適性検査とは?就活で使われる理由と目的
適性検査とは、企業が採用選考で応募者の能力や人柄を客観的に測るために実施するテストのことです。
適性検査は、多くが「能力検査」と「性格検査」の2つで構成されています。
面接だけでは判断しにくい基礎学力や職務適性を数値で評価する目的で、多くの企業が採用選考に導入しています。
企業が適性検査を採用選考に使う理由
適性検査は、限られた時間で多くの応募者を公平に評価するために活用されています。
特に大手企業では、書類選考の通過者が非常に多い場合もあり、適性検査が面接前の絞り込みに使われることもあります。
企業が適性検査を活用する理由は、主に以下の3つです。
・評価の客観性を担保できる
面接官の主観やバイアスなどがかかっていない、同一の基準ですべての応募者を評価できます。
・業務遂行能力の予測に役立つ
論理的思考力や計算力の高さは、入社後の業務習得スピードと相関があるとされています。
・採用コストを削減できる
大量の応募者を面接前に絞り込むことで、選考全体の効率を向上させられます。
適性検査で測られること
適性検査で測られる内容は、主に以下の4領域です。
領域 |
内容 |
代表的な問題形式 |
|---|---|---|
言語 |
語彙・読解・文章整序 |
二語の関係、長文読解 |
非言語 |
計算・推論・空間把握 |
速度算、図形問題 |
性格 |
思考傾向・行動特性 |
2択・4択などの選択式 |
英語 |
読解・語彙(一部の試験のみ) |
英文読解、語彙問題 |
なお、試験によって出題される領域は異なります。たとえばCAB・WEB-CABはIT系の職種向けに設計された内容で、「法則性」「命令表」「暗号」といった独自の科目が出題されます。
適性検査の種類一覧と特徴比較
適性検査には複数の種類があり、どの試験が実施されるかは企業によって異なります。
まずはそれぞれの特徴を把握した上で、自分が受ける試験の対策を進めましょう。
試験名 |
受検形式 |
主な出題内容 |
よく使う企業傾向 |
|---|---|---|---|
SPI |
テストセンター・Web・ペーパー |
言語・非言語・性格 |
幅広い業種・規模 |
CAB |
会場(ペーパー) |
暗算・法則性・命令表・暗号・性格 |
IT系 |
WEB-CAB |
Web |
四則逆算・法則性・命令表・暗号・性格 |
IT系 |
GAB |
会場(ペーパー) |
言語・計数・英語・性格 |
外資系・大手企業 |
WEB-GAB |
Web |
言語・計数・英語・性格 |
外資系・大手企業 |
玉手箱 |
Web |
言語・計数・英語・性格 |
外資系・大手企業 |
TG-WEB |
Web |
言語・非言語・英語・性格 |
難関企業 |
SPI(最も多い基本形)
SPIは、リクルートマネジメントソリューションズが提供する適性検査で、国内の採用選考で最も多く使われています。
言語・非言語・性格検査の3パートで構成され、受検形式は「テストセンター(会場のパソコンで受検)」「Webテスティング(自宅のパソコンで受検)」「ペーパーテスト(会場での筆記)」の3種類があります。
テストセンターでは、回答状況に応じて問題の難易度がリアルタイムで変動するCAT (Computerized Adaptive Testing)が採用され、正答するほどより難しい問題が出題されます。
幅広い業種や企業で導入されているため、まずはSPIの対策から始めるのが効率的です。
CAB・WEB-CAB(IT系)
CABは、日本エス・エイチ・エルが提供する適性検査で、主にIT系職種の採用に使われています。WEB-CABは、CABのWeb受検版です。
SPIや次に解説するGABなどと大きく異なるのは、独自の出題科目です。
・暗算(CAB)/ 四則逆算(WEB-CAB)
CABでは、1〜3桁のシンプルな掛け算や割り算をハイスピードでこなす「暗算」が出題されます。WEB-CABでは、数式の一部分が空欄(□)になっており、そこに入る数値を導き出す「四則逆算」が出題されます。
・法則性
図形の並びに隠れたルールを見つける問題が出題されます。ITエンジニアに求められる、パターン認識力を測ります。
・命令表
図形の操作手順を読み解き、指定の結果を求める問題が出題されます。手順を正確に追う力が問われます。
・暗号
図形が特定の暗号記号を通過することでどのように変化するかを分析し、記号が持つルールを解読する問題が出題されます。
【関連】WEB-CABとはどんなテスト?科目・受検形式など基本情報と内容を解説
【関連】WEB-CABの特徴は?受検形式・科目・対策法を徹底解説
GAB・WEB-GAB・玉手箱(外資・大手)
GABは日本エス・エイチ・エルが提供する会場受検型の適性検査で、主に外資系企業や大手企業等の採用で使われています。WEB-GABは、GABのWeb受検版です。
GABは、言語・計数・英語(※C-GABのみ)の3科目で構成されています。問題の難易度は高めに設定されており、素早く正確に問題を解く論理的思考力や処理能力が求められます。
玉手箱は、GABと近い試験内容ですが、企業側が独自に問題形式を選択できます。GABよりも難易度は低く、多くの企業で幅広く活用されており、受検形式はWebとなっています。
TG-WEB(高難易度)
TG-WEBはヒューマネージが提供するWebテスト型の適性検査で、言語・数学・英語・性格の4パートで構成されています。難易度が高めで、基礎学力が問われる問題が多く、難関企業や大手金融・コンサル等で活用されています。
ほかのWebテストと異なり、問題のバリエーションが豊富なため、多くの問題に触れて出題パターンを把握しておくことが重要です。
適性検査の受検形式の違いを理解する
適性検査の受検形式は、主にテストセンター、Webテスト、ペーパーテスト、インハウスCBTの4種類があります。
適性検査は、受検形式によって受検環境や注意点が異なります。そのため、さきほど解説した試験の種類だけでなく、受検形式も事前に把握しておきましょう。
テストセンター(会場受検)
テストセンターは、指定の会場に行き、会場に設置されているパソコンで受検する形式です。SPIが代表的で、全国の主要都市にテストセンターがあります。
テストセンターの場合、個別のネット環境や使用端末に影響を受けることはありません。一方で、予約した日時に会場へ行くため、スケジュール管理が必要となります。
なお、SPIのテストセンターでは、一度検した結果を複数の企業に送付することも可能です。ただし受検者に点数は開示されていないため、点数の低い結果を使い回してしまわないように注意が必要です。
Webテスト(自宅受検)
Webテストは、自宅のパソコンを使って受検する形式です。WEB-CAB・WEB-GAB・玉手箱・TG-WEBなどは、Webテストで受検できます。
場所や日時を選ばず手軽に受験できますが、ネット回線や端末などの受検環境を自分で整える必要があります。
なお、「自宅での受検ならカンニングができそう」と考える人もいるかもしれませんが、企業によっては受検中の画面録画や本人確認が求められる場合があります。また、画面のタブ切り替え・操作ログの記録、解答速度の統計分析による不正検知システムを導入する企業も増えています。
不正が発覚した場合、選考失格や内定取り消しはもちろん、信用を大きく損なう深刻なリスクを負ってしまいます。不正を行うよりも、事前に試験対策をしておくことが選考通過への近道となります。
ペーパーテスト(企業での受検・紙)
ペーパーテストは、企業のオフィスや指定の会場で筆記試験を受検する形式です。会場受検型のCABやGABが該当します。
ペーパーテストは問題冊子が手元にあるため、途中式やメモを書き込みやすいというメリットがあります。また、試験と同日に面接などの選考が組み込まれることも多く、一度の移動で選考プロセスを進められます。
一方で、日時が決まっているためスケジュール管理には注意が必要です。また企業を直接訪問する場合は、企業訪問のマナーを把握しておきましょう。
インハウスCBT(企業での受検・Web)
インハウスCBTは、企業のオフィスに行き、設置されているパソコンで受検する形式です。
企業が受検環境を用意しているため、通信環境のトラブルの心配がなく、集中できる環境でテストに臨めます。
また、ペーパーテストと同様に同日に面接などが組み込まれることが多いため、一度の移動で選考を進められます。企業訪問のマナーを把握した上で臨みましょう。
適性検査の種類ごとの対策の考え方
適性検査の対策は、受ける試験の種類を把握してから始めることが重要です。
SPIとWEB-CABでは、出題形式も問われる能力も大きく異なります。自分がどの試験を受けるのか、事前に確認しておきましょう。
SPIの対策
SPIの試験内容は、「言語」と「非言語」に分かれます。
非言語は計算問題が多く、解法パターンを習得することで得点が安定します。速度算・割合・確率などといった頻出テーマを、重点的に練習しましょう。
性格検査に正解はありませんが、設問数が多く、回答に一貫性がないと「矛盾あり」と評価される場合があります。事前に自己分析をしておき、自分の考えや傾向を正直に選ぶようにしましょう。
CAB・WEB-CAB
CAB・WEB-CABの対策で重要なのは、独自科目の「命令表」と「暗号」です。
この2科目は、初めて見ると戸惑いやすい問題が多いですが、出題パターンは限られています。そのため、事前に練習問題を解いて解法のコツを掴み、慣れておくことが重要です。
一方で、「暗算(CAB)」や「四則逆算(WEB-CAB)」は、純粋な計算速度と正確性が問われます。スピード感覚を身につけるため、毎日一定量の練習をしておくとよいでしょう。
GAB・玉手箱・TG-WEBの対策ポイント
GAB・玉手箱は、長文読解のスピードがカギとなります。問題の難易度よりも、時間内に処理できる情報量が合否に影響します。問題文に戻りすぎずスピーディーに解答できるよう、読解の練習をしておきましょう。
TG-WEBは非言語(数学分野)の難易度が高いため、問題集を使って出題パターンを把握しておくことが重要です。英語の出題もある場合は、英文の読解力も鍛えておきましょう。
適性検査についてよくある質問(Q&A)
Q. 適性検査は、何点がとれたら通過できますか?
A. 合格基準は企業によって異なり、公開されていないケースがほとんどです。目安は「正答率7割以上」といわれていますが、試験の難易度や企業の採用状況によっても異なります。試験対策で問題練習を重ねて、正答率を安定させましょう。
Q. 性格検査に正解はありますか?
A. 性格検査に正解はありません。ただし企業は回答の内容だけでなく、一貫性も重視しています。設問数が多い中で矛盾した回答が続くと、「一貫性がない」として評価が下がる可能性もあります。必要以上に自分をよく見せようとするのではなく、正直に答えることを意識しましょう。
Q. CABとWEB-CABは同じ内容ですか?
A. 出題内容の系統は同じですが、受検方式が異なります。CABは会場でのペーパー受検、WEB-CABはWebからの受検となります。また、紙のCABでは「暗算」、WEB-CABでは「四則逆算」が出題されます。
Q. 複数の企業で同じ適性検査を受ける場合、結果は共有されますか?
A. SPIのテストセンターは、受検者自身が「どの企業にスコアを送付するか」を選べて、一度受検した結果を複数の企業に使い回せます。一方で、玉手箱やWEB-CABなどは、原則として企業ごとの個別受検が必要となります。
Q. 適性検査の対策は、いつから始めればいいですか?
A. 本選考が始まる3〜4ヶ月前から始めると、余裕を持って対策できます。特にSPIは出題範囲が広いため、早期からの対策がおすすめです。インターンシップ選考で適性検査を実施する企業も増えているため、大学3年生の夏前に一度練習しておくとよいでしょう。
Q. 適性検査が苦手でも、対策で改善できますか?
A. できます。適性検査は、練習による改善効果が高いテストです。特に非言語・暗算・四則逆算などは、解法パターンを習得すれば正答率が上がりやすい科目です。練習問題を繰り返し解いて、対策しておきましょう。
まとめ
この記事では、適性検査の種類と特徴・試験内容・対策方法について解説しました。
本記事のポイントをまとめます。
- 適性検査は「能力検査」と「性格検査」の2軸で構成され、企業が採用選考の客観的な基準として活用
- 種類としてはSPI・CAB・WEB-CAB・GAB・玉手箱・TG-WEBなどがあり、業種や職種により異なる
- 受検形式はテストセンター・Webテスト・ペーパーテスト・インハウスCBTがある
- 対策は試験ごとに異なり、SPIは解法パターンの習得、CAB・WEB-CABは命令表・暗号への慣れが重要
- 本選考の3〜4ヶ月前から練習を始めると余裕を持って対策できる
適性検査は事前の対策によって得点の改善が期待できます。しっかりと準備をして臨むようにしましょう。