AIエンジニアの年収はどれくらい?未経験から高収入を目指すキャリア戦略

この記事のポイント

AIエンジニアとは、人工知能(AI)を使ってシステムやサービスを開発するエンジニアです。この記事では、以下のポイントに沿ってAIエンジニアの年収を解説しています。

・AIエンジニアの平均年収・スキル別の収入差を解説

・生成AI・MLOpsなど、年収アップにつながる実務スキルを整理

・未経験から転職を成功させる学習ルートを紹介

近年のAIブームにより注目が高まる一方、「実際の年収はどのくらい?」「どうすれば収入を上げられるの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、最新データと求人動向をもとにAIエンジニアの年収や将来性を整理し、未経験から高収入を目指すためのポイントを紹介します。

AIエンジニアを目指す方はもちろん、今後のキャリアでAIスキルをどう生かすか考えたい方も参考にしてください。

目次

AIエンジニアとは?仕事内容と役割

AIエンジニアは、AIモデルの開発からシステム実装まで幅広く関わる職種です。ここでは、実際の仕事内容やデータサイエンティストとの違い、AIエンジニアが求められる業界の傾向を解説します。

【関連】
生成AI超入門 プロンプトエンジニアリングの基礎 ChatGPT編

AIエンジニアの主な仕事内容

AIエンジニアは、端的にいうと「AI技術を使って課題を解決する仕組みを作る職種」です。

AI開発の流れはやや複雑ですが、ここでは大きく「課題の整理」「データの分析」「モデルの構築」「実装・運用」の4つに分けて見ていきましょう。

工程

主な仕事内容

課題の整理

解決したい課題を明確にし、AIを導入する目的や範囲を決める。業務フローや必要なデータを洗い出し、開発方針を定める。

データの分析

AIの学習に使うデータを集め、欠損やノイズを補正して分析に適した形に整える。

モデルの構築

機械学習や深層学習を用いてAIモデルを作成し、データをもとに学習させる。精度を確認しながら最適なモデルを調整する。

実装・運用

学習済みモデルをシステムやアプリケーションに組み込み、実際に稼働させる。運用後も精度を監視し、再学習や改善を行う。

以上のように、AIエンジニアはAIの企画から開発・運用まで一連の工程に関わる専門職です。単に技術を扱うだけでなく、ビジネス課題の理解力やデータを読む力も求められるでしょう。

また、各工程ではチーム内でデータサイエンティストやエンジニア、企画担当者などと連携しながら進めることが多く、技術とビジネスを橋渡しする役割も担います。

AIエンジニアとデータサイエンティストの違い

AIエンジニアとデータサイエンティストはよく同列に語られることが多い職業です。

どちらもデータを扱う点は共通していますが、担当する工程が異なります。

データサイエンティストは「データを分析して課題を導く職種」、AIエンジニアは「AIモデルを設計・実装して仕組みを作る職種」です。2つの職種の違いを以下にまとめました。

AIエンジニア

データサイエンティスト

主な役割

AIモデルを設計・開発し、業務で使える形にする

データを分析し、ビジネス課題の発見・改善提案を行う

求められるスキル

Python・機械学習・MLOps・クラウド構築

統計・データ分析・可視化・ビジネス理解

活躍分野

IT、製造、医療、金融など幅広い開発現場

マーケティング、経営企画、金融、研究開発など

年収傾向

高度な開発スキルが評価されやすく、上級層で高収入

企業規模による、分析専門職ではやや安定型

AIエンジニアは、機械学習やシステム開発の知識が必須で、技術力が収入に直結しやすい職種です。一方、データサイエンティストはビジネス理解力や分析力が評価され、経営戦略に近い立場で活躍するケースも多く見られます。

年収面では、AIモデルの実装や運用まで担えるAIエンジニアのほうが、平均年収が高い傾向にあります。中でもマネジメント能力が求められるリーダー職や、AIを継続的に運用するための技術であるMLOpsに強い人材には、高い年収が提示されることが少なくありません。

どちらの職種もデータ活用を軸としており、キャリアの中で分析と開発の両方を経験しながらスキルを広げる人も多くいます。

【参考】job tag データサイエンティスト

AIエンジニアが活躍する業界・企業の傾向

AIエンジニアは、データ分析や自動化のニーズがある業界での活躍が目立つ傾向です。特にIT・製造・金融・医療分野で導入が進んでいます。

例えば製造業では、画像解析AIによる不良品検知や生成AIを用いた設計支援など、品質管理と開発効率の向上に役立てています。金融分野では、不正取引検知や信用スコア分析、AIチャットボットによる顧客対応の自動化など、リスク管理と業務効率化の両立が進んでいます。

医療業界においても画像診断支援や創薬研究でAIを活用し、IT業界やサービス業では、生成AIによる文章・画像生成やカスタマーサポートの自動化などが一般化しています。

このように、AI技術は業種を問わず活用が進んでおり、AIエンジニアは企業のDX推進を支える中核的な存在です。

AIエンジニアの平均年収

AIエンジニアは、データサイエンスや生成AIなどの最先端領域を扱う職種のため、全体的に高い報酬水準となっています。一方で、経験年数や担当範囲によって年収の幅も大きいのが特徴です。

最新の統計や求人データから、AIエンジニアの平均年収を詳しく見ていきましょう。

AIエンジニアの平均年収データ

AIエンジニアの平均年収は、厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると2025年10月時点で約628.9万円とされています。

この数値は、AIエンジニアとしてのキャリア初期〜中堅層を含む全国平均です。AI領域は新しい分野で、AI開発に携わっていても報酬がまだ一般的なエンジニア職水準に留まるケースも多く、今後の市場拡大に応じて水準が上がっていく段階にあります。

また、全体を見るとスタートアップや研究開発職などでは年収の幅が広い傾向です。

実際、求人情報を見ると500万円台から1,000万円超まで幅広く提示されており、スキルセットや担当領域によって年収が大きく変わっています。

【参考】job tag AIエンジニア

経験・スキル別の年収差

AIエンジニアは、経験年数やスキルレベルによって年収差が大きい職種です。

厚生労働省「jobtag」のデータによると、経験0年では月収約31.8万円(年収換算で約380万円)ですが、15年以上の経験者では月収48.3万円(年収換算で約580万円)と、経験年数に応じて着実に上昇しています。

さらに、ITスキル標準(ITSS)でのレベル別では、レベル1〜2で420〜620万円、レベル5以上では600〜950万円と幅がある点が特徴です。スキルや担当範囲が広がるほど報酬レンジも上がり、特にAIモデルの設計やMLOps対応ができる上級エンジニアは高収入を狙いやすい傾向にあります。

この年収差を参考にすると、AIエンジニアはスキルと経験が直接評価に結びつきやすい職種だとわかります。同時に、学習や実務経験を積むことで長期的なキャリアアップが期待できるでしょう。

【参考】job tag AIエンジニア

企業規模・業界による給与の違い

AIエンジニアの年収は、企業規模や事業領域によっても差があります。

  • 大手・コンサル系:安定した高水準、700〜1,000万円台が中心
  • AI特化ベンチャー:成果報酬やストックオプション制度などで、600〜1,200万円と幅広い
  • 自社サービス・SIer系:実装・運用中心で、500〜800万円前後

大手企業やコンサルティングファームでは、AI基盤の構築や戦略立案など上流工程を担うことが多く、年収700〜1,000万円前後の求人が見られます。

一方、AI技術を専門とするスタートアップでは、研究開発や生成AIなどの最先端領域を扱うこともあり、600〜1,200万円程度と幅があります。成果に応じた報酬やストックオプション(将来の株を割安で取得できる制度)を導入する企業もあり、会社の成長に伴って収入が大きく伸びるケースもあります。

また、システム開発会社や自社開発企業では、業務効率化やAIサービス導入などの実装業務が中心で、500〜800万円前後が一般的です。

AIエンジニアを含む情報通信業全体でも、平均年収は約630万円(厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」)と、全産業平均を上回る水準です。

AI分野は、特に報酬の伸びが期待できる領域といえるでしょう。

【参考】令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況

AIエンジニアの将来性と求人動向

ChatGPTや画像生成AIの登場以降、AI技術は身近な存在となり、企業でも導入が一気に進んでいます。それに伴い、AIを活用できる人材へのニーズが高まりつつあるといえるでしょう。

ここからはAI市場の拡大とともに変化するAIエンジニアの役割、求人動向について解説します。

AI市場の拡大と人材需要の高まり

AI市場は急速に拡大しており、それに伴ってAIエンジニアの需要も年々高まっています。

ChatGPTなどの生成AIが登場して以降、企業によるAI技術の導入が進み、今ではAIは業務効率化や新規サービス開発には欠かせない技術です。

矢野経済研究所の2025年調査によると、生成AIを導入している国内企業は1年間で9.9%から25.8%へと急増しています。導入企業のうち半数以上が「一定の効果を実感している」と回答しており、AI活用の有効性が実証されつつあります。

一方で、企業固有の業務に最適化するには専門知識を持つ人材も不可欠です。AIエンジニアは設計・開発・運用を担う重要な役割を持っています。

以上のように、AI市場の拡大と導入企業の増加を背景に、AIエンジニアは今後さらに多様な業界で求められる職種といえるでしょう。

【参考】矢野経済研究所 国内生成AIの利用実態に関する法人アンケート調査を実施(2025年)

自動化時代におけるAIエンジニアの価値

AIによる自動化が進む今、AIエンジニアの仕事は「AIに代わられる」どころか、むしろ重要性を増しています。

最近では「AIがコードを書く」「AIがAIを設計する」といった技術も登場していますが、AIが正しく判断するためには、学習データの設計や倫理的な制御、人間による最終チェックが欠かせません。

例えばAIが生成したコードやアルゴリズムをそのまま使うと、品質やセキュリティを保証できないケースもあります。

また、AIの判断に偏りがないか、業務のルールや法律に沿っているかを確認するのも人間の役割です。

このように、AIを「どう活かすか」を設計できる人材の価値は今後さらに高まるでしょう。

AIエンジニアはAIと人間をつなぐ橋渡し役として、ビジネスと技術の両面で欠かせない存在です。

【関連】プロンプトエンジニアリングを徹底解説!生成AIを操るコツや関連資格、仕事の年収などを紹介

転職・求人市場の最新トレンド

AIエンジニアの求人は、トレンドの変化が早いのが特徴です。

近年はAIを活用する業界が広がり、求められるスキルもどんどん高度化しています。

求人内容を参考にすると、ChatGPTに代表されるLLM(大規模言語モデル)を扱う求人が増えており、研究から開発・運用まで一貫して担える人材が求められています。

共通スキルにはPython・機械学習・クラウド(AWSやAzure)などが挙げられ、これらはAI開発の基礎的な環境です。さらに、自然言語処理(文章を理解するAI)や画像認識、MLOpsなどの経験があると、年収800万〜1,200万円クラスを狙いやすくなります。

一方で、製造・土木・人材など、これまでIT化が進みにくかった分野でもAI導入が広がり、未経験者向けやジュニア層の求人も増加傾向です。

リモート勤務やフレックスタイム制など柔軟な働き方を導入する企業も多く、特にスタートアップではフルリモートでAI開発を進めるケースが見られます。

転職市場から見ると、AIエンジニアは高い専門性と社会課題を解決する力の両方を求められる職種へと進化しているのが特徴です。

AIエンジニアに求められるスキルセット

AIエンジニアは、AIモデルの設計・開発・運用を通してビジネス価値を生み出す専門職です。

そのためにはプログラミング技術だけでなく、幅広いスキルが求められます。

実際の求人でも頻出する主要スキルを4つに分けて紹介し、それぞれの役割や身につけ方を解説します。

プログラミングスキル(Python・SQLなど)

AIエンジニアにとって、基本スキルとなるのがプログラミングです。

特にPythonとSQLはAI開発・データ活用の両面で欠かせないスキルセットであり、ほとんどの求人で必須条件として挙げられています。

以下にその他求められるプログラミングスキルをまとめました。

言語

主な用途・特徴

Python

機械学習・深層学習の標準言語

TensorFlowやPyTorchなど主要ライブラリの多くが対応

SQL

データベースからの抽出・集計・前処理に使用

AIモデルの学習データ作成で必須

Java/C++

高速処理や既存業務システムとの連携を行う際に利用される

JavaScript/TypeScript

AIモデルをWebアプリやチャットボットなどのサービスに組み込む際に使用

近年の求人を見ると、AI開発ではPythonやSQLに加えて、クラウド環境やMLOpsに関するスキルも重視されるようになっています。例えばDockerやBashスクリプトなどを使えると、AIモデルを自動で動かす環境を整えやすく、企業からの評価も高まります。

また、AIを実際のサービスに活かす段階(PoC=実証実験やWeb実装)では、TypeScript・Node.js・Goといった開発言語を扱う求人も増えています。

つまりAIエンジニアは「Pythonを中心にしつつ、開発から運用まで見通せるスキルを組み合わせる」ことで、より高い市場価値を発揮できるといえるでしょう。

機械学習・深層学習の実践スキル

AIエンジニアには、機械学習や深層学習(ディープラーニング)を実務レベルで扱えるスキルが求められます。これらはAI開発の根幹であり、データから価値を引き出すための大切な工程です。

AIモデルの開発では「理論を知っている」だけでなく、実際にツールを使ってモデルを構築・評価できる力が重視されます。

例えば、

  • 画像認識ではCNN(畳み込みニューラルネットワーク)
  • テキスト処理ではBERTやLLM(大規模言語モデル)

など、用途に応じたアルゴリズムやライブラリを使い分ける必要があります。

また、Google Vertex AIやAzure Machine LearningなどのAutoML・クラウドAIサービスを活用するケースも増えており、モデル構造や学習プロセスの理解が欠かせません。

以上のように、AIエンジニアには「AIを使う」だけでなく、AIを設計・評価・改善できる力が求められます。

クラウド・MLOpsの知識

AIモデルを開発したあと、実際に運用・改善していくフェーズではクラウドとMLOpsの知識が欠かせません。この2つはAIを「動かす力」であり、AIエンジニアの中でも収入差を生む要素となっています。

AWS、GCP、Azureといったクラウド環境では、モデルを安全かつ効率的に運用するための仕組み(データパイプラインや自動スケーリングなど)が整備されています。実務では、これらを使いこなして学習環境を構築・監視できるスキルが求められます。

MLOpsは、AIモデルの再学習や自動デプロイ、CI/CDなどを通じて開発から運用までを自動化する仕組みです。モデルの品質を安定的に保ちながら継続的に改善できるため、実務での需要が高まっています。

クラウドとMLOpsの両方を理解しているAIエンジニアは、システム全体を設計できる「フルスタックAI人材」として評価されやすく、年収アップにも直結します。

英語力・論文リサーチ力

AI分野では、英語力とリサーチ力が依然として大きな強みとなります。

新しい技術や論文は英語圏で先行発表されるため、英語の論文や技術ドキュメントを読み解ける力があると、研究成果をいち早く業務に取り入れられます。

例えばChatGPTやDiffusionモデルなどの生成AI技術も、海外論文を基にした研究成果から発展したものです。AIエンジニアはそれらを実装・応用できる立場にあるため、リサーチ力がそのまま技術力や企画力の差につながります。

一方で、AI技術が発達した現在ではChatGPTなどを使って情報を要約することも可能です。しかし、内容を正確に解釈し、コードレベルで応用するには、一定の英語理解が欠かせません。

AI技術は日々進化しているため、英語での情報収集や論文リーディングは、長期的なキャリア形成でも役立ちます。

未経験からAIエンジニアになるには

これまで解説した通り、AIエンジニアは高度な専門スキルを要する職種ですが、未経験からでも目指せます。近年はオンライン講座や学習ツールが充実しており、独学や職業訓練を経て転職を成功させる人も増えています。

ここでは、未経験者がAIエンジニアを目指すうえで押さえておきたい基礎知識と学習ルート、転職時に評価される実務スキルを紹介します。

AIエンジニアに必要な基礎知識

AIエンジニアを目指すうえでは、数学・プログラミング・AI理論の3つが基礎知識の柱となります。

数学では、統計学や線形代数の基礎理解が重要です。AIはデータを数値化して最適なパターンを学習する仕組みのため、確率やベクトル・行列の計算を理解しておくと、モデルの挙動をより正確に把握できます。

プログラミングは、先ほど紹介したとおりPythonが主流になります。まずはNumPyやPandasといったライブラリでデータを扱う練習をして、SQLでデータを抽出するスキルも身につけておくと良いでしょう。

AI理論では、機械学習や深層学習の基本的な仕組みを押さえておくことが大切です。AIがどのように学習して結果を導くのか理解しておくと、今後のスキル習得がスムーズになります。

これらの基礎を一通り学んでおくことで、ハードルが高く感じられがちなAIエンジニアの学習も計画的に進めやすくなります。

未経験者が学びやすい学習ルート

AIエンジニアの学習ルートは大まかに「独学」「オンラインスクール」「実務インターン」の3つがあります。

独学では、書籍やYouTube、学習サイトを活用して基礎を身につけます。コストを抑えて進められる反面、つまずいたときに継続しづらいのがデメリットです。

オンラインスクールは、体系的に学びたい人に向いています。講師や教材のサポートを受けながら学べるため、独学でつまずきやすい部分を補えます。

最近では実践演習を重視した講座も多く、PythonやAIの実装スキルを手を動かしながら学べる「実務と似た環境」が整っており、AIエンジニアの学習との相性が良い点もポイントです。

paizaラーニングの「Python×AI・機械学習入門編」では、PythonとJupyter Notebookを使って画像分類や話者認識のAIを実際に作りながら学べます。

NumPy、Pandasなどの主要ライブラリを使った演習を通じて、データ処理からモデルの学習・評価までの一連の流れを実践的に体験できます。Pythonの基礎を身につけている方なら、入門ステップとしてオススメです。

【関連】paizaラーニング Python×AI・機械学習入門編

実務インターンは、企業での開発補助やデータ分析業務を通して実践的に学ぶ方法です。現場経験を積める点がメリットですが、応募条件として一定のプログラミング力が求められることもあります。

学習を始める段階では、paizaラーニングなどのオンライン教材で基礎を固め、その後に実務経験を積んでいく流れが効率的といえます。

転職時に求められる実務スキル

未経験からAIエンジニアを目指す場合、実務経験がないぶん「学んだ内容を形にして見せる力」が重要になります。そのため、実務スキルの代替としてポートフォリオやGitHubの活用が転職成功のポイントです。

ポートフォリオでは、学習した内容をもとに小規模なAIモデルを構築し「どんな課題を解決したか」「どのように改善を重ねたか」を整理してまとめましょう。Kaggleなどのコンペ参加記録や、Jupyter Notebookでの分析レポート公開経験などがオススメです。

また、GitHub上でコード管理やREADMEを整えておくと、開発フローやドキュメント作成のスキルもアピールできます。

AIエンジニアは技術力だけでなく、成果を共有しチームで改善していく姿勢も重視される職業です。

実務経験がなくても、継続的なアウトプットをポートフォリオやGitHubで証明できれば、十分に評価されます。

AIエンジニアのキャリアパスと昇給のポイント

AIエンジニアは経験を積むほどにAIプロジェクト全体を設計・リードする立場へとステップアップしていきます。

ここでは、AIエンジニアがどのように専門性を高め、昇給やキャリアアップを実現していくのかを見ていきましょう。

専門職への成長ステップ

キャリアは担当できる業務の幅や専門性の深さによってステップアップしていきます。

以下は、代表的な成長イメージの一例です。

入門・ジュニア層

データ整形や既存モデルの改良など、AI開発の基礎工程を担当

小規模なタスクを通じて実務経験を積む

中堅層(AIエンジニア)

モデル構築や運用の主担当として、MLOpsやクラウド環境も扱える段階

プロジェクトへの貢献度が上がる分、評価や待遇も上昇傾向に

上級層・リーダー職

AIプロジェクト全体の設計・推進を担い、チームを導く立場

マネジメントや課題解決のスキルが求められる

専門職・研究職・アーキテクト層

生成AIやLLMなどの最先端技術をリード、企業全体のAI戦略に関わるポジション

キャリアの形には決まったパターンはなく、技術を極めるスペシャリストとしての道もあればマネジメントや事業戦略に携わる道もあります。

いずれの場合も、スキルの幅と深さを広げるほどキャリアの選択肢が増え、年収にも反映されやすくなるのがAIエンジニア職の特徴です。

ステップアップに求められる実務スキル

ステップアップには技術力の向上だけでなく、プロジェクト全体を見渡す実務スキルも求められます。

技術面では、MLOpsやクラウド環境の運用スキルが重要です。AIモデルを開発するだけでなく、学習データの管理やリリース後のモニタリングまでを担えると、市場価値が高まります。また、LLMや生成AIなど新しい技術を柔軟にキャッチアップできる姿勢も欠かせません。

一方、上位職ではマネジメントスキルが重要視されるのが特徴です。AIプロジェクトは多職種で進行するため、課題設定やKPI設計、チーム間での調整力・コミュニケーション力が求められます。

さらにリーダー職以降では、倫理・法規制への理解や成果を正確に伝えるドキュメンテーション力も評価軸となりがちです。この点にも注目しておきましょう。

このように、AIエンジニアのキャリアを伸ばすには「技術を磨く力」と「チームを動かす力」の両方が必要です。どちらのスキルも、昇給・昇格の分かれ目になります。

副業・フリーランスとしての働き方

AIエンジニアは専門性が高く、フリーランスや副業としても活躍しやすい職種です。

ここでは、独立を目指す際の仕事の探し方や注意点を紹介します。

副業案件の探し方と相場感

副業を始める場合は、まず本業と両立しやすい小規模な案件から取り組むのが一般的な流れです。

週1〜2日・数時間の稼働で対応できる案件も多く、内容としては「データ整備」「分析サポート」「既存モデルの改修」など、開発全体ではなく部分的な工程を担うケースが中心となっています。

副業案件の探し方はクラウドソーシングサイト、マッチングサービスを通じた方法が主流です。

募集要件は「Pythonが扱える」「scikit-learnなどのライブラリ経験あり」といったレベルからスタートできるものもあります。

報酬の相場感としては、求人を参考にすると時給3,000〜10,000円程度の案件が多くなっています。単価にはかなり幅がありますが、これは要件定義から運用まで一貫して対応できるスキルや、LLM・画像・音声分野などの専門知識、MLOpsの実務経験といった要素によって多寡が決まります。

フリーランスとして活動する際のリスクと準備

AIエンジニアは独立しても活躍しやすい職業の一つです。フリーランスになれば働く場所や時間を自由に選べ、高収入を目指すことも可能です。

一方で、案件が常にあるとは限らず、契約終了のタイミングで収入が途切れるリスクもあります。さらに案件獲得のための営業や見積り交渉、確定申告など、本業以外の業務もすべて自分で行わなければなりません。

こうした不安定さを避けるためには、独立前に3〜6か月分の生活費を蓄えておくほか、ポートフォリオや実績を整え、仕事を得る仕組みを準備しておくことが大切です。

エージェントやマッチングサービスを活用して安定的に案件を確保できる体制を整え、計画的に独立を進めましょう。

よくある質問(Q&A)

Q: AIエンジニアの仕事はリモートでもできますか?

A:できます。AIエンジニアの業務は基本的にPC上で完結するため、在宅勤務やリモート案件も多くあります。データ解析やプログラミングなど、場所を選ばず進められる作業が多いため、リモートワークとの相性が良い職種といえるでしょう。

Q: AIエンジニアは理系出身でないと難しいですか?

A: 傾向としては理系出身者が多い業界ですが、文系出身でも目指すことは可能です。現在はプログラミングスクールやオンライン講座が充実しており、未経験からでも基礎から学べる環境が整っています。

Q: AIエンジニアに向いている人の特徴は?

A: AIエンジニアは、技術と探究心の両方を楽しめる人に向いています。単にプログラミングができるだけでなく、「なぜそうなるのか」を論理的に考え、仮説を立てて試すことを楽しめるタイプが活躍しやすいでしょう。また、AI分野は技術の進化が早いため、常に新しい情報を学び取り、自分のスキルに反映できる柔軟さも欠かせません。

まとめ

この記事では、AIエンジニアの年収とキャリア戦略について解説しました。

AIエンジニアは高い専門性が求められる一方で、スキルがそのまま収入や評価に直結する職種です。経験を積むほどに年収の幅が広がり、自身の努力が成果として反映されやすい点が特徴といえます。

  • AIエンジニアの平均年収は約628.9万円、スキル次第で大きく伸ばせる職種
  • 収入を上げるには基礎に加えてクラウド・MLOps・生成AIなどの実務経験を積む
  • 未経験者でも基礎学習から小規模プロジェクト制作・ポートフォリオ公開を通して転職を目指せる

AIエンジニアは今後も需要が高まる成長分野です。学び続ける姿勢と実践的なスキルを磨きながら、長期的なキャリアアップを目指しましょう。

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