Pythonのwhile文完全ガイド!基本から実用例まで初心者向けに解説

この記事のポイント

この記事では、Pythonのwhile文について基礎から応用まで詳しく解説します。以下の内容を理解できるようになります。

  • while文の基本構文と条件式の評価方法、ループの仕組みを理解し、思い通りに使えるようになる
  • 無限ループの仕組みとbreak文を使った適切な抜け方、よくあるミスの回避方法を習得する
  • break・continueを使ったループ制御を、実際のプログラムで使える具体的なコード例から学ぶ

目次

Pythonのwhile文とは?基本構文と使い方

while文は、指定した条件が満たされている間、同じ処理を繰り返し実行し続けるPythonの制御文です。

for文とは異なり、条件式がTrueである限り処理を続けるため、柔軟なループ処理が可能になります。以下では、while文の基本的な書き方と、条件式がどのように評価されるのかについて詳しく解説します。

【関連】
Pythonをもっと詳しく学ぶならpaizaラーニング

while文の基本構造

while文の基本的な構文は「while 条件式:」で始まり、その後にインデント(字下げ)されたコードが続きます。この条件式がTrueである間、インデントされた部分のコードが繰り返し実行されます。

インデントは通常、スペース4つで統一されており、Pythonではこのインデントが処理のまとまりを示す大事な役割を果たします。条件式には、>や<などの比較演算子や、andやorなどの論理演算子を使った式を書くことができます。

count = 1 while count <= 3: print(f"カウント: {count}") count += 1

出力結果

カウント: 1
カウント: 2
カウント: 3

条件式の評価とループの流れ

while文では、まず条件式が正しいかどうかが評価され、結果がTrueならインデントされた処理のまとまりが実行されます。処理が完了すると、再び条件式に戻って評価が行われます。この流れを繰り返していき、条件式がFalseになった時点でループから抜け出し、次の処理に移ります。

while文を使う際には、ループの中で、条件式に影響する変数を適切に更新することが重要です。もし更新を忘れると、ずっと終わらない無限ループになってしまう危険があります。条件式にはTrueかFalseを返すものであれば何でも使用でき、空のリストや数字の0なども条件として使えます。

animals = ["ネコ", "イヌ", "ウサギ"] index = 0 while index < len(animals): print(f"動物{index + 1}: {animals[index]}") index += 1 print("すべての動物を表示しました")

出力結果

動物1: ネコ
動物2: イヌ
動物3: ウサギ
すべての動物を表示しました

作成時に注意したい無限ループとは?

無限ループは、条件式が常にTrueのままで、プログラムが永遠に動き続ける状態を指します。一方で、この無限ループをわざと作成し、特定の条件になったらbreak文を使って抜ける手法は実際のプログラムでよく使われます。

ここでは無限ループの正しい活用法と注意すべき点について解説します。

trueの使いどころと注意点

while Trueを使った無限ループは、ユーザーからの入力を待ち続ける処理や監視処理、サーバのープログラムなどで頻繁に使用されます。この書き方では条件式が常にTrueなので、必ずbreak文やreturn文でループを抜ける仕組みを作っておく必要があります。

上手く使えば、ユーザーが特定の文字を入力するまで処理を続けたい場合や、外部からの信号を待機する場合など、終了条件が複雑なループ処理を分かりやすく記述できます。ただし、break文を書き忘れるとプログラムが停止しなくなるため、コードを設計する段階で、ループを終わらせる条件を明確にしておくことが重要です。

無限ループを抜ける方法(breakの活用)

break文は今実行しているループを即座に終了させるための機能で、無限ループであるwhile True構文と組み合わせてよく使われます。if文と併用することで複数の終了条件を設定するなど、複雑な制御が可能です。ただし、ループが何重にもなっている場合、break文は1番内側のループだけを終了させる点に注意が必要です。

また、break文が実行されると、ループの中に残っている処理はスキップされ、ループの直後にある次の処理に移ります。適切な場所にbreak文を配置することで、効率的で読みやすいコードが書けます。さらに、エラーが発生したときなど、異常を検知した際に、プログラムを安全に終わらせるための処理としても活用できます。

count = 0 while True: count += 1 if count > 3: print("ループを終了します") break print(f"ライオンが{count}回鳴きました")

出力結果

ライオンが1回鳴きました
ライオンが2回鳴きました
ライオンが3回鳴きました
ループを終了します

無限ループでのよくあるミス

無限ループで最も多いミスは、break文の記述忘れや条件分岐の論理エラーです。条件式でand演算子を使う際に、すべての条件を満たせない状況を作ってしまい、ループが止まらなくなることもよくあります。また、ループ内でCPUに負荷がかかる処理を行う際は、適切な待機時間を設けないとシステムに負荷をかけてしまいます。デバッグする時には、ループ内にprint文を配置して処理の流れや変数がどうなっているかを確認することが重要です。

さらに、ファイルやネットワークといった外部リソースにアクセスする際は、適切なエラーハンドリング(エラーを検出し、適切な処理をする)を行わないと予期しない無限ループになってしまう可能性があります。開発環境ではプログラムを強制的に終了させる方法を把握しておくことも大切です。

# 危険な例:break条件が不適切 count = 0 while True: print(f"パンダが{count}回踊りました") count += 1 if count < 0: # この条件は永続的にFalse break # 実行されない

※上記コードをそのまま実行すると、無限ループとなるためエラーとなります。正しく実行するためには、if文の中の条件を変更してください。

break・continueでループを制御しよう

while文では、break文でループを終了させるだけでなく、continue文を使って特定の処理だけをスキップして、次のループに移ることも可能です。これらの制御文をうまく使い分けることで、より柔軟で効率的なループ処理ができるようになります。ここでは、break文とcontinue文の違いと、具体的な活用方法について説明します。

breakの基本と応用

break文はループをその場で終わせるのが基本的な役割ですが、これを応用すると、複数の条件を組み合わせた複雑な終了処理も実現できます。例えば、特定の値が見つかった場合やエラーが発生した場合など、さまざまな状況でループを抜け出せます。if文をネスト(入れ子)して組み合わせることで、段階的に条件をチェックしていくような処理もできます。

また、break文をフラグ変数と組み合わせることも便利です。フラグ変数に特定の値を入れておけば、ループの外で終了した理由を判断することもできます。break文を関数内で使っても、その関数全体の処理を終了させるわけではなく、あくまでそのループのみ終了することを理解しておきましょう。例外処理と組み合わせて使用する際は、try-except文を適切に配置する必要があります。

animals = ["ネコ", "イヌ", "ゾウ", "ライオン"] target = "ゾウ" index = 0 while index < len(animals): if animals[index] == target: print(f"{target}を{index + 1}番目で発見しました!") break index += 1

出力結果

ゾウを3番目で発見しました!

continueとの違いと注意点

continue文はbreak文と異なり、ループそのものを終了させるのではなく、今行っている処理だけをスキップして次のループに進みます。つまり、continue文より後の処理は実行されませんが、while文の条件式の再評価は行われます。この違いを正しく理解していないと、プログラムが期待通りに動かないことがあるので注意しましょう。

continue文を使用する際は、ループの回数を数える変数を更新するタイミングに注意が必要です。continue文よりも前にカウンタを更新しないと、無限ループに陥る危険があります。また、continue文は特定の条件に合わない要素だけを処理から除外したい場合や、エラーが発生した要素をスキップして処理を続けたい場合によく使われます。デバッグ時には、continue文によって何回処理がスキップされたかも確認するとよいでしょう。

count = 0 while count < 5: count += 1 if count == 3: print("トラは休憩中です") continue print(f"トラが{count}回ジャンプしました")

出力結果

トラが1回ジャンプしました
トラが2回ジャンプしました
トラは休憩中です
トラが4回ジャンプしました
トラが5回ジャンプしました

while文の実用例

ここからは、実際のプログラミングでwhile文がどのように活用されているのか、コード例とともに見ていきましょう。数字当てゲームやデータ処理など、さまざまなシーンでwhile文を使った、実践的なプログラムを5つのパターンに分けて解説します。

各例を通して、どのように条件を設定し、ループを制御するかなど、実際の開発で役立つテクニックが学べます。これらのコードを参考に、while文がどれだけ柔軟で実用的かを理解し、自分のプログラムに活かしてください。どの例も初心者が理解しやすいよう、コメントと詳細な説明を付けています。

リスト要素の検索

リストから特定の要素を見つけるまで検索を続ける処理です。

zoo_animals = ["ライオン", "ゾウ", "キリン", "シマウマ"] search_animal = "キリン" dummy_animal = "カンガルー" index = 0 while index < len(zoo_animals): if zoo_animals[index] == search_animal: print(f"{search_animal}は{index + 1}番目にいます") break index += 1 else: print(f"{search_animal}は見つかりませんでした") while index < len(zoo_animals): if zoo_animals[index] == dummy_animal: print(f"{search_animal}は{index + 1}番目にいます") break index += 1 else: print(f"{dummy_animal}は見つかりませんでした")

出力結果

キリンは3番目にいます
カンガルーは見つかりませんでした

データ処理とフィルタリング

リストの要素を順次処理し、条件に合うものだけを抽出する処理です。

all_animals = ["ネコ", "イヌ", "ゾウ", "ライオン", "クマ", "ハチ", "カ"] large_animals = [] index = 0 while index < len(all_animals): animal = all_animals[index] if len(animal) >= 2: # 2文字以上の動物名 large_animals.append(animal) index += 1 print(f"2文字以上の動物: {large_animals}")

出力結果

2文字以上の動物: ['ネコ', 'イヌ', 'ゾウ', 'ライオン', 'クマ', 'ハチ']

よくある質問(Q&A)

Q: 無限ループになってしまった場合の対処法は?

A: 無限ループが発生した場合は、Ctrl+C(WindowsやLinux)またはCmd+C(Mac)でプログラムを強制終了できます。無限ループを避けるには、必ずwhile文内で条件を変更する処理を含めることが重要です。デバッグ時は条件の変化を確認しましょう。

Q: for文との使い分けはどうすればいい?

A: 繰り返し回数が事前に分かっている場合はfor文、条件によって繰り返し回数が変わる場合はwhile文を使用します。リストの全要素を処理する場合はfor文が適していますが、特定の条件まで処理を続ける場合はwhile文が最適です。

Q: while文の条件式で複数の条件を使うには?

A: and、or、notなどの論理演算子を使用して複数の条件を組み合わせることができます。andは全ての条件がTrueの時、orはいずれかの条件がTrueの時に繰り返し処理が継続されます。条件が複雑になる場合はカッコで優先順位を明確にしましょう。

Q: ループ内で変数が正しく変更されているか確認するには?

A: print()文を使用してループ内の変数の値を表示することで、変数の変化を追跡できます。デバッグの基本的な手法です。また、変数の初期値と変更のタイミングを意識することで、期待通りに動作しているか確認できます。

sheep_count = 10 while sheep_count > 0: print(f"羊の数: {sheep_count}") # デバッグ用出力 sheep_count -= 3 print(f"処理後の羊の数: {sheep_count}") # 変更後の確認

まとめ

while文は特定の条件が満たされている間、同じ処理を繰り返し実行する、Pythonの基本的な制御構造です。for文との違いを理解して使い分けることが重要になります。特に無限ループと、break文でそのループを制御するテクニックは、実際のプログラム開発で頻繁に使われます。

ポイント

Python while文の学習で特に重要なポイントを以下にまとめました。

  • 基本構文は「while 条件式:」で、インデント(字下げ)が重要となる
  • 無限ループの対策として、break文とcontinue文を使い分けることが必須
  • 条件式に関わる変数を適切に更新することで、意図しない無限ループを回避できる
  • 実用的な場面では、入力データの検証やデータ処理で頻繁に使われる
  • デバッグする時には、処理がどう動いているかを確認する仕組みがあると便利

条件式がいつ評価されるかや、ループ変数がいつ更新されるかをきちんと理解すれば、より複雑なプログラムも作れるようになります。continue文を組み合わせることで、効率的にデータを処理することも可能です。また、エラーが起きた時の処理(エラーハンドリング)も考えておくことで、堅牢なプログラムを構築できます。

今回紹介した実用例を参考に、さまざまなプログラムでwhile文を活用してみてください。プログラミングスキルをさらに向上させたい方には、実際にコードを書きながら学べるpaizaラーニングでの学習をおすすめします。動画講義と実践的な演習問題で、効率的にPythonの理解を深められるでしょう。

レベルを更に上げたい方はpaizaプログラミングスキルチェックへ

  1. paizaラーニングトップ
  2. ナレッジ
  3. Pythonのナレッジ記事一覧
  4. Pythonのwhile文完全ガイド!基本から実用例まで初心者向けに解説