EN:TRYご利用者インタビュー 株式会社北國銀行 岩間正樹さん
実績が浅くても貪欲に学ぶ姿勢を評価
北國銀行がEN:TRYでDXエンジニアを積極採用
今回取材したのは、石川県に本店を置き、北陸三県を中心に店舗を展開している株式会社北國銀行です。地方銀行の中でもDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に進めている同行。エンジニアチームを強化する中、EN:TRYでは積極的に未経験者を採用しています。
お話を聞いたのはエンジニアの採用担当を務めるシステム部上席調査役兼システム企画課長の岩間正樹さん。「現在のスキルよりも学ぶ意欲を大切にする」という採用方針や、フルリモートワークをはじめとした従来の銀行と一線を画す就業制度の理由など、エンジニアチームについて幅広くお話を聞きました。
DX推進のためのエンジニア確保が課題だった
――最初にEN:TRYをご利用いただくことになった経緯を教えてください。
現在、地方銀行は人口減少や日銀の金融緩和政策によって厳しい経営状況にあります。一般的な地方銀行の経営戦略では、合併して経営の効率化を図り、オーバーヘッドになりがちなシステムコストを減らして収益を補填します。しかし、私たちはあえてその選択はせず、DXを取り入れて銀行の働き方やマインドそのものを変えて、よりスリムに、スピーディーに経営をやっていこうという方針を打ち立てました。
そこでDXを推進できる人材を採用することになったのですが、現実問題として北陸地域だけでそういった人材を集めるのが難しい。さらに、従来の銀行の働き方では、若くして能力のある人は結局、年収の高いベンチャーに行ったり起業したりしてしまいます。そういった人材が活躍するのに適した環境を用意するため、東京に子会社であるデジタルバリューを設立しました。デジタルバリューでは、柔軟な働き方が可能な制度や、能力や成果に応じて年齢にかかわらず評価する仕組みをそろえています。また、オフィスは東京にありますが、コロナの影響もあって、現在はほとんどのエンジニアがフルリモート勤務です。
そうやって環境を整えて、次は人をどうやって集めるかが課題になりました。
実はpaizaを利用する前にも大手の人材会社を利用しました。ただ、ある程度人を集めることはできたものの、こちらに応募者の技術力を判断するための知見がなく、見極めがうまくできないという問題がありました。それでどうしようかと困っていたところ、社内のエンジニアからpaizaを教えてもらったんです。paizaならサイト上でプログラミングテストを受けてランク付けされているので、ある程度スキルが可視化されるだろうとの話でした。だったら一度それを参考にしてエンジニア採用をしてみようということで使い始めました。
EN:TRYには勉強熱心で熱量のある人がたくさんいた
――EN:TRYで採用活動をしてみて、それまで抱えていた課題は解決できましたか?
当初の想定通り、ベーススキルがあって手を動かせる人が来てくれました。まだ採用してから日が浅い方が多くポテンシャル面は分からない部分もありますが、ある程度即戦力になってくれています。
そして応募数も非常に多いですね。エンジニア募集企業の中に銀行があることに驚いて、興味を持ってくださる方も多いみたいです。「社会に出たあとにプログラミングに目覚めて、一生懸命勉強している。ただ、未経験者はまず小さい企業で修行をしなければいけないと思っていた」とおっしゃいます。
結局、最初に契約していた人材紹介会社よりも数倍もの応募数があって、いい人材を採用できるようになりました。
――つづいて、採用フローと評価基準についてお聞かせいただけますか。
まずはカジュアル面談をオンラインで実施し、北國銀行とデジタルバリューについてしっかりご紹介します。
選考では自分たちがやろうとしていることに賛同する志を持っているかを重視しています。そのためこちらの説明を聞いて応募者の方がどう感じたか、将来のビジョンも含めてヒアリングをします。
ビジョンとともに、ITスキルに対するスタンスも重視します。どれだけモチベーションを高く保って日々研鑽されているか、そして今の技術が来年以降も使えるか分からない業界なので、日々新しいことをキャッチアップしていける人かどうかも見極めさせていただきます。
次の面接は、開発現場のメンバーとより実務に近い話をしていただく場としています。デジタルバリューのリードエンジニアと、北國銀行のシステム部門のマネージャー、そして私とで具体的な開発手法の話や採用しているテクノロジーについてご説明します。
手前味噌ですが、われわれは「クリーンアーキテクチャ」という技術的にかなり先進的なものに取り組んでいるつもりです。そのため、「ついていくのは大変かもしれないよ」とはきちんとお伝えしています。アメリカの大学じゃないですけど、入るのはそんなに難しくなくても、入ってからキャッチアップのために相当努力をしないといけない環境です。そういう話もさせていただいて、「分かりました、それでもがんばります」と言っていただけたら最終面接となります。
paizaではスキルチェックで書いたコードを見ることができるので、それを見ながらお話をして、技術のキャッチアップができそうな人かどうかエンジニアが判断しています。
新しい技術をキャッチアップし続けられる人を評価
――EN:TRYからの応募者の特徴や印象などはありますか。
いい意味で銀行員らしくない人が来てくれるというか、余計な色に染まっていない人が多いなと思います。とにかくシステムが好きで、開発をどんどんやっていきたい、あるいは勉強していきたい。けれども型にはまった会社や仕事は選びたくないといった方ですね。
たとえば、最近採用した方は、世界中をバックパッカーとして旅をしていて、YouTuberもやっています。今まで銀行にこういう人は絶対いませんでした。EN:TRYで募集を始めてからは、能力はあるけれども、これまで銀行のような堅い会社では働けないタイプの人が来てくれるようになりましたね。
――EN:TRYで積極的に採用されていますが、実務経験にはあまりこだわらないのにはどんな理由があるのでしょうか。
さきほど申し上げたとおり、当社ではこれまでやったこともない新しい試みをやろうとしています。スキルや経験が豊富で困るわけではありませんが、今持っているスキルよりもこれから出てくる技術をどんどんキャッチアップしていけるマインドを持っているかのほうが重要なんです。
そういう意味で、実務経験が浅くてもマインドをしっかり持っていればいいと考えています。当社は現在はC#やMicrosoftのAzureなどの技術を採用していますが、それらの経験がなくても「やりたいです」と言っていただけるならぜひというスタンスです。
EN:TRYからの応募者は、これまでの人生で間違って違う道へ行ってしまったけど、本当は自分はエンジニアとしてやっていきたいんだと気概を持っていて、「今めちゃくちゃ燃えています!」と話す人が多いです。熱量がとても高いですね。もちろん未知数な部分もあるんですけど、間違いなくシステム開発をやりたいと意気込んで来てくださってるのでむしろいいなと思っています。
というのも、北國銀行ではシステム職の新卒採用もしていて、こちらでは完全にポテンシャルでの採用をしています。特にこれまでに技術的なアウトプットをしてきていない学生をはじめ、プログラミング経験が浅い人や文系の人も入社しています。そう考えると「じゃあpaizaでAランクを取っている子を言語や勉強している技術が違うからといって採らない理由があるか?」という話になります。新卒で採用した子たちよりずっと実績がありますから。
――応募者のポテンシャルはどのように測っているのでしょうか。
アウトプットをしているかどうかは見ています。paizaに少なくとも問題を解いたソースコードはあるんですけど、それ以上の何かをやってるかはポテンシャルを測る判断材料にしています。
ポテンシャルとは少し違うのかもしれませんが、新しい技術をキャッチアップをしようとしているか、学ぶモチベーションがあるかどうかを見るために、GitHubにソースを公開しているかやQiitaなどの技術系のサイトにいろんなアウトプットをしているかといった点などはチェックします。
あるいは「自分でこういうWebサービスを作りました」「YouTubeにこういう動画を上げています」などなんでもいいのですが、そういう活動をしているかどうかで自ら手を動かして形にするマインドがあるかが大切ですね。
リモートでのコミュニケーションにも配慮
――現在のエンジニアチームの開発の流れについて教えてください。
開発はアジャイルで、1スプリントを1週間で回しています。各チームでタスクを分解し、1スプリントでやるタスクを決めています。毎日の朝会で進捗確認と当日の作業見積もりを報告して、スプリントの最後に、われわれステークホルダーに成果を披露するデモ会、そして振り返りをやる流れです。
この方法で自分のやるべきことが常に見える化され、遅れがあった場合も必ず毎日の朝会でチームに共有できます。
基本はアウトプットで評価を決めますが、経験者は未経験で入社した方へのサポートも評価対象としています。さきほどお伝えしたとおり、リモートワークでもチームメンバーはオンラインでつながっている状態ですので、困ったときはチームを頼ってどんどん成長していってください。
――現在、基本的にはフルリモート勤務との話もありました。実務経験の浅い方のフォローなど、コミュニケーションの取り方について教えてください。
コミュニケーションツールとしては、チャットとTeamsを使っています。Teamsを使ってチームで意見交換をするっていうのもありますし、スプリントの朝会とか振り返り会とかも全部Teamsで音声付き会議でやります。
今開発チームは5つあって、チームごとにオンラインの部屋を作ってあります。文字では解決が難しい問題が起こったときや困りごとがあるときなどはその部屋で呼びかけたら応えてもらえる状態にしています。チームメンバーは常時つながっている状態で、ほぼみんなスピーカーをオンにしています。
地域のDX牽引役として、イノベーションしていく
――今後、御社に応募し、エンジニアになる方に求めるものはなんでしょうか。
とにかく「イノベーション」ですね。足元でいうと、C#、.NETといった技術を使っていて、それらは今仕事をこなす上で必要な技術であり、最低限欲しいスキルではあります。ただ、本質的には志、「北陸地域のために一肌脱いでみようか」という気概を求めています。
もちろんベースの能力は必要です。しかし、「イノベーションしていくぞ」と思う心がないと逆にどれだけスキルがあっても決められたことしかできなかったり、新しい発想が全然できなかったりします。
皆さんからは、イノベーションのために必要な知識や技術をどんどん吸収していこうとするモチベーションの高さを見せていただきたいと思っています。
当社は北陸地域のDX牽引役になるつもりで、これからも新しい技術を取り入れチャレンジしていきます。
岩間さん、ありがとうございました。
従来の銀行の枠組みにとらわれず、新しい技術でDXを推進する北國銀行。常に今よりも未来を見据え、北陸地方を牽引していく熱い思いが感じられました。未経験からエンジニアを目指す方で、モチベーション高くどんどん学び続けられる環境を求めている方におすすめです。
ご興味がある方はぜひ北國銀行の求人票をチェックしてみてください。