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Python list(配列)型の使い方

この記事のポイント

Pythonのlist型は、複数のデータをまとめて管理するための基本的なデータ型です。

この記事を読むと、次のようなことが身に付きます。

  • list型の基本概念と複数データの格納方法がわかる
  • 要素の追加・削除・検索などの基本的なリスト操作の手順がわかる
  • 実際の開発で役立つ具体的なコード例とその活用場面を知る
  • 動物を題材にした身近で理解しやすい例で実用性を体感する
  • プログラミング初心者でも安心して使える基本スキルを習得する

この記事を通して、list型の正しい使い方をマスターすれば、複数のデータを効率的に管理できるプログラムが書けるようになります。

目次

list型とは?

list型は、複数の値をまとめて保存できるデータ型です。角括弧[ ]を使って表現し、例えば「ネコ、イヌ、ウサギ」といった複数の動物名を一つの変数にまとめて保存できます。

日常生活で考えると、買い物リスト(「りんご、パン、牛乳」)や友達の名前リスト(「田中さん、佐藤さん、山田さん」)のように、関連するものをリストにまとめて管理するようなケースです。

Pythonのlistも同じような使い方ができます。

list型の特徴

  • 複数の値を順序付きで格納できる
  • 各要素にはインデックス番号が自動的に割り振られる(0から始まる)
  • 要素の追加、削除、変更が自由に行える
  • 文字列、数値、他のリストなど様々なデータ型を混在させて格納できる
  • 動的にサイズが変わるため、データの管理に便利

プログラミングにおいて、最も頻繁に使用される基本的なデータ構造の一つで、特にデータベース操作やループ処理で有用です。

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基本構文

Pythonのlist型の基本的な使い方には、リストの作成、要素へのアクセス、要素の追加や削除があります。

角括弧の中にカンマ区切りで値を記述することでリストを作成できます。

# 基本的なリスト作成 animals = ["ネコ", "イヌ", "ウサギ"] print(animals) print(animals[0])

出力結果:

['ネコ', 'イヌ', 'ウサギ']
ネコ

この例では、3つの動物名が入ったリストを作成しています。animals[0]でリストの最初の要素(ネコ)にアクセスできます。

また、リストの各要素には0から始まる番号(インデックス)が自動的に割り振られます。0から割り振られるという点に注意です。

  • animals[0] → "ネコ"(1番目の要素)
  • animals[1] → "イヌ"(2番目の要素)
  • animals[2] → "ウサギ"(3番目の要素)

よく使うのは、リストに要素を追加したり削除したりする方法です。よく使われるメソッドを覚えておきましょう。

# 要素の追加 pet_list = ["ハムスター", "インコ"] pet_list.append("カメ") print(pet_list) print(f"ペット数: {len(pet_list)}")

出力結果:

['ハムスター', 'インコ', 'カメ']
ペット数: 3

この例では、append()メソッドを使ってリストの末尾に新しい要素を追加しています。len()関数でリストの要素数も確認できます。

リスト操作に使用する、基本的なメソッドをいくつかまとめておきます。

基本的なリスト操作メソッド

  • append(): リストの末尾に要素を追加
  • remove(): 指定した要素を削除
  • insert(): 指定した位置に要素を挿入

これに加えて、len()はリストの要素数を取得できる関数であることを押さえておきましょう。

実用例

ここからは実際のコード例を通して、list型がどのような場面で使われるかを見ていきましょう。

これから紹介するコード例は、すべて実際に動かすことができます。実際にコードを動かしてみると、より理解が深まるはずです。

動物を題材にした身近な例を中心に、段階的に説明していきますので、一つずつ試してみてください。

動物園の動物リスト管理

動物園で飼育している動物の種類を管理するシステムです。新しい動物の追加やそのリストの一覧表示を行い、効率的な動物管理を実現します。

zoo_animals = ["ライオン", "ゾウ", "キリン"] zoo_animals.append("パンダ") zoo_animals.append("トラ") print("動物園の動物一覧:") for animal in zoo_animals: print(f"- {animal}")

出力結果:

動物園の動物一覧:
- ライオン
- ゾウ
- キリン
- パンダ
- トラ

この例では、最初に3種類の動物でリストを作成し、その後パンダとトラを追加しています。for文を使ってリストの全ての要素を順番に表示しています。

プログラムの流れ

  1. 初期の動物リストを作成
  2. append()で新しい動物を追加
  3. for文でリストの全要素を順番に取得
  4. f-stringを使って見やすく表示

ちなみに、f-stringは文字列の中に変数の値を埋め込むための便利な書き方です。

特徴としては次のようなことが挙げられます。

  • fを文字列の前に付けることで、f-stringになる
  • {}の中に変数名を書くと、その変数の値が文字列に埋め込まれる
  • 例:f"こんにちは、{name}さん"で、nameが「田中」なら「こんにちは、田中さん」と表示される

f-stringを使うと、計算結果をわかりやすく表示できるので、プログラムの出力が読みやすくなります。

ペットショップの在庫管理

ペットショップで販売可能な動物の在庫を管理するシステムです。動物が売れた場合に、リストから除外する処理を実装する例を見てみましょう。

pet_inventory = ["コーギー", "チワワ", "プードル", "シバイヌ"] sold_pet = "チワワ" pet_inventory.remove(sold_pet) print(f"販売済み: {sold_pet}") print("現在の在庫:", pet_inventory)

出力結果:

販売済み: チワワ
現在の在庫: ['コーギー', 'プードル', 'シバイヌ']

この例では、remove()メソッドを使って売約済みの動物をリストから削除しています。

プログラムの流れ

  1. 販売可能な動物のリストを作成
  2. 売れた動物の名前を変数に保存
  3. remove()でその動物をリストから削除
  4. 結果を表示して在庫状況を確認

チワワがリストから除外されたのが確認できますね。

動物病院の予約管理

動物病院での診察予約を管理するシステムです。

医療機関の予約システムにもlist型は有用です。効率的な診察スケジュール管理を実現できますから。

実際にコード例で見てみましょう。

appointment_list = ["タマ", "ポチ", "ミケ"] new_patient = "チロル" appointment_list.insert(1, new_patient) print("本日の診察予約:") for i, patient in enumerate(appointment_list, 1): print(f"{i}. {patient}")

出力結果:

本日の診察予約:
1. タマ
2. チロル
3. ポチ
4. ミケ

この例では、insert()メソッドを使って新しい患者を予約リストの特定の位置に挿入しています。

また、enumerate()関数を使って番号付きで表示しています。

プログラムの流れ

  1. 既存の予約リストを作成
  2. 新しい患者を2番目の位置(インデックス1)に挿入
  3. enumerate()で番号を付けながらリストを表示
  4. 予約順序を分かりやすく表示

enumerate(appointment_list, 1)で、番号を付けつつ要素を取得しています。

enumerate()関数の使い方を確認しておきましょう。

  • 第2引数の1は開始番号を指定(デフォルトは0)
  • iに番号、patientに要素が入る
  • 「1. タマ」「2. チロル」のように番号付きで表示できる

enumerate()関数は、リストの要素と一緒に番号も取得できる便利な関数です。

水族館の魚類データベース

水族館で展示している魚類の種類を管理するデータベースシステムです。特定の魚が展示されているかを検索し、展示順序も確認できます。

fish_database = ["マグロ", "サメ", "エイ", "タイ"] search_fish = "サメ" if search_fish in fish_database: position = fish_database.index(search_fish) + 1 print(f"{search_fish}は展示中です(展示順: {position}番目)") print(f"総展示種数: {len(fish_database)}種")

出力結果:

サメは展示中です(展示順: 2番目)
総展示種数: 4種

この例では、in演算子で特定の魚がリストに含まれているかを確認し、index()メソッドでその位置を取得しています。

流れを下記で確認しておきましょう。

プログラムの流れ

  1. 魚類のデータベース(リスト)を作成
  2. 検索したい魚の名前を変数に保存
  3. in演算子でリストに含まれているかを確認
  4. index()でその魚の位置を取得(+1で人間にとって分かりやすい番号に)
  5. 検索した魚と総展示種数を表示

in演算子は、要素が含まれているかをTrue/Falseで判定します。

index()メソッドは、要素の位置(インデックス)を取得します。ちなみに、インデックスは0から始まるので、このコード例ではわかりやすいように+1している形です。

牧場の家畜管理システム

牧場で飼育している家畜の種類と頭数を管理するシステムです。新しい家畜の追加とアルファベット順での表示を実装します。

livestock = ["ウシ", "ヒツジ", "ヤギ"] livestock.extend(["ブタ", "ニワトリ"]) print("牧場の家畜一覧:") for animal in sorted(livestock): print(f"・{animal}") print(f"飼育種類数: {len(livestock)}種類")

出力結果:

牧場の家畜一覧:
・ウシ
・ニワトリ
・ブタ
・ヒツジ
・ヤギ
飼育種類数: 5種類

この例では、extend()メソッドで複数の要素を一度に追加し、sorted()関数でアルファベット順に並び替えて表示しています。

プログラムの流れ

  1. 初期の家畜リストを作成
  2. extend()で複数の家畜を一度に追加
  3. sorted()で五十音順に並び替え
  4. 整理された一覧を表示
  5. 飼育種類数も確認

append()メソッドは、リストに要素を追加する機能があることは先述しました。extend()メソッドとの違いを確認しておきましょう。

  • append(): 一つの要素を追加(livestock.append("ブタ"))
  • extend(): 複数の要素を一度に追加(livestock.extend(["ブタ", "ニワトリ"]))

動物保護施設の登録システム

動物保護施設で保護動物の登録を管理するシステムです。新しく保護された動物の登録と里親が決まった動物の登録解除を管理しています。

rescue_animals = ["シロ", "クロ", "チャトラ"] new_rescue = "ハチワレ" rescue_animals.append(new_rescue) adopted = "シロ" rescue_animals.remove(adopted) print(f"里親決定: {adopted}") print("保護中の動物:", rescue_animals)

出力結果:

里親決定: シロ
保護中の動物: ['クロ', 'チャトラ', 'ハチワレ']

この例では、新しい保護動物の追加と里親が決まった動物の削除を組み合わせて、動的なリスト管理を実装しています。

プログラムの流れ

  1. 現在保護中の動物リストを作成
  2. 新しく保護された動物を追加
  3. 里親が決まった動物をリストから削除
  4. 更新された保護動物の状況を表示

競馬場の馬匹管理

競馬場での出走予定馬の管理システムです。スポーツ競技において、参加者の管理を行うシステムにおいてもlist型は有用です。

race_horses = ["サンダー", "ライトニング", "ストーム", "ウィンド"] scratched_horse = "ストーム" if scratched_horse in race_horses: race_horses.remove(scratched_horse) print(f"出走取消: {scratched_horse}") print("最終出走馬:", race_horses)

出力結果:

出走取消: ストーム
最終出走馬: ['サンダー', 'ライトニング', 'ウィンド']

この例では、出走取消の馬がリストに含まれているかを確認してから削除することで、エラーを防いでいます。

プログラムの流れ

  1. 出走予定馬のリストを作成
  2. 出走取消になった馬の名前を指定
  3. in演算子でその馬がリストに含まれているかを確認
  4. 含まれている場合のみ削除処理を実行
  5. 最終的な出走馬リストを表示

ちなみに、もし指定した馬がリストに含まれていなかった場合は、if文の条件がFalseになり、削除処理は行われず出走取消になった馬は表示されません。

動物カフェのメニュー管理

動物カフェで触れ合い可能な動物メニューを管理するシステムです。季節限定動物の追加と特別表示を実装し、来店客への適切な情報提供を実現します。

cafe_animals = ["ウサギ", "モルモット", "ハリネズミ"] seasonal_animal = "フクロウ" cafe_animals.insert(0, seasonal_animal) print("本日の触れ合い動物:") for i, animal in enumerate(cafe_animals): status = "限定" if i == 0 else "通常" print(f"{animal} ({status})")

出力結果:

本日の触れ合い動物:
フクロウ (限定)
ウサギ (通常)
モルモット (通常)
ハリネズミ (通常)

この例では、insert()で季節限定動物をリストの先頭に追加し、位置に応じて表示を変えています。

プログラムの流れ

  1. 通常の触れ合い動物リストを作成
  2. 季節限定動物をinsert()でリストの先頭(インデックス0)に挿入
  3. enumerate()で位置と動物名を取得
  4. 最初の動物(位置0)は「限定」、それ以外は「通常」として表示

ちなみに、status = "限定" if i == 0 else "通常"は、条件に応じて値を設定する便利な書き方です。

この書き方を、三項演算子(条件演算子)といいます。

メリットとして次のような点が挙げられます。

  • if-else文の短縮形として使える
  • 1行で済むため、コードがすっきりして読みやすくなる
  • 変数への代入が簡潔にできるため、処理の流れが分かりやすい

まとめ

Pythonのlist型は、複数のデータを効率的に管理できる基本的なデータ構造です。この記事では、基本的な使い方から実際の活用例までくわしく解説しました。

list型の活用場面を簡単に振り返ってみましょう。

list型が活躍する場面

  • 関連するデータをまとめて管理したいとき
  • データの追加や削除が頻繁に発生するとき
  • 順序を保ったままデータを処理したいとき
  • 複数の項目に対して同じ処理を行いたいとき
  • 動的にサイズが変わるデータを扱うとき

また、list型を使う上で重要なポイントを下記にまとめます。

重要なポイント

  • 角括弧[ ]でリストを作成し、カンマで要素を区切る
  • インデックス番号は0から始まる
  • append(), remove(), insert()などのメソッドで要素を操作する
  • for文と組み合わせて全要素を処理できる
  • in演算子で要素の存在確認、エラーの予防ができる
  • len()で要素数を取得できる

初めてPythonを学ぶ方も、この記事で紹介したlist型の基本的な使い方を実際にコードを書いて試してみてください。複数のデータを管理する処理は日常的なプログラミングで頻繁に使用されるため、しっかりとマスターしておくことが大切です。

まずは簡単な例から始めて、徐々に複雑なデータ管理にも挑戦してみましょう。データ数が多くなればなるほど、list型の真価に気付けるかもしれません。

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