EN:TRYご利用者インタビュー paiza株式会社 西口将一さん
寝る間を惜しんでプログラミングを勉強
29歳&未経験からITエンジニアにキャリアチェンジ
今回は、「paiza」「EN:TRY」などを運営するpaiza株式会社に入社したエンジニアのインタビューをお送りします。
前半で話を聞いた西口は、入社時にはエンジニア未経験でした。実務未経験者をエンジニアとして採用したのは当社でも初めてになります。インタビューでは、彼がエンジニアを目指したきっかけや未経験からエンジニアになるためのプログラミング学習の方法、そして現在の業務などまで、さまざまな話をしてくれました。
記事の後半では、当社のエンジニアチームのリーダーを務め、エンジニアの採用にも携わっている高村に、未経験者を採用しようと考えたきっかけや、入社後の教育体制などについて聞きました。
※高村へのインタビュー(後半)は
こちら
から。
前職は学習塾の講師で「かなりアナログだった」
――西口さんは、エンジニア未経験で入社されたんですよね? これまでの経歴を教えていただけますか?
学生時代は数学を専攻していました。大学卒業後は学習塾に就職し、算数を担当。中学受験の勉強をする生徒向けに6年ほど教えていました。
――そこからエンジニアとは、大きなキャリアチェンジだったのですね。あまり2つの仕事が結びつかないように思えるのですが、エンジニアを目指したきっかけはなんだったんですか?
前職では業務でかなりアナログな部分が残っていて、データの入力なども、人が同じ作業を繰り返していることが多かったんです。「もっと効率のよい方法はないだろうか?」といろいろ調べていくうちに出会ったのがプログラミングでした。
はじめはExcel作業の効率化が目的だったので、Excel VBAを学びました。さらに、Webで教育サービスを作れないかと考え始めて、HTML/CSSも勉強していましたね。
――業務改善のためにプログラミングを始めたのですね。当時は職場でも喜ばれたんじゃないですか?
それがそういうわけでもなく、VBAで何かツールを作っても他の人たちには「よく分からない」となかなか使ってもらえませんでしたね。アナログな現状を変える難しさを痛感しました。
一方で、他社では教育業界でもタブレットやWeb教材を活用しはじめる企業も出てきていました。このままでは時代に取り残されてしまうという危機感を持ちはじめていたんです。
――その危機感が今回のキャリアチェンジの決め手だったのでしょうか?
そうですね。あとはプログラミングが習得できれば、教育に関する知見と掛けあわせてできることが増え、自分の市場価値も上げられるんじゃないかと考えていました。また、その当時29歳で、すでに家族もいましたので、転職へのタイムリミットを感じていたのも理由の1つですね。「チャレンジするなら今しかないな」という思いでした。
前職は非常に忙しく、「このままでは子どもができたときに育児との両立が大変になりそうだな」とも感じていました。そのため、もう少し余裕のある働き方ができる職種に転職したい気持ちもありましたね。
――エンジニアになるまで、プログラミングは独学で続けていたのですか?
はじめは独学で勉強していたのですが、前職では夜11時ごろに仕事が終わる日も多く、まとまった時間がなかなか取れませんでした。自分の場合は第二新卒と言えるほど若くもなかったので、短期集中で勉強したほうがエンジニアへの近道だと感じ、退職してプログラミングスクールで学びました。
スクールでは、おもにRubyの基本とRailsを使ったWeb開発手法を学びました。一日中スクールで勉強して、家に帰っても寝るまでプログラミングをしていました。プログラミング漬けの3カ月間でかなりハードでしたが、もともと勉強と数学が好きで教育業界にいた人間でしたし、学べば学ぶほど楽しくなっていきましたね。
転職活動と並行して、プログラミング問題に没頭
――次に今回の転職活動についてお聞きします。「paiza」を知ったきっかけを教えていただけますか。
「paiza」は企業情報を収集するために検索していてたまたま見つけました。転職サイトはいくつか利用しましたが、求人票の情報からはどのくらいのスキルが必要とされているのか分かりづらいんですよね。特に自分は実務未経験なので、「本当にこの求人に応募をしていいのか」と迷うことも多かったんです。でも「paiza」なら、応募のためのランクが規定されていて、それを取得してからの応募なので、自信を持って企業選びができました。
あとは、純粋にスキルチェック問題を解くのが楽しいですね。最初は応募のために「paiza」を使っていたのですが、そのうち問題を解くこと自体が楽しくなってきちゃってどんどん解き進めていました。実は内定をいただいたあとも解いていたんですよ。
――転職活動中にSランクを獲得されていますよね。
はい。paizaに登録してすぐにCランクをとり、さらにAランクまでは早いうちに取得できました。さすがにSランクをクリアするのは1カ月ほどかかりましたが……。スキルチェックは緊張感や没入感があって、解くのがくせになりますね。アルゴリズムをもっと本格的に勉強して、いずれはAランク、Sランクのすべての問題に挑戦するつもりです。
――Sランクであれば、掲載されているすべての求人に応募できますが、その中からpaiza株式会社に応募した理由はなんだったのでしょうか?
最初は教育関連の企業を中心に見ていました。「paiza」で応募すると必ず面談をしていただけるので、求人票だけでは分からないことも直接聞けて企業理解につながりましたね。転職活動を進めるうちに、自分は人や組織の成長に貢献できそうな仕事全般に興味があると気づき、その後はそれを企業探しの軸にして企業選びをしていました。
ちょうどそのころにこの会社からのスカウトメールを受けて、事業内容に興味を持ったので応募したんです。ただ、そのときは並行で7社ほど面接に進んでいたと思います。
――複数社の選考を受けるなかで、この会社を選んだ決め手は何でしたか?
第一は、自分の転職の軸でもあった「人々の成長に貢献できるサービスの提供」が実現できそうな企業だったからです。現役のエンジニアはもちろん、私のように未経験からエンジニアを目指す人でも、学習から転職までできるサービスである点にひかれました。
また、スキルチェックのときに書いたコードを選考時にしっかりとチェックしていただけたのもポイントでした。この会社ならエンジニアとして働くときもミスマッチは少ないだろうという安心感がありましたね。
常に困難に挑戦し、エンジニアとして成長し続けたい
――paiza株式会社に入社されて、実際にエンジニアとしてどんな業務をしていますか?
入社直後は開発チームのリーダーにペアプログラミングやレビューをしてもらいながら少しずつ業務に入っていきました。入社して半年ほど経った現在は「paiza」の企業向け機能のUI/UX改善を担当しています。
テストコードの作成やバグの一次対応もできるようになって、さらに最近は新機能の提案からプロトタイプの実装まで任せてもらうこともあります。仕事をしていて楽しいです。
また、今後私のような実務未経験のエンジニアを採用したときのために、OJTのカリキュラムを考えたりもしています。
――では、入社後に苦労した点や今後の課題は何かありますか?
一番苦労したのはインフラ周りですね。Linux OSやデータベースなど、エンジニアになる前はあまり触れていなかったので……。そのほかの部分でも、やはりまだまだ経験も知識も追いついていないと感じる場面が多いです。特に緊急性や重要度の高いバグが上がってきたときに、適切な判断ができずにもどかしい思いをすることもあります。
――そういった場面ではどうやって解決しているのですか?
わたしは、未経験の人が問題を解決するためには、臆せず聞ける行動力が非常に重要だと思っています。先輩のエンジニアに積極的に意見を求めるようにしていますね。一方で、何でも聞けばいいわけではありません。できるだけ「自分ではここまでできて、できていないところはこう考えて、試してみたけどうまくいかなかった」と言えるまでやってから聞くようにしています。
今は相談するタイミングもだんだんつかめてきたと感じています。Slackでのコミュニケーションで解決できるケースが増えましたね。
――着実にステップアップしていますね! それでは最後に、今後どんなエンジニアになりたいか教えてください。
まず直近では実装スピードの向上を目標としています。将来的には、メリット・デメリットの両方を考慮して判断するバランス感覚を身につけ、課題に対して解決方法を多く提案できるエンジニアになりたいです。また、引き際を見極める意思決定力も身につけていきたいと考えています。
エンジニアとしての仕事が、常に自分の好奇心を刺激するものであってほしいと思います。そのためにも、困難な課題にも果敢に挑戦し続けていきたいですね。
転職者の声
採用者の目線
paiza株式会社 エンジニアチームリーダー 高村宏幸
続いて、エンジニアチームのリーダーである高村に、未経験者採用を始めたきっかけや選考での評価ポイント、入社後の教育体制について聞きました。
未経験者を採用しようと思った理由とは?
――これまでエンジニアは経験者採用のみでした。今回、未経験の方を採用しようと考えた経緯など教えていただけますか?
正直なところ「未経験者を採るぞ!」と意気込んで採用をしていたわけではないんです(笑)。ただ、「いい人がいればたとえ未経験者でも採用していいのではないか」とは考えていました。
入社したエンジニアに長く活躍してもらうには、スキルマッチだけではなく、ビジョンやサービスへの共感も大切ですからね。そこの評価が高くて、ポテンシャルがありそうな方であれば、未経験者であっても活躍していただけるんじゃないかなと。
また、うちのエンジニアチームのメンバーはバックボーンも得意分野もさまざまですが、当時、実務未経験で入社した人は1人もいませんでした。「その中に、もし未経験者が入ったら、もしかすると彼らにとっていい刺激になるのではないか」とも思っていました。
――エンジニアチームへの影響も期待しての採用だったのですね。
それもありますね。ただ、既存メンバーが「経験者の採用が難しいから、未経験者を採用し始めたのではないか?」という温度感になったらどうしようといった心配もありました。結果的にはいらぬ心配で、西口が困っていると自発的にサポートしてくれる頼もしいメンバーばかりでしたけどね。
今後、実務未経験で入社したエンジニアが社内で圧倒的な成長を遂げれば、チーム全体がさらにいい影響を受け、全員の成長につながっていくのではと期待しています。
プログラミングへの情熱を見て、この方なら大丈夫だと感じた
――次に、今回の採用で、具体的に西口さんのどこを評価したかを教えてください。スカウトメールを送ったとき、彼のプロフィールのどのようなところに魅力を感じましたか?
まず、ていねいな文章でプロフィールを書いていたことですね。相手に伝えようとする意思や思いやりを持っている人だなという印象を受けました。paizaのスキルチェック問題をたくさん解いていて、プログラミング自体を楽しんでいる感じもしました。さらに、自作のWebアプリの内容も良かったのでスカウトメールを出そうと決めました。
――面接で実際にお会いしてみてどういう評価でしたか?
自己紹介や経歴の話を聞いて、「なぜエンジニアになろうとしているのか」の理由にとても共感できました。彼が強い覚悟を持ってキャリアチェンジに挑んでいることが伝わってきました。また、お話を聞いていて、たとえスタート時点でエンジニアとしての経験がなくても、これまでの経験を生かしてサービスの成長に貢献してくれそうだとも感じました。
ただ、当時の体制的に、専任の教育担当をつけて付きっきりで教えてあげられる状況ではありませんでした。業務で壁にぶつかったときに、まずは自分で考えて動いてくれる人でないといけなかった。そこで、その点を見極めるために選考中に専用の課題をやってもらいました。その課題でも期待していたアウトプットをしてもらえたので、ぜひ入社していただきたいと思って内定を出しました。
本人が考えるための時間をつくることが大切
――入社後は自らOJTで教育をしているそうですが、どんなところに気をつけていますか?
ポイントはいくつかありますが、特に質問を歓迎する雰囲気や空気づくりにはかなり気を配っていますね。一方で、本人に気づきを得てもらえるように、必要以上に教えないようには気をつけています。
また、本人が考える時間を十分に取れるように業務量をコントロールしています。今は早く答えにたどり着くよりも柔軟な思考を持って、自分でしっかり考えることを優先してほしいと思っています。
――コミュニケーションの取り方で心がけていることはありますか?
あまりこちらから聞きすぎてはいけないのですが、かといって放置しすぎてもよくありません。ほどよい距離感を保ちつつ、声をかけるタイミングを見極めています。
あとは、わたしとのペアプログラミングの時間を設けていて、インタラクティブなやり取りになるよう心がけています。この時間では、開発に関する知見を深めてもらえるようなコラムを話すこともしています。業務の話だけだと得られる知識が狭まってしまいますからね。
――実際に西口さんと一緒に仕事をしてみてどうですか?
選考の段階から評価はしていましたが、想像以上に期待に応えてくれているなと感じています。学びへの熱量が非常に高く前向きなので、ちょっとした開発はすぐにできるようになりました。不具合の一次対応や、軽微なものであれば修正も任せています。
それにフットワークが軽くて、エンジニアだけでなく、他の部署のメンバーともコミュニケーションを活発に取ってくれたので、周りからの信頼獲得が早かったですね。もともと教育のプロとして働いていた経験から、教える側・教えられる側のどちらのこともよく理解していると思います。未経験者の社内教育を考えるうえでとても力を貸してもらっていますよ。
――今後のエンジニアの採用計画について教えてください。
先日、もう1人未経験者をエンジニアとして採用しました。今後はさらに教育体制を強化して、引き続き経験者・未経験者を問わずエンジニアを増やしていきたいですね。学生についても、今はアルバイトのみの採用ですが、今後はアルバイトから社員に登用するといった流れも計画しています。
自社のサービスではありますが、「EN:TRY」には、実務は未経験でもプログラミングが大好きで夢中になって取り組んでいる人がたくさんいらっしゃるなと思います。1人の採用担当として見て、いい出会いが期待できるサービスだと思います。
――最後に、paiza株式会社を志望する方へメッセージをお願いします。
ここまでお話ししたとおり、社内の受け入れ体制はまだこれから整備していく必要があり、完璧なサポートは難しいかもしれません。ただ、エンジニアになるために粘り強く努力を続けている方、これまでの自分の経験をどう生かせるかをしっかり考えている方であれば、この会社はきっと楽しみながら成長できる環境だと思います。
この会社が掲げている「学習サービスや転職サービスを通して、エンジニア、ひいてはIT業界全体をもっとよくしていきたい」という思いに共感していただける方、ぜひ僕たちと一緒に「paiza」の未来を作っていきましょう。
西口はインタビューで「プログラミングって勉強すればするほど、できることが増えるからおもしろいんですよね」と語っていました。学び続ける情熱、そして挑戦し続ける姿勢。それこそがエンジニアに求められる要素なのかもしれません。未経験からエンジニアになりたいと思っている人には、ぜひ熱量を持ってプログラミングを学んでいただければと思います。そして、このインタビューを読んでpaiza株式会社にご興味をもっていただいた方がいたら、ぜひ当社の求人票をチェックしてみてください。
他方、未経験者が早期に活躍するためには、採用する企業側でも、さまざまな取り組みが必要です。今回のインタビューを通じて、採用する企業の方に、少しでもpaiza株式会社の取り組みが伝われば幸いです。