C# string.Joinの使い方

この記事のポイント

C#のstring.Joinメソッドは、配列やリストの各要素を、指定した区切り文字で連結して一つの文字列を生成する機能です。

この記事を読むと、次のようなことが身に付きます。

  • 配列やリストの要素を、区切り文字を付けて効率的に結合する方法がわかる
  • CSV形式のような、区切り文字を使った文字列を簡単に作成できるようになる
  • コードがシンプルになり、読みやすさが向上する

string.Joinメソッドの正しい使い方をマスターすれば、文字列を扱う処理をより簡潔に、効率良く記述できるようになります。

目次

string.Joinとは?

C#のstring.Joinは、配列やコレクションの全要素を、指定した区切り文字を挟んで連結し、1つの文字列を生成するメソッドです。

従来の「+」演算子などを使った連結に比べてパフォーマンスが高く、特に多くの要素を結合する際に効果を発揮します。

string.Joinメソッドの特徴

  • 配列やリストなど、複数の文字列をひとつに連結する
  • 各要素の間に、指定した区切り文字を挿入できる
  • CSV形式の文字列を簡単に作成できる
  • コードがシンプルになり、読みやすさが向上する

+演算子との違い

文字列を連結するには+演算子も使えますが、たくさんの要素を連結する場合、string.Joinを使う方が効率的です。+演算子をループの中で繰り返し使うと、連結のたびに新しい文字列がメモリ上に作られてしまい、処理が遅くなる原因になります。

一方、string.Joinは、最終的な文字列の長さを先に計算し、一度の操作で連結を完了させるため、高速でメモリに優しい動作をします。そのため、複数の要素をまとめて連結するときは、string.Joinを使いましょう。

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基本構文

string.Joinメソッドには、いくつかの使い方(オーバーロード)があります。

最も基本的な構文は、第1引数に区切り文字、第2引数に連結したい配列やコレクションを指定する方法です。実行すると、各要素が連結された一つの文字列が、戻り値として返されます。

それでは、実際のコードで使い方を見ていきましょう。はじめに、文字列の配列をカンマとスペース(, )で連結するプログラムです。

using System; namespace SampleApp { public class SampleProgram { public static void Main(string[] args) { string[] animals = { "イヌ", "ネコ", "ウサギ" }; string result = string.Join(", ", animals); Console.WriteLine(result); } } }

出力結果

イヌ, ネコ, ウサギ

この例では、string.Joinの第1引数に区切り文字「,」、第2引数に配列animalsを指定しています。配列の要素がカンマ区切りで連結され、「イヌ, ネコ, ウサギ」という1つの文字列として出力されます。

次に、数値の配列をハイフン(-)で連結する例です。string.Joinは文字列以外の型の要素も自動的に文字列に変換して結合できます。

using System; namespace SampleApp { public class SampleProgram { public static void Main(string[] args) { int[] numbers = { 1, 2, 3, 4, 5 }; string joined = string.Join("-", numbers); Console.WriteLine(joined); } } }

出力結果

1-2-3-4-5

この例では、int型の配列numbersをstring.Joinでハイフン(-)区切りに連結しています。数値も自動的に文字列へ変換され、「1-2-3-4-5」という1つの文字列として出力されます。

実用例

string.Joinメソッドの実用的な使い方を、さまざまなシナリオに基づいたサンプルコードで紹介します。配列やリストの要素を効率的に結合する方法から、異なるデータ型を扱う場合の応用例まで、実際の開発現場で役立つ具体的なコード例を通じて理解を深めていきます。

各サンプルコードには詳細な説明を加えており、初心者の方でも安心して学習を進めることができます。これらの例を参考に、実際のプロジェクトでstring.Joinメソッドを活用してください。

配列の要素を結合する基本例

最もシンプルな string.Join の使用例です。文字列配列の要素をカンマとスペースで区切って結合します。この方法は CSV 形式のデータ作成や、表示用の文字列生成によく使用されます。

using System; namespace SampleApp { public class SampleProgram { public static void Main(string[] args) { string[] pets = { "ハムスター", "インコ", "キンギョ", "カメ" }; string petList = string.Join(", ", pets); Console.WriteLine("ペット一覧: " + petList); } } }

出力結果

ペット一覧: ハムスター, インコ, キンギョ, カメ

この例では、string.Joinメソッドを使ってpets配列の要素を「,」で区切りながら1つの文字列にまとめています。結合後の文字列はpetListという変数に代入し、「ペット一覧:」という見出しと一緒に出力しています。複数の要素を見やすく並べたいときや、CSV形式の文字列を作成したいときによく使われる書き方です。

リストの文字列を区切り文字で結合

List<string> コレクションの要素を結合する例です。動的に要素が追加される可能性があるリスト構造でも、string.Join メソッドは同様に機能します。

using System; using System.Collections.Generic; namespace SampleApp { public class SampleProgram { public static void Main(string[] args) { List<string> wildAnimals = new List<string> { "ライオン", "トラ", "ゾウ", "キリン" }; string animalGroup = string.Join(" | ", wildAnimals); Console.WriteLine("野生動物: " + animalGroup); } } }

出力結果

野生動物: ライオン | トラ | ゾウ | キリン

この例では、wildAnimalsというList<string>をstring.Joinメソッドの第2引数に渡しています。配列の場合と同様に、リスト内の各要素が区切り文字「|」でつながり、1つの文字列としてまとめられます。

リストは要素の追加や削除が柔軟に行えるため、動的に内容が変化するコレクションでも、この方法で簡単に結合できます。

数値配列をカンマ区切りで結合

整数型の配列を文字列として結合する例です。数値型の要素も自動的に文字列に変換されて結合されます。データの出力や設定ファイルの生成などで活用できます。

using System; namespace SampleApp { public class SampleProgram { public static void Main(string[] args) { int[] animalCounts = { 5, 12, 8, 3, 15 }; string countData = string.Join(",", animalCounts); Console.WriteLine("動物の数: " + countData); } } }

出力結果

動物の数: 5,12,8,3,15

この例では、int型の配列animalCountsをstring.Joinメソッドで結合しています。配列内の数値(5, 12, 8, 3, 15)は自動的に文字列に変換され、カンマで区切られて1つの文字列になります。

数値データをCSV形式で出力したり、ログや設定ファイルを生成したりするときに便利な使い方です。

文字配列をハイフン区切りで結合

文字型配列の要素をハイフンで区切って結合する例です。単一文字の配列でも string.Join メソッドは正常に動作し、各文字を指定された区切り文字で結合します。

using System; namespace SampleApp { public class SampleProgram { public static void Main(string[] args) { char[] animalInitials = { 'イ', 'ヌ', 'ネ', 'コ', 'ト', 'リ' }; string initials = string.Join("-", animalInitials); Console.WriteLine("動物の頭文字: " + initials); } } }

出力結果

動物の頭文字: イ-ヌ-ネ-コ-ト-リ

この例では、char型の配列animalInitialsの各要素を、string.Joinメソッドでハイフン(-)を区切り文字として結合しています。string.Joinは文字列だけでなく、文字の配列にも対応しており、結果として「イ-ヌ-ネ-コ-ト-リ」という1つの文字列が生成されます。

単一文字を区切り付きで並べたいときや、識別子・コードを組み立てるときにも応用できる方法です。

空の要素を含む配列の結合

空文字列や null 値を含む配列を結合する場合の動作例です。空の要素は空文字列として扱われ、null 値も適切に処理されます。実際のデータ処理では欠損値を含む場合があるため、重要な動作パターンです。

using System; namespace SampleApp { public class SampleProgram { public static void Main(string[] args) { string[] mixedAnimals = { "パンダ", "", "コアラ", null, "カンガルー" }; string result = string.Join(" - ", mixedAnimals); Console.WriteLine("結果: " + result); } } }

出力結果

結果: パンダ -  - コアラ -  - カンガルー

この例では、mixedAnimals配列に空文字("")とnullが含まれているため、string.Joinメソッドは、これらの要素をどちらも空の文字列として扱うため、区切り文字「-」だけが出力されます。その結果、「パンダ - - コアラ - - カンガルー」のように、値がない箇所でも区切り文字が続きます。

異なる型の要素を文字列として結合

object型配列を使用して、異なるデータ型の要素を結合する例です。各要素のToString() メソッドが自動的に呼び出され、文字列に変換されて結合されます。

using System; namespace SampleApp { public class SampleProgram { public static void Main(string[] args) { object[] animalData = { "シマウマ", 25, true, 3.14, "アフリカ" }; string dataString = string.Join(" | ", animalData); Console.WriteLine("データ: " + dataString); } } }

出力結果

データ: シマウマ | 25 | True | 3.14 | アフリカ

この例では、object型の配列animalDataに、文字列・整数・真偽値小数など異なる型のデータをまとめています。string.Joinメソッドは、各要素に対して自動的にToString()を呼び出すため、25やTrueのような値も文字列として結合されます。この仕組みを利用すれば、異なる型のデータをまとめて表示したり、ログやレポートを簡単に出力したりすることができます。

改行文字で要素を結合

改行文字を区切り文字として使用し、縦に並んだリストを作成する例です。ファイル出力やテキスト表示において、見やすい形式でデータを整理する際に便利な方法です。

using System; namespace SampleApp { public class SampleProgram { public static void Main(string[] args) { string[] marineAnimals = { "イルカ", "クジラ", "アシカ", "ペンギン" }; string verticalList = string.Join("\n", marineAnimals); Console.WriteLine("海の動物:\n" + verticalList); } } }

出力結果

海の動物:
イルカ
クジラ
アシカ
ペンギン

この例では、string.Joinメソッドの第1引数に改行文字(\n)を指定しているので、配列の要素「イルカ」「クジラ」「アシカ」「ペンギン」が、それぞれ改行されて縦に並んで表示されます。この方法を使えば、リスト形式のテキストを作成したり、ファイル出力時にデータを見やすく整形したりすることができます。

複数の単語をスペースで結合

単語の配列をスペースで結合して文章を作成する例です。テンプレート処理や動的な文章生成において、部品となる単語を組み合わせて完全な文を作る場合に活用できます。

using System; namespace SampleApp { public class SampleProgram { public static void Main(string[] args) { string[] sentence = { "大きな", "ブラウン", "ベア", "が", "森を", "歩いている" }; string fullSentence = string.Join(" ", sentence); Console.WriteLine(fullSentence); } } }

出力結果

大きな ブラウン ベア が 森を 歩いている

この例では、sentence配列の単語をstring.Joinメソッドで半角スペース(" ")を区切り文字として結合しています。その結果、複数の単語がつながって「大きな ブラウン ベア が 森を 歩いている」という1つの文が生成されます。

まとめ

C#のstring.Joinは、配列やList(リスト)に入っている複数の要素を、好きな区切り文字でつないで一つの文字列を生成する機能です。

+演算子を何度も使って連結する方法よりも、はるかに高速でメモリ効率も良いため、たくさんの要素を扱う場面で特に役立ちます。カンマ(,)や改行(\n)など、さまざまな区切り文字を指定できるので、CSVデータや整形されたリストなど、目的に合わせた文字列を簡単に作ることが可能です。

string.Joinが活躍する場面

  • CSVファイルやログファイルを作成するとき
  • Webページで使うパラメータなどを動的に結合するとき
  • 複数の設定値をひとつの文字列として保存するとき

string.Joinメソッドを使う上で、押さえておきたいポイントを覚えておきましょう。

重要なポイント

  • たくさんの文字列を連結する処理でも高速に動作する
  • 数値など、文字列以外のデータも自動で変換して連結してくれる
  • 区切り文字を自由に変えられるので、様々な形式の文字列を作れる
  • +演算子をループで使うより、コードがシンプルで読みやすくなる

初めてC#を学ぶ方も、この記事で紹介したstring.Joinメソッドを実際に書いて、基本的な使い方を試してみてください。

配列やリストの要素をまとめて文字列にする処理は、実際の開発で頻繁に登場します。マスターしておけば、コードをより簡潔で効率的に書けるようになります。

ぜひstring.Joinメソッドをマスターして、より実用的なプログラムを作成できるようになりましょう。

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