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教育活用事例

大妻女子大学における
paizaラーニングの導入経緯と利用拡大

paizaラーニング学校事例シリーズ 大妻女子大学

2022年11月21日に「DX人材育成の教育現場 プログラミング初学者向けの授業運営の工夫」と題したウェビナーを開催。大妻女子大学 社会情報学部 情報デザイン専攻の市村哲教授に、paizaラーニングの初学者向け事例をご講演いただきました。今回はその内容をイベントレポートとしてお届けします。

ダイジェスト動画

60分のウェビナーをぎゅっと10分にまとめました。

いち早く情報学を取り入れた大妻女子大学

大妻女子大学

大妻女子大学は1908年創立の女子大学。学生数はおよそ7,500人、社会情報学部は創設されて30年、1,200人ほどの学生が学んでいます。

「学部内で生活専攻・環境専攻・情報デザイン専攻と3つの専攻に分かれています。ソフトウェアやWebデザイン等を学ぶのが情報デザイン専攻です」(市村教授)

情報デザイン専攻では、一般的な大学の理工学部や工学部と同程度、プログラム授業に時間を割いています。情報処理実習室もあり、参加するすべての学生が同じ環境で実習できます。

「女子大では珍しいと思うのですが、卒業生の半数ぐらいがWebデザイナーやシステムエンジニアなどを始めとした専門職に就職します。情報の教員免許を取得する学生もいます」(市村教授)

一方、情報デザイン専攻は理系的ではありますが、文系的な受験で進学する学生や付属の短大から3年次に編入してくる学生もいます。そのため、プログラミングレベルに差があるケースも起こり、初学者向けの教育は常に課題の一つでした。

さらに、2020年から新型コロナによる生活の変化で、同じ環境を用いた集合型のプログラミング教育が出来なくなってしまったのです。そこで同専攻では、学内でいち早くオンライントレーニングに着目することになります。

大妻女子大学

「情報デザイン専攻においてもっとも危惧していたことは、力を入れて教えたいプログラミングをどうするかということです」(市村教授)

学生と直接会って指導できないだけではなく、学生の家にあるパソコンで演習をしてもらうことについても懸念があったと言います。

「演習に使うソフトウェアは授業ごとに違いますし、そのソフトウェアの開発環境をインストールさせる必要があります。しかし、それは対面できても難しいです。それを各家庭のパソコンで環境を構築する・演習するというのは無理という話が教員の間でありました」(市村教授)

緊急事態宣言の発令前の3月、たまたま他大学においてWebブラウザ上で動作する開発環境を使って授業する例を市村教授は聞いていました。そこで知人に連絡を取り、paizaラーニングを知りました。

「学生にソフトウェア開発環境をインストールさせる必要がなく、すぐ勉強に入れるのであれば、プログラミングの実習が家庭もできるのでは、という希望が導入のきっかけになっています」(市村教授)

サービスの展開と検証

paizaラーニングには「学校フリーパス」という、全講座を無料で学生に提供するサービスがあります。

「4月24日に私からメールで連絡をして情報デザイン専攻として契約ができないかということを問い合わせました。すると、学校フリーパスが使えるということが分かりました。早速、専攻内で議論をし、5月7日から始まる前期授業間に合うよう、5月1日に学校フリーパスの初のライセンスをいただきました。」(市村教授)

授業には無事間に合いましたが、最初は誰が使えるライセンスなのか、不安もあったと言います。

「プログラミングの演習授業には学生・教員だけでなく、非常勤の先生やティーチングアシスタントをする外部の大学院生なども関わってきます。こうした人々も使えるかどうか確認し、許諾を得ました。5月7日に向けて、どのようにpaizaを使っていくかアナウンスするため、利用者ガイドを作るなどして授業に備えました」(市村教授)

スモールスタートでpaizaを試す

市村教授は、ゼミから導入を図りました。

「3年生10人と4年生13人というゼミ生を対象に使い始めました。人工知能の演習などをおこなうためにPythonを勉強させたかったため、「Python3入門」を教材にしました。初めの2チャプターについてはZoomのオンライン授業で一斉に使い、使い方を教えながら進めていきました。第3チャプター以降は毎週、宿題にしました」(市村教授)

大妻女子大学

paizaはこのような画面構成になっています。左上には項目の説明があります。右上はコードエリアで、ここで自らコードを試し、出力を右下から得られるようになっています。

「『わからない箇所を繰り返し見るのが良かった』『プログラムを実行するときに問題はなかった』など、ポジティブな感想を聞けました」(市村教授)

ゼミでの導入は、このように満足いく滑り出しを見せました。

つづいて市村教授は研究室内での活用を進めました。他の先生にも声をかけ、51名の学生に授業をおこなう先生も、「プログラミングの基礎&演習」という授業でpaizaラーニングを活用しました。

C言語を学ぶ2年生対象の授業では、授業内ではなく、予習として使いました。

「『最初に予習した後に今授業を受けるので、授業が復習のような扱いになってわかりやすかった』『ある程度事前にわかっている内容を授業で受けることになるのでそれは良かった』などと好評でした」(市村教授)

ただし、授業がいくらスムーズでも、学生がその言語を活用できなければ意味がありません。

「3年生のゼミ10人に対して、7月に学んだ知識を利用して自作アプリを何か作りなさい、と課題を出しました。全員、自作アプリを作成し提出してきました」(市村教授)

大妻女子大学

「プログラミングの基礎&演習」の指導をした先生が同時期にまとめたアンケートでも、学習時間や理解度、使いやすさについて高評価だったということです。

オンライン授業の拡大

大妻女子大学

なかなか収束しないコロナ。大学でもほとんどの授業をオンラインでおこなうことになりました。

2020年の後期もまた、paizaラーニングを利用することになりましたが、驚くことにpaizaラーニングを活用する授業が増えてきたのです。そして、教員ごとに工夫した使い方を見せるようになってきました。

「同じ専攻のB先生が教える『プログラミング入門』では、10月に使い方を説明して自主的に2か月間勉強してもらい、12月に演習を課す、という形で進めました。」(市村教授)

ただ、大学の指導ということもあり、paizaラーニング内でアンケートなどの回答の管理はできますが、教員が学生の回答を確認しなければなりません。

「回答は本学のLMS(学習管理システム)の「manaba」に入力させて教員がそれを確認するという進め方を採りました。また、C先生は、3年生4年生のゼミでPython入門(11レッスン)を自主学習させました。C先生はMoodleというLMSをゼミで使っており、paizaラーニングがどこまで進んだかを管理するために、学生に画面のスナップショットを撮らせて、それをMoodleにアップさせていました」(市村教授)

paizaラーニングを軸に、教員が自由に指導している様子が伝わります。

編入生の予備学習にも活用

大妻女子大学では附属短大があり、3年次に短大から編入する学生がいます。

「そうした学生はいきなり3年生のゼミから入ってきます。ゼミで開発をする時に、1・2年の基本的なプログラミング授業を受けていないことから苦労するものです。そこで、入学前教育で教えるためpaizaを使いたいと思いました」(市村教授)

まだ学生になっていない予定者へのpaizaラーニング 学校フリーパスの使用許可を取り、編入前年の12月に

・C言語入門

・HTML/CSS入門

・Webデザイン入門

のいずれかを学び、課題の提出を課したところ、全員提出して編入してきたそうです。

paizaラーニングを使ってみて効果を感じた専攻では、翌年度の利用を決断します。そして、2022年度も継続してご活用いただいています。

初学者向けの工夫

大妻女子大学

プログラミングは、どれだけコードを熟読してもなかなか上達しません。自分でコードを書き、実行し、動かなかったら修正するというサイクルを繰り返して上達するものです。

「授業を聞いてるだけだと難しいです。実際に自ら作ったプログラムが動くんだということをpaizaのコードエリアで試せたというのは良かったです」(市村教授)

そして、大学という教育機関で採用するには、学生の成績評価をどのようにするかが重要になります。

「教員によってその評価尺度は違います。統一的に何かやるということは難しいと考えました。そこでオンラインのツール、Zoomなどと組み合わせて評価する、あるいはLMSと連携させて演習課題はpaizaから出題されたものでも、解答はLMSに提出させるというように連携して、教員が評価しやすい・評価できるようなやり方で進めています」(市村教授)

中には独自の利用者ガイドを作成する教員もいます。

「Webブラウザで動くプログラミング実習環境が使えたことで、コロナ禍のオンラインでも、十分な演習をおこなえました。paizaラーニングはタブレットやスマートフォンでは学習しにくいのですが、その問題も大学がパソコンを貸与してくれる動きがあり、解消に向かいました」(市村教授)

オンラインの授業中だけでなく、その予習や復習にpaizaラーニングを使う、また課題の出題から提出までの間、自由に勉強してもらうといった使い方で、学生に合わせた学習の機会を提供もできます。この利点は全員が一同に会するリアルな授業では逆に得られないものであり、オンライン授業の活用ならではの利点と言えるでしょう。

学生向けに無料で全講座受講できるpaizaラーニング 学校フリーパスを教育機関でご利用いただくことで、自分で繰り返し学べる環境を学生に提供できるとともに、教員も自由度を活かした教育方針を立てられるようになります。

こうした利点を活用し、学生・生徒それぞれにあった指導をおこなっていただけるようになるのではないでしょうか。


■学校フリーパス案内ページ

https://paiza.jp/works/lp/free_pass

※1名様から体験申し込みも可能です。


■登録不要でお試しできる講座

https://paiza.jp/works/python/trial/python-trial-1/62001

短い動画で学習講座→ブラウザ上で演習課題を体験できます。

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