Webという一つの分野だけで終わるのはもったいないですよね。セーフィーならWebやAI、ハードウェアの領域にも踏み込みながら、アーキテクチャ設計や新規サービス開発にも取り組めます。せっかく高いスキルがあるのに、それを生かす場に巡り会えていない方とのマッチ度は高いと思います。
――以前のインタビューで、採用時は「この人はまだセーフィーにないものを持っているかどうか」を重視されているとのことでしたが、今もそれは変わりませんか。
佐渡島さん: それは今でも変わりません。むしろ、セーフィーで実現できる事業の裾野がどんどん広がっているぶん、採用したい人の範囲も広がっています。これまではサッカーチームを作るためにひとまず選手を募集していたのが、今度はスタジアムを作ったり運営したりする人も必要になってきて、さらに今では街を作るレベルまで広がってきました。これからもまだまだセーフィーにいないさまざまな経験やスキルを持った人を集めていきたいですね。
あなたがやりたいことを面接で教えてください
――2017年に下崎さんにお話を伺った際「創業時の目標に対して、まだ半分程度しか到達できていない」とおっしゃっていました。今はそこからどれぐらい進んだ状態でしょうか?
下崎さん: プラス10%ほど進んだ状態ですかね。10%の内訳は、今回AIサービス開発部を立ち上げられたのが大きいですね。AI技術の導入によって、カメラを「ただ映像を撮って送るだけ」のものから「賢くする」という領域に踏み込めています。今後は開発におけるパートナー企業を増やして、よりたくさんの方に使いこなしてもらえるサービスを提供していきたいです。
佐渡島さん: 創業時からずっと、カメラを売るのではなく、あくまでソリューションを売る企業でありたいと考えています。下崎の言う通り、「カメラを賢くする」ためのAI技術導入はできつつあるので、今後はそうやって賢くなったものを組み合わせて、課題解決につながるアプリケーションをリリースしていきます。
――まだまだ目標達成のためにできることはたくさんあるんですね。これからセーフィーがさらに成長していくにあたって、技術的な課題はどういったところにあるのでしょうか。
下崎さん: 今の4万台から台数を増やし、10万台を突破したときに、いかにそれをお客様に意識させず、スムーズな動きをキープできるかですね。監視カメラというサービスを提供する以上、アップデートのためにサービスを停止するなんてことは許されません。常にメンテナンスとバージョンアップを実施していかなければなりませんから、技術的にも運用オペレーションの面においても、課題として考えていく必要があります。
――最後に、セーフィーに興味があるエンジニアの皆さんへのメッセージをお願いします。
下崎さん: セーフィーのAIサービス開発部はまだ立ち上げたばかり。何かやりたいことがあって、それが実現できる場所を探している方にはぴったりだと思います。谷口もそうですが、エンジニアの皆さんが将来やりたいことをかなえるために、セーフィーを存分に利用してもらって、その過程でお互いに成長し合えたらいいですね。やってみたいことがある方は、ぜひそのお話を聞かせにきてくださるとうれしいです!
佐渡島さん: 日本のIT業界って、優秀な方がそのスキルを存分に発揮できる企業がまだまだ少ないですよね。セーフィーはそんな方が存分に力を発揮できて、同じく優秀な仲間たちと切磋琢磨しながら成長できるステージがあります。そんな開発現場に興味がある方、現職で力を発揮しきれずくすぶっている方は、ぜひセーフィーを踏み台にしてほしいです!
皆さん、ありがとうございました。
AIサービス開発部を立ち上げたばかりのセーフィー。以前から技術力の高いプロフェッショナルが集まる企業でしたが、本格的なAI技術の導入が加わり、さらにステージが一段上がった印象を受けました。新規事業への挑戦は決して簡単なことではありませんが、そのぶんエンジニアとして成長できるチャンスは大いにあります。彼らとともに切磋琢磨したい方、AIや映像解析を使ってやりたいことがある方、自分のスキルを発揮できる場所を探している方はぜひ一度セーフィーの求人票をチェックしてみてください。
セーフィー株式会社のますますの発展をお祈りしております。