Java System.out.printlnの使い方

この記事のポイント

System.out.printlnは、Javaで文字や数値を表示するための重要な機能です。プログラミングの第一歩として、また開発中の動作確認にも欠かせません。この記事ではSystem.out.println基本から実用例まで段階的に学べます。

  • コンソールへ文字や数値を表示させる基本的な方法
  • 変数の中身や処理の経過を手軽に確認するデバッグ手法
  • プログラムの実行結果をユーザーに示すための記述方法

この記事を通して System.out.printlnの正しい使い方を学び、効率的なプログラムが書けるようになりましょう。

目次

System.out.printlnとは?

System.out.printlnは、Javaプログラムでコンソール(実行結果が表示される画面)に文字や変数の値などを表示するための、最も基本的で重要な機能です。

System.out.printlnは、以下の3つの要素から成り立っています。

  • System:システムに関する機能を持つクラス(設計図のようなもの)
  • out:コンソールへの出力を担当する部分
  • println:かっこ内の内容を一行で表示して改行する命令(メソッド)

プログラムが正しく動いているかの確認や、間違い(バグ)を探すデバッグの作業で頻繁に使われます。変数の中身や計算結果を表示させることで、処理の流れを追いやすくなります。

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基本構文

Java System.out.printlnの基本的な書き方は非常にシンプルです。以下に基本的なコード例を示します。

public class Main { public static void main (String[] args) { System.out.println("ネコ"); } }

出力結果

ネコ
public class Main { public static void main (String[] args) { int number = 5; System.out.println(number); } }

出力結果

5
public class Main { public static void main (String[] args) { System.out.println("イヌの数は" + 3 + "匹です"); } }

出力結果

イヌの数は3匹です

これらの例からわかるように、文字列は「"(ダブルクォーテーション)」で囲んで書きます。一方、数字やあらかじめ用意した変数は、そのまま書くだけで大丈夫です。

文字と変数を同時に使いたいときには、「+」記号を使ってつなげることができます。こうした書き方のルールをおぼえておけば、画面にさまざまな情報をわかりやすく表示できるようになります。

実用例

ここからは実際の開発現場で使われるSystem.out.printlnの実用的な例を紹介します。文字列の表示から数値計算、変数の確認、条件分岐や繰り返し処理での活用まで、幅広い使用パターンを学ぶことができます。

各例では動物を使った親しみやすいコード例を用意し、実行結果も併せて確認できるようになっています。これらの例を通じて、実際のプログラム開発でどのように活用するかを理解し、デバッグや動作確認のスキルを向上させることができます。プログラミング初心者の方でも理解しやすいよう、各例には詳細な説明を付けています。

文字列の表示例

最も基本的な文字列表示の例です。プログラムの開始時や処理の完了時にメッセージを表示する際によく使用されます。

public class Main { public static void main(String[] args) { System.out.println("ペットショップへようこそ!"); System.out.println("今日のおすすめはウサギです"); System.out.println("営業時間は10時から18時までです"); } }

出力結果

ペットショップへようこそ!
今日のおすすめはウサギです
営業時間は10時から18時までです

この例では、文字をそのまま「"(ダブルクォーテーション)」で囲んで表示しています。System.out.printlnは1行ごとに内容を出力して、表示が終わると自動的に改行されます。

数値計算結果の表示例

変数を使った計算結果を表示する例です。プログラムで計算した値を確認したい場合に非常に便利です。

public class Main { public static void main(String[] args) { int cats = 5; int dogs = 8; int total = cats + dogs; System.out.println("ネコ: " + cats + "匹"); System.out.println("イヌ: " + dogs + "匹"); System.out.println("合計: " + total + "匹"); } }

出力結果

ネコ: 5匹
イヌ: 8匹
合計: 13匹

この例では、変数に入っている数値を+記号で文字とつなげて表示しています。文字列と数値を同じ行に並べることで、読みやすいメッセージがつくれます。

変数の内容確認例

文字列数値小数true/falseなど、いろいろな種類の変数を表示して確認する例です。プログラムを作っているときに、変数の中身が思った通りの値になっているかをチェックすることはとても大切です。

public class Main { public static void main(String[] args) { // 文字列 (String) String animalName = "トラ"; // 整数 (int) int age = 5; // 小数 (double) double weight = 180.5; // 1文字 (char) char rank = 'A'; // 真偽値 (boolean) boolean isWild = true; System.out.println("動物名: " + animalName); System.out.println("年齢: " + age + "歳"); System.out.println("体重: " + weight + "kg"); System.out.println("危険度ランク: " + rank); System.out.println("野生: " + isWild); } }

出力結果

動物名: トラ
年齢: 5歳
体重: 180.5kg
危険度ランク: A
野生: true

この例では、5つの異なるデータ型の変数を宣言し、それぞれの値を System.out.printlnで出力しています。「+」で文字列と連結する際、数値や真偽値などの値は自動的に表示可能な文字列に変換されます。

このように、System.out.println() を使えば、データ型を気にすることなく変数の中身を簡単に確認できます。思った通りの値が変数に入っているか、計算結果は正しいかなどを調べるための基本的なテクニックです。

条件分岐での使用例

if文と組み合わせて条件に応じたメッセージを表示する例です。プログラムの判定結果を分かりやすく表示できます。

public class Main { public static void main(String[] args) { int age = 3; System.out.println("クマの年齢: " + age + "歳"); if (age >= 5) { System.out.println("大人のクマです"); } else { System.out.println("子グマです"); } } }

出力結果

クマの年齢: 3歳
子グマです

この例では、まず変数ageに3を設定しています。if (age >= 5) という条件で年齢が5歳以上かを確認しますが、ageは3なので条件に当てはまりません。そのため、else側の処理が実行され、「子グマです」というメッセージが出力されます。

繰り返し処理での使用例

for文を使って複数の動物情報を表示する例です。for文のような繰り返し処理の中でSystem.out.printlnを使うと、配列の中身を一覧で表示するなど、同じ形式の表示を何度も繰り返す場合に便利です。

public class Main { public static void main(String[] args) { String[] animals = {"ライオン", "ゾウ", "キリン"}; System.out.println("動物園の動物一覧:"); for (int i = 0; i < animals.length; i++) { System.out.println((i + 1) + ". " + animals[i]); } } }

出力結果

動物園の動物一覧:
1. ライオン
2. ゾウ
3. キリン

この例では、animalsという配列(複数のデータをまとめて管理する箱)に3つの動物名が入っています。for文は配列の要素数である3回、処理を繰り返します。

System.out.printlnはループのたびに(i + 1) で番号を振りながらanimals[i]で配列から動物名を1つずつ取り出し、画面に表示しています。

配列要素の表示例

複数の配列を組み合わせて、格納された数値データを順番に表示する例です。ここでは、動物の名前が入った配列と、それぞれの体重が入った配列を使って、一覧表のように出力します。

public class Main { public static void main(String[] args) { int[] weights = {25, 45, 15, 35}; String[] names = {"サル", "ヒツジ", "ヤギ", "ブタ"}; for (int i = 0; i < names.length; i++) { System.out.println(names[i] + "の体重: " + weights[i] + "kg"); } } }

出力結果

サルの体重: 25kg
ヒツジの体重: 45kg
ヤギの体重: 15kg
ブタの体重: 35kg

この例では、動物名を持つnames配列と、体重を持つweights配列を用意しています。for文の繰り返し処理の中で、同じ順番(添字i)にある要素をそれぞれの配列から取り出します。そして、+で連結して「サルの体重: 25kg」のような形式の文字列を組み立てて出力しています。

オブジェクト情報の表示例

オブジェクトのプロパティを表示してオブジェクトの状態を確認する例です。オブジェクト指向プログラミングでの動作確認に重要です。

public class Main { public static void main(String[] args) { String name = "パンダ"; String habitat = "中国"; String food = "竹"; System.out.println("=== 動物情報 ==="); System.out.println("名前: " + name); System.out.println("生息地: " + habitat); System.out.println("主食: " + food); } }

出力結果

=== 動物情報 ===
名前: パンダ
生息地: 中国
主食: 竹

この例では、動物の名前、生息地、主食をそれぞれ別の変数に格納しています。System.out.printlnを複数回使い、「=== 動物情報 ===」といった区切り線や、「名前: 」のような項目名を文字列として出力します。変数と文字列を+で連結することで、整形されたプロフィールのような表示を実現しています。

エラー情報の表示例

プログラムの処理状況やエラー情報を表示する例です。デバッグ作業や処理の進行状況確認に活用できます。

public class Main { public static void main(String[] args) { String animal = "コアラ"; int sleepHours = 20; System.out.println("動物チェック開始..."); System.out.println("対象動物: " + animal); if (sleepHours > 18) { System.out.println("警告: 睡眠時間が異常に長いです"); } System.out.println("チェック完了"); } }

出力結果

動物チェック開始...
対象動物: コアラ
警告: 睡眠時間が異常に長いです
チェック完了

この例では、まず「動物チェック開始...」というメッセージを表示し、処理が始まったことを示します。次に、if文でsleepHoursが18より大きいかという条件を確認します。条件に合わせるため、「警告: 睡眠時間が異常に長いです」が出力されます。最後に、条件分岐が終わったあとで「チェック完了」を表示し、一連の処理が終わったことを伝えています。

まとめ

Java System.out.printlnは、Javaプログラミングにおいて最も基本的で重要な出力機能です。この記事で学んだ内容を活用することで、効率的なプログラム開発とデバッグ作業が可能になります。

System.out.printlnが活躍する場面

  • プログラムの動作確認やデバッグ作業での変数値表示
  • ユーザーへのメッセージ表示やプログラム状況の通知
  • 計算結果や処理結果の確認および一覧表示作業

重要なポイント

  • 文字列は「"(ダブルクォーテーション)」で囲むという基本ルール
  • 変数と文字列の連結には+記号を使用する方法
  • さまざまなデータ型に対応した柔軟な出力機能

System.out.printlnをマスターすることで、プログラムの内部動作を可視化し、バグの発見や修正が格段に容易になります。また、プログラムの実行結果をユーザーに分かりやすく提示することも可能です。

初心者の方は基本的な文字列表示から始めて、徐々に変数や計算結果の表示、条件分岐や繰り返し処理での活用へと段階的にスキルを向上させていくことをお勧めします。

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