転職成功ガイド

エンジニアのための面接対策

不採用理由で「〇〇志向が足りない」と言われてしまう人の対策

エンジニアの面接で意外とよく見られているのが、サービス志向や技術志向などといった志向性です。これらがどんなところから判断されているのか、どうやってアピールしたらよいのかを知っておきましょう。

ポイント1:ユーザー志向・サービス志向

自社サービスを開発している企業に入社しても、好きなものを好きなように作れるわけではありません。サービスにはそれを使うユーザーがいるため、「ユーザーを意識した仕事ができる人」が求められます。

例(1)

SIerから自社サービス開発企業に行きたいと考えている人

NG理由

自社サービス開発企業への転職を目指す方は多くが「自分が作ったサービスを直接ユーザーに届けたい」「ユーザーの反応や手応えを感じながら開発したい」と考えています。しかし、自社サービス開発ではもう一歩踏み込んで「エンジニアとしてユーザーの反応をどうやってサービス改善に反映させるか」までイメージできている人が求められます。

開発経験について話すときはまず概要やユーザーについて話しましょう

業務経験を話すときに「A社に常駐して◯◯を開発していました。チーム構成は△△、開発環境は□□で…」といった説明をしていませんか。同じ仕事でも「常駐していたA社では、◯◯なユーザーに向けた△△なサービスを展開していました。私はその一部である□□機能の開発を担当していました」と説明したほうが「サービス志向を持って、ユーザーやサービスの全体像を意識しながら開発できる人」という印象になります。

業務経験を振り返りながら、「ざっくり言うと何をどうするためのシステムなのか」「ユーザーは誰なのか」といったことを整理してみましょう。

例(2)

「技術力が高いから自社サービス開発に行きたい」と考えている人

NG理由

たしかに技術力の高い自社サービス開発企業はたくさんあります。しかし、それは「このサービスをよりよくしたい」という目的を持って技術と向き合っているエンジニアが多いからです。これを理解しないまま、ただ「もっと技術力が高い環境に行きたい」と言うだけでは、どんな仕事がしたいのか伝わりません。

その企業の技術力が高い理由を考えてみましょう

技術力の高さを売りにしている企業は多くあります。しかし、志望理由が「技術力が高いから」というだけではそこで何がしたいのかが伝わらず、「技術力が高い環境を目指すのはいいけど、入社後にどんな成長や活躍ができるのか見えてこない」と思われてしまいます。

また、技術力が高いと一言で言っても、「最先端の分野について研究開発をしている」「顧客への技術的提案を得意としている」など企業ごとの特徴があります。それを調べて把握した上で、「この分野の技術に強い環境で、自分のこんな経験を活かしつつ、こういうことがしたい」と言えるようにしておきましょう。

ポイント2:技術志向、技術探究心

開発を続けたい方はもちろん、マネジメントキャリアを目指す場合も、エンジニアチームをまとめるには最低限の技術志向が必要です。技術やサービスへの関心が低い人だと思われないように気をつけましょう。

例(1)

マネジメント職を目指している人

NG理由

エンジニアからマネジメントに進んでも、技術の知識が不要になるわけではありません。ラインマネジメントであれば技術者をマネジメントし、プロジェクトマネジメントであればシステム作りをマネジメントすることになります。また受託開発でも、システムに対する技術的な提案などが求められるでしょう。

技術の変化に対応できるマネジメントを意識しましょう

マネジメントをしていても、エンジニアと「このフレームワークを使った方がよいのではないか」「ここはこう作った方が効率的だと思う」といった技術的な話をする場面があるはずです。エンジニアチームをマネジメントするなら、その際に技術や情報の妥当性を判断しなければなりません。

少なくとも、エンジニアの話に「知らない、わからない」では仕事にならないでしょう。面接ではマネジメント経験とともに「技術の変化についていけるよう、情報収集は欠かさないようにしています」と話せるようにしておくとよいでしょう。

例(2)

「プログラミングさえできればよい」と考えている人

NG理由

これは「技術志向」をはき違えている方に多いケースです。面接で「プログラミングさえできればどんな仕事でもいい」と言っても、「プログラミングが好きで技術志向の人だな」と思われることはありません。

エンジニアは、モノ作りのスペシャリストです。「転職してどんな仕事がしたいのか」といった考えが話せないと、むしろ「単純にコード書いていたいだけで、技術的に広がりのない人だな」とマイナスに思われてしまいます。

技術志向とサービス志向の違いを理解し、考えをまとめておきましょう

簡単に言うと「技術をより極めることでサービスが成長する」という考えが技術志向、「サービスをよりよくするために技術に取り組もう」という考えがサービス志向です。自分の考えが前者に近いにもかかわらず「技術志向が足りない」という理由で落とされてしまうのであれば、それは「自分では技術志向のつもりでも、企業が求めるレベルの技術的な取り組みができていない」ということです。

技術志向のエンジニアを求める企業を目指すなら、「とにかくIT技術が大好きで、暇さえあれば情報収集やプログラミングして、新しい技術を試している」といったレベルのエピソードが話せないと、採用されるのは難しいでしょう。また、自分の考えを振り返ったときに「技術はあくまで手段であり、よいサービスを作るために技術を使いたい」と感じる場合は、サービス志向の企業の方が合っているかもしれません。改めて自分の技術に対する考えや思いを整理してみましょう。

例(3)

AIや機械学習など新しい分野に挑戦したいと考えている人

NG理由

流行に乗って「機械学習をやりたい」という人が非常に増えました。しかしそのほとんどは、初歩的な機械学習の実践すら試していない人ばかりです。

新しい技術へのアンテナが敏感なのは、エンジニアとして非常に素晴らしいことですが、「やりたい」だけなら誰でも言えます。自分で試した経験すらないと、「自分で実践的な勉強もできていないなんて、技術を深めていける人じゃないな」と思われてしまいます。

特に機械学習や人工知能(AI)といった最近話題の技術は、学生の頃から情報系の研究をしてきた人や、業務経験豊富なベテランエンジニアにとっても、開発が非常に難しい分野です。「やってみたい」という気持ちだけで採用してもらえるはずがありません。

やりたい分野や技術があるなら、その根拠まで考えましょう

たとえばPythonのスペシャリストは、Pythonしか使わない人ではなく「他の言語と比べて、Pythonはここが優れているが、ここは劣っている。こういう開発をする場合に適しているが、こういう開発をするなら別の言語の方が適している」といった知識を網羅しているレベルの人です。

機械学習に関しても、「自分で実際に機械学習の技術を実装して試してみながら、こういった技術を使うことで、人間がやらなくてもいい仕事やできない仕事は機械学習に任せられるように世の中を変えたいと感じた」といった、自分の経験や考えとひもづいた根拠がなければ、「その技術を極めてくれる人」と思ってもらうことはできません。「とにかくやりたい」だけで具体的なエピソードがまったくないのであれば、そもそも応募先を見直した方がよいでしょう。

ポイント3:マネジメント志向、チームビルディング能力

企業に所属するエンジニアは、基本的にチームで開発をしています。面接中に自己中心的な言動が出ると「うちの組織に受け入れても大丈夫だろうか」と不安に思われてしまいます。「チームでの仕事ができなさそう」と思われないように対策しておきましょう。

例(1)

「年収を上げたい」と考えている人

NG理由

年収は、集団をマネジメントして、個人では実現できないレベルの成果を上げられる人のほうが高い傾向にあります。卓越した技術を持ったスーパーエンジニアであれば別ですが、「年収を上げたいけどマネジメントはまったくしたくない」という人は敬遠されてしまいます。

例(2)

「プログラミングだけやっていたい」と考えている人

NG理由

プログラミングが好きなのはよいことですが、「もくもくと静かにコードを書くだけがいい」という人は歓迎されません。エンジニアはもくもくとコードを書いてさえいれば済む職業ではないからです。

たとえば進捗報告やコードレビュー、ミーティングなど、自分が作ったものや得た情報について、ほかのメンバーへ発信する場面が多々あります。

今はマネジメントに興味がなくても将来的には視野に入れていることを伝えましょう

経験を積んでベテランエンジニアになってくると、マネジメント職ではなくても、組織の中でチームリーダーのようなポジションを任せられることもあるでしょう。そこで「マネジメントは絶対にやりたくない」という人は、企業から敬遠されてしまいます。

たとえば「今後状況に応じてマネジメントに携わる必要が出てくるかとは思います。ただ、まだしばらくは開発経験を積みながら、技術者としてのスキルアップに励みたいと考えてます」というように、今後のキャリアを視野に入れた話ができるとよいでしょう。

例(3)

「自分の仕事はコードを書くことだけだ」と考えている人

NG理由

プログラミングだけで完結する仕事はありません。開発チームのメンバーやほかの部署とのやりとりを避け、自分のやりたいことしか考えていない人は敬遠されてしまいます。

組織に入ることを理解しましょう

「一人で黙ってコードを書き続けるだけの仕事がしたい」と考えている人も多いですが、仕事としてプログラミングをする以上、周りの人たちとのかかわりは必ず発生します。組織の中で周りの人たちと円滑に仕事を進めることを理解しておきましょう。どうしても一人で働きたいという場合は、企業に転職するのではなく、フリーランスなどのワークスタイルに転向した方がよいかもしれません。

ポイント4:ポジティブシンキング

慎重さや用心深さという意味で、ネガティブ思考が悪いわけではありませんが、採用面接の場では基本的に前向きな人が好まれます。無理にポジティブな表現を考えるよりも、ネガティブに見える言い方を減らすことが重要です。

例(1)

現職に対する不満が転職理由の中心になっている人

NG理由

現職・前職に不満がある人は、転職理由も「今の仕事の○○が嫌で」「今の会社にいると○○ができないから」といった表現をしてしまいがちです。

ここでネガティブな印象や、他責思考な印象を与えてしまうと、企業には「この人は少し不満を感じたらすぐに辞めてしまうんだろうな」「何かあったらすべて周りのせいにする人なんだろうな」と思われてしまいます。

例(2)

やりたいこと・やりたくないことが明確な人

NG理由

やりたいことが明確なのはいいことです。しかし、そのぶん「これ以外のことはやりたくない」「これはやりたいが、あれはやりたくない」といった発言が多い方は、企業に「こだわりが強すぎて一緒に仕事しづらそうだな」「やりたくないことをやらされたら辞めてしまいそうだな」と思われてしまいます。

「嫌だ」「やりたくない」という表現をやめましょう

ネガティブに見える言葉は、なるべく使わないように工夫しましょう。例えば「残業が嫌だ」という場合は「プライベートの時間を確保して勉強したいので、仕事はできるだけ効率的に取り組みたい」と言い換えるとポジティブに聞こえます。面接でいきなり言い換えようとしても難しいので、普段から「○○しない」「嫌だ」といったネガティブワードを、「○○したい」というポジティブな言い方に変換してみましょう。

例(3)

今までと異なる分野への転職を目指している人

NG理由

経験のない分野への転職を目指していると、不安を感じたり、自信が持てなかったりすることもあるでしょう。しかし、「できないかもしれない…」という不安が先に立つと、「こういうことならできます!」というポジティブな発言が減ってしまい、結果としてネガティブな印象が強くなってしまいます。

「やったこと」「できること」「できないこと」を整理しておきましょう

今までエンジニアとして働いてきた経験があるなら、転職先でも生かせる知見があるはずです。前職での経験や勉強してきたことなど「やったこと」「できること」を話せるように整理しておきましょう。

また、今の段階でできないことや経験していないことは、嘘をつかずはっきり「できない」と言うことも重要です。ただし「現状○○については業務経験がないため、すぐにはできないかもしれませんが、今後の業務や勉強を通して、早く知識を身につけたいと考えています」というように、「できない」だけで終わらせないようにしましょう。「今はできないけどできるようになりたい、そのために努力したい」という前向きな意志を伝えましょう。

慎重な性格や心配性であることは「ネガティブ」とは違う

性格は簡単に変えられるものではありません。慎重な方や心配性な方は、「ポジティブになんて考えられない…」と思うかもしれませんが、エンジニアはこうした性格が武器になることもあります。

「慎重な性格が功を奏して、ミスを防げた」と自分の性格がポジティブに作用した場面もあれば「慎重に考えすぎて、作業に時間がかかってしまった」とネガティブに作用した経験もあるかと思います。こうした経験を振り返って整理しておきましょう。