5つの最終面接の想定質問と解答例
最終面接は社長や役員が面接官となるため、一次・二次面接とは見られるポイントが異なります。「最終面接は入社の意思確認」と思っている方もいるかもしれませんが、最終面接の通過率は50%とも言われています。しっかりと準備をして後悔のないようにしましょう。
志望動機について
社長や役員など会社上層部の面接官に対して、明確で説得力のある志望動機が言えるかどうかは重要な評価項目です。
質問
なぜ弊社を志望したのですか?興味を持った点はどこですか?
NG回答例
以前からゲーム開発に携わりたかったことと、大量アクセスをさばく運用をしてみたかったという希望があり、それができる会社だと思ったからです。
OK回答例
今後のキャリアの方向性として、大規模なシステムのパーツ開発よりも小規模で幅広く開発に携われる仕事、とくにスマホゲーム開発に携わりたいと考えています。御社の求人情報を拝見し、シンガポール展開などアジア系メンバーも多く在籍し、グローバルで明るい雰囲気であること、スマホネイティブアプリに注力していること、まだ小規模な成長ベンチャーで幅広い開発の機会があることなど、自分のキャリアの方向性と合っていて、大変魅力を感じすぐに応募を決めました。
また面接を通じて御社の開発に対する考え方なども私に合っていたので、さらに志望度がさらに高まりました。技術面では大量アクセスをさばく運用をしてみたかったという希望もあり、累計4000万DLを誇る実績のある御社なら目指すところと合致していると感じ、志望させていただいております。
「なぜこの企業を選んだか」を伝えることが重要
NG回答例もやりたいことの方向性としてはよいのですが、役員クラスの立場から見ると、「なぜうちの会社なのか」という点で説得力が足りません。他社でも同様の仕事は少なからずあるため、志望度があまり伝わりません。一緒に働くという意味でも、もっと具体的な志望動機がある人の方が採用したいと思われてしまいます。
志望理由や興味を持った点には、「ゲーム開発をやりたい」や「RubyやRailsでの開発をやりたい」といった方向性の話もあるとは思いますが、より重要なのは、たくさんある求人の中でなぜこの企業を選んだのかです。OK解答例のように、より具体的な会社の特徴に踏み込み、事業ビジョンと自分の目指すキャリアとのフィット感などに触れ、説得力ある説明を心がけましょう。
今後どんな仕事をしていきたいか(キャリアビジョン)
2〜3年後、5年後、その先、現時点でエンジニア・プログラマとしてどのようなキャリア(仕事)を目指していきたいか、しっかりと目標を持って仕事に向き合っているかを確認する質問です。
質問
今後のどのような方向性でキャリア(業務経験)を積みたいと考えていますか?
NG回答例
開発チームでコミュニケーションをとって、なんらかのものづくりに携われていればうれしいです。
OK回答例
将来的にも、開発チームでプログラミングを通じてモノ作りに携わっていたいと思います。いわゆるフルスタックエンジニアのように幅広くカバーできるエンジニアを目指したいです。
仮にご縁があって入社させていただいた場合は、当面スマホネイティブアプリの開発経験を積んで、2〜3年のうちに大規模処理に対応するサーバーサイドの設計・実装ノウハウを学びながら、数年後にはリーダーとして開発をリードしたいと考えております。
会社にどう貢献していくかを問われている
キャリアの方向性についての質問は、中期的にどうやって会社に貢献していく意識かを問う主旨の質問です。面接官は、漠然とした回答ではなく、より具体的なエンジニア・プログラマとしてのスキル面や経験面での目標を共有してほしいと考えています。
そのため企業の将来的なビジョンとご自身のキャリアの方向性が合致している回答が理想的です。あいまいな回答ではなく、どのようなエンジニアになりたいのか、そのためにはどのような知識や経験を積んでいけばよいのか、具体的なイメージを語れるよう準備しておきましょう。
スキルアップの取り組みについて(勉強方法)
次々に新しい技術が出てくるIT業界で、エンジニア・プログラマは技術をキャッチアップし続けることが重要です。この質問はエンジニア・プログラマとしてのスキルの伸びしろを確認する質問です。
質問
今後のキャリアのために現在スキルアップで取り組んでいることはありますか?
NG回答例
プログラミングの勉強をしています。
OK回答例
開発手法や分散処理プログラミングの勉強をしています。具体的には、Webサービスの開発で生産性が高いスクラム開発を勉強していて、『SCRUM BOOT CAMP THE BOOK』などを読んでいます。
また大規模データ処理のHadoopの知識を深めるためオライリーの本を読んでいます。いずれはプロジェクトに携わりながらこの分野のスペシャリストを目指したいと考えています。
取り組みは具体的にアピールする
NG回答例では、漠然とした回答のため評価しづらいと思われてしまいます。せっかくのアピールポイントでなのにもったいないです。
現在勉強中のことがあれば具体的に伝えましょう。もし現時点では取り組めていなかったとしても、「とくにありません」ではなく、今後どう取り組んでいくかという観点で伝えるようにします。入社後に何を強みにし、どのように仕事に取り組むかなどを自らの言葉で説明できるようになるとよいでしょう。
会社への貢献、どのように活躍できるか(スキル面での強み)
ご自身の経験やスキルを活かしてどのように会社に貢献できるか、アピールになるので整理しておきましょう。
質問
弊社にご入社いただいた場合、どのようにご活躍、貢献してもらえるかイメージはありますか?
NG回答例
開発チーム内でコミュニケーションをとって開発を回すという、ある意味当たり前ですが、開発で貢献していきたいです。
OK回答例
これまでの経験では、JavaやPHPでのサーバーサイドの開発にも携わってきましたので、スマホネイティブアプリ開発以外でも対応いたします。また今までの業務では、開発チームだけではなく企画やデザインチームなどとコミュニケーションをとりながら要件検討をおこない、ユーザーにより価値のあるサービス開発をおこなっておりました。
御社に入社させていただいた場合も、他のチームともコミュニケーションをとりながらよりよいモノ作りに貢献していきたいです。
具体的なスキルを挙げる
漠然としていて、どう貢献できるか伝わってこない回答はNGです。業務内容の認識にギャップはないか、また自身の強みが整理できているか、それをどう活かしていく意志があるのかという質問なので具体的に話すことが求められます。
希望職種に関係するご自身の業務経験、キャラクター、技術などをアピールしましょう。また、その経験を活かして応募企業で携わってみたい業務があれば伝え、新しい仕事へ前向きにチャレンジする意思を伝えましょう。
ご自身の性格面での強みと弱みについて
客観的に自分自身を分析し把握できているか、またその対策を意識しているかなどを確認する質問です。
質問
ご自身の強み・弱みを教えてください。
NG回答例
強みは、わからないことは放置しないで調べること。本を読んで学ぶこと。弱みは、調べていたらいつの間にか脱線していることです。
OK回答例
強みは、わからないことがあれば放置せず自分で調べることです。ライブラリーなどは中身の構成も必ずチェックし、自分の技術の引き出しを増やしています。
弱みは、強みの裏返しにもなってしまうのですが、何でも調べたくなってしまうので、本来の目的から脱線しがちなこともあります。その対策として最近は1日の業務をタスクリスト化して脱線を防ぐように意識してやっています。
弱みは改善策とセットで伝える
強みに関しては、ご自身のキャラクターがどのように会社に貢献できるか、弱みはご自身がどの程度自己認識ができているかを問う質問です。強みを伸ばしていくことで、転職後の活躍や上記キャリアプランにもつながりますから、これまでの仕事での実績と絡めて具体的なエピソードとともに語りましょう。
NG回答例のような答え方をすると、弱みが業務で支障とならないか不安を与えてしまう可能性があります。弱みは強みの裏返しの面を伝えるというのも一つの手です。また、弱みは改善のための対策とセットで伝えましょう。
6つの逆質問例
面談が一通り終わった後、最後に聞かれる「何か質問はありますか?」という質問。
入社後の業務イメージを掴むにはここで質問をしておきましょう。また、その企業への興味や関心を持っている姿勢を示す機会でもあります。休日・残業の有無など職場環境への質問は誤解を招く質問でマイナス印象を与えないように注意し、質問項目を5〜6個ほどメモをしておき、持参しましょう。
逆質問は、面談の中では詳しい説明がなかった項目、またはあらためて確認しておきたい項目になります。
質問1
御社のエンジニアの方の1日、1週間のワークスタイルを教えていただけますか?(質問の主旨は、社員の方の出社時間や退社時間、作業内容(開発、打ち合わせ、資料作成など)と時間配分(何時間使うか)などです。)
質問のねらい
残業について質問したい場合は、ストレートに『残業ありますか?』と聞かずに、1日の流れを聞いて残業状況を把握しましょう。残業聞くことが必ずしもNGではないですが、仕事への意欲を懸念されてしまうことがあります。
質問2
もしご入社させていただいた際に、一緒に働く方のキャラクター(人柄・特徴・雰囲気)や年齢構成を教えてください。
質問のねらい
職場の雰囲気はメンバーによって大きく変わります。明るいか落ち着いているか、同世代が多いか幅広い世代が多いのか、入社前に雰囲気を掴んでおけば、入社後に大きなギャップが発生することはないでしょう。
また、質問の準備と合わせて、どういう職場を望んでいるのかもイメージしておいた方がよいです。「逆にどういう人だと仕事がやりやすいですか?」と聞かれることもあります。
質問3
求人情報に記載されていましたが、改めて開発環境(管理ツール、支給PC、モニター、いすなど)、開発手法や開発の流れについて教えてください。
質問のねらい
今までの経験が活かせるか、新しい勉強が必要なのか、などを聞いておけば、入社までに準備もできますし、やる気のアピールにもつながります。
質問4
評価制度についてお聞きしたいのですが、エンジニアの評価はどのように実施していますか。また差し支えなければ、昇給・昇格のタイミングなどについて教えてください。
質問のねらい
あまり給与の話ばかり細かく聞くと、「仕事内容よりも給与に興味がある」と捉えられがちなので、他の社員のモデルケースなどについて聞き、入社後のイメージを掴みましょう。確認せずにうやむやにして入社し、入社後「こんなはずではなかった」とならないよう、できるだけ具体的に教えてもらい把握しましょう。
質問5
求人情報や御社のホームページで確認させていただきましたが、改めて御社の目指す方向性や、事業の方向性について教えてください。
質問のねらい
募集要項に書いてあったものの、もう少し詳しく聞きたいという意図を示し、事前に確認していることは伝えましょう。また社長や取締役など上層部から直接話を聞くことで、新しく気づくこともあるかもしれません。
質問6
仮に入社させていただけた場合、当面すぐにやることになる業務を教えてください。また配属される部署・チームの課題、目標を教えてください。
質問のねらい
課題、目標を聞いておくと入社した際の齟齬が少なくなるので聞いておきましょう。また入社後の業務イメージを膨らませる質問は、働く意欲を感じさせて好印象です。面接の中では出なかった話を聞いたり、出た話を深堀りする聞き方をするとよいでしょう。