この記事のポイント
C#のint型は、整数を扱うための基本的なデータ型です。
この記事を読むと、次のようなことが身に付きます。
int型を使った変数の宣言と初期化の方法がわかる 四則演算や比較演算など、基本的な計算処理ができるようになる 条件分岐や繰り返し処理でint型を活用する方法を知る 記事を通して、int型の正しい使い方をマスターすれば、さまざまなプログラムを効率的に書けるようになります。
int型とは? C#のint型は、整数を扱うための基本的なデータ型です。データ型は、数値や文字などのデータを入れる「箱」のようなものと考えてください。int型は、その中でも整数専用の箱の役割を果たします。
intは「integer」(インテジャー)という英単語の略で、「整数」を意味します。
年齢や商品の個数、ゲームのスコアといった、小数点を含まない数値を扱う場面でよく使われます。
int型の特徴
整数を専門に扱うためのデータ型
-2,147,483,648から2,147,483,647までの数値を扱える
小数や文字を入れることはできない
C#で最もよく使われるデータ型の一つ
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基本構文 C#でint型を使用する際の基本的な構文について説明します。変数の宣言は「int 変数名;」の形式で行い、初期値を同時に設定する場合は「int 変数名 = 値;」と記述します。
using System;
namespace SampleApp
{
public class SampleProgram
{
public static void Main(string[] args)
{
int age = 25;
int count = 0;
Console.WriteLine($"変数ageには{age}が格納");
Console.WriteLine($"変数countには{count}が格納");
}
}
}
実行する
出力結果
変数ageには25が格納
変数countには0が格納
ageには25、countには0を宣言と同時に代入しています。また、複数の変数を同時に宣言することも可能です。演算子を使用した計算処理では、加算(+)、減算(-)、乗算(*)、除算(/)、剰余(%)が利用できます。
using System;
namespace SampleApp
{
public class SampleProgram
{
public static void Main(string[] args)
{
int x = 10;
int y = 3;
int sum = x + y;
int difference = x - y;
Console.WriteLine($"sum = {sum}");
Console.WriteLine($"difference = {difference}");
}
}
}
実行する
出力結果
sum = 13
difference = 7
この例では、変数xに10、yに3を代入し、それらを使って加算と減算を行っています。
sumにはx+yの計算結果である13が、differenceにはx-yの計算結果である7がそれぞれ代入され、出力されます。
実用例 ここからは、int型を使った具体的なコード例を紹介していきます。日常的なプログラミングでよく使われる場面を想定し、実際に動作するサンプルコードを用意しました。各例では、int型の特性を活かした効果的な使い方を学ぶことができます。
初心者の方でも理解しやすいよう、コードの前後に詳しい説明を記載しています。これらの例を通じて、int型の実践的な活用方法を身に付けることができるでしょう。
基本的な変数宣言と初期化 最も基本的なint型変数の宣言と初期化の方法です。 動物の年齢を管理するプログラムを作成してみましょう。
using System;
namespace SampleApp
{
public class SampleProgram
{
public static void Main(string[] args)
{
int dogAge = 5;
int catAge = 3;
int totalAge = dogAge + catAge;
Console.WriteLine($"イヌの年齢: {dogAge}歳");
Console.WriteLine($"ネコの年齢: {catAge}歳");
Console.WriteLine($"合計年齢: {totalAge}歳");
}
}
}
実行する
出力結果
イヌの年齢: 5歳
ネコの年齢: 3歳
合計年齢: 8歳
この例では、dogAgeとcatAgeという2つのint型変数を宣言し、それぞれに5と3を代入しています。次に、totalAgeという変数を用意し、dogAgeとcatAgeを足した結果を代入し、各変数の値を画面に出力しています。
四則演算の計算処理 int型を使った基本的な四則演算を実行します。 動物園で、ニンジンをウサギに分ける場面を例に、足し算、引き算、掛け算、割り算、そして余りを求めるプログラムです。
using System;
namespace SampleApp
{
public class SampleProgram
{
public static void Main(string[] args)
{
int carrots = 10; // ニンジンの本数
int rabbits = 3; // ウサギの数
// 計算
int sum = carrots + rabbits;
int difference = carrots - rabbits;
int product = carrots * rabbits;
int quotient = carrots / rabbits;
int remainder = carrots % rabbits;
Console.WriteLine($"ニンジンが{carrots}本、ウサギが{rabbits}羽います。");
Console.WriteLine($"足し算 (carrots + rabbits):{sum}");
Console.WriteLine($"引き算 (carrots - rabbits):{difference}");
Console.WriteLine($"掛け算 (carrots * rabbits):{product}");
Console.WriteLine($"割り算 (carrots / rabbits):{quotient}");
Console.WriteLine($"余り (carrots % rabbits):{remainder}");
}
}
}
実行する
出力結果
ニンジンが10本、ウサギが3羽います。
足し算 (carrots + rabbits):13
引き算 (carrots - rabbits):7
掛け算 (carrots * rabbits):30
割り算 (carrots / rabbits):3
余り (carrots % rabbits):1
この例では、carrotsに10、rabbitsに3を代入し、四則演算と余りを求める計算を行っています。足し算、引き算、掛け算は計算結果の通りです。
割り算の結果が3になっている点に注目してください。int型同士の割り算では、小数点以下は切り捨てられます。10本のニンジンを3羽のウサギに分けると、1羽あたり3本ずつとなります。%は余りを求める演算子で、10を3で割った余りである1が計算され、1本のニンジンが余ることが分かります。
条件分岐での数値判定 int型の値を条件分岐で判定する処理です。 ペットの年齢による分類を行います。
using System;
namespace SampleApp
{
public class SampleProgram
{
public static void Main(string[] args)
{
int petAge = 7;
if (petAge < 3)
{
Console.WriteLine("子どものウサギです");
}
else if (petAge < 8)
{
Console.WriteLine("大人のウサギです");
}
else
{
Console.WriteLine("シニアのウサギです");
}
}
}
}
実行する
出力結果
大人のウサギです
この例では、petAgeの値が7なので、最初の条件式である「petAge < 3(3歳未満)」には当てはまりません。次にelse if の条件式「petAge < 8(8歳未満)」が判定され、条件に当てはまるため「大人のウサギです」と表示されます。
繰り返し処理でのカウンター for文 でint型をカウンターとして使用する例です。 複数の動物の鳴き声を出力します。
using System;
namespace SampleApp
{
public class SampleProgram
{
public static void Main(string[] args)
{
Console.WriteLine("ニワトリの鳴き声:");
for (int i = 1; i <= 3; i++)
{
Console.WriteLine($"{i}回目: コケコッコー!");
}
Console.WriteLine("鳴き終わりました");
}
}
}
実行する
出力結果
ニワトリの鳴き声:
1回目: コケコッコー!
2回目: コケコッコー!
3回目: コケコッコー!
鳴き終わりました
この例では、for文のint i = 1でカウンター変数を初期化し、i <= 3で繰り返しの条件を指定しています。i++によってループのたびにiの値が1ずつ増加し、iが3になるまで処理が繰り返されます。
配列のインデックス操作 int型を配列のインデックスとして活用する方法です。 動物の名前リストから特定の動物を選択します。
using System;
namespace SampleApp
{
public class SampleProgram
{
public static void Main(string[] args)
{
string[] animals = { "ライオン", "ゾウ", "キリン", "シマウマ" };
int index = 2;
Console.WriteLine($"選択された動物: {animals[index]}");
Console.WriteLine($"動物の総数: {animals.Length}匹");
}
}
}
実行する
出力結果
選択された動物: キリン
動物の総数: 4匹
この例では、animalsという文字列 の配列を定義しています。int index = 2;で取り出したい要素の番号を指定しています。
プログラミングの配列では、要素は0から数え始めるのが基本です(0番目:「ライオン」、1番目:「ゾウ」、2番目:「キリン」)。そのため、animals[index]という形で、配列の3番目の要素である「キリン」を取得して表示しています。animals.Lengthで配列の要素数を取得できます。
最大値・最小値の比較処理 複数のint型の値から最大値を求める処理です。 動物の体重を比較して最も重い動物を特定します。
using System;
namespace SampleApp
{
public class SampleProgram
{
public static void Main(string[] args)
{
int elephantWeight = 5000;
int lionWeight = 200;
int giraffeWeight = 1200;
int maxWeight = Math.Max(
elephantWeight,
Math.Max(lionWeight, giraffeWeight)
);
Console.WriteLine($"最も重い動物の体重: {maxWeight}kg");
}
}
}
実行する
出力結果
最も重い動物の体重: 5000kg
この例では、まずMath.Max(lionWeight, giraffeWeight)でライオンとキリンの体重を比較し、大きい方(1200)を求めます。次に、その結果とゾウの体重elephantWeight(5000)をMath.Maxで比較し、最終的な最大値である5000をmaxWeightに代入しています。
入力値の型変換処理 文字列からint型への変換を行う処理です。 動物の年齢入力をシミュレーションします。
using System;
namespace SampleApp
{
public class SampleProgram
{
public static void Main(string[] args)
{
string ageInput = "12";
int animalAge = int.Parse(ageInput);
int humanAge = animalAge * 7;
Console.WriteLine($"イヌの年齢: {animalAge}歳");
Console.WriteLine($"人間換算: 約{humanAge}歳");
}
}
}
実行する
出力結果
イヌの年齢: 12歳
人間換算: 約84歳
この例では、ageInputという変数に文字列の"12"を代入し、int.Parse(ageInput)によって、文字列がint型の数値12に変換され、animalAgeに代入されます。変換後は数値として計算ができるようになり、人間換算の年齢を計算しています。
数値の範囲チェック機能 int型の値が特定の範囲内にあるかをチェックします。 動物園の適正飼育数を判定する処理です。
using System;
namespace SampleApp
{
public class SampleProgram
{
public static void Main(string[] args)
{
int pandaCount = 15;
int minCount = 10;
int maxCount = 20;
bool isValid = pandaCount >= minCount && pandaCount <= maxCount;
Console.WriteLine($"パンダの数: {pandaCount}頭");
Console.WriteLine($"適正範囲: {(isValid ? "はい" : "いいえ")}");
}
}
}
実行する
出力結果
パンダの数: 15頭
適正範囲: はい
この例では、pandaCountがminCount以上かつmaxCount以下であるかを、pandaCount >= minCount && pandaCount <= maxCountで判定しています。15は10以上かつ20以下のため、条件は真(true)となり、isValidにtrueが代入されます。条件に合致すれば「はい」、外れていれば「いいえ」と表示されます。
まとめ C#のint型は、プログラミングで整数を扱う上で欠かせない基本的なデータ型です。この記事では、基本的な使い方から実践的な応用方法まで解説しました。
int型が活躍する場面は次のようなケースです。
intが活躍する場面
ループ処理でカウンターとして使うとき
配列やリストの要素を指定するとき
条件分岐で数値を判定するとき
重要なポイント
32ビット符号付き整数で約21億の範囲を扱える
型安全性により不正な値の代入を防止できる
四則演算や比較演算子を効率的に使用可能
初めてC#を学ぶ方も、記事で紹介した内容を実際に書いて、基本的な使い方を試してみてください。
整数を扱う処理は、実際の開発で頻繁に登場します。ぜひint型をマスターして、より実用的なプログラムを作成できるようになりましょう。
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