Ruby putsの使い方

この記事のポイント

Rubyのputs(プッツ)は、プログラムの実行結果を画面に表示する最も基本的なメソッドです。

この記事を読むことで、次のようなことが身に付きます。

  • 文字列、数値、変数など様々なデータを画面に表示する方法がわかる
  • プログラムの動作確認やデバッグ作業に活用できる
  • 配列やハッシュなどの複雑なデータも見やすく表示できる
  • 条件分岐やループ処理での出力方法を理解できる
  • 実際の開発現場で使える実践的な出力テクニックを知る

この記事では、Rubyプログラミングの第一歩となるputsメソッドの使い方を、実例を交えながらわかりやすく解説します。

putsはRubyを学ぶ上で最初に覚えるメソッドの一つです。

シンプルながら強力な機能を持っているので、基本をしっかりマスターしましょう。

目次

Rubyのputsとは?

Rubyのputs(プッツと読みます)は、プログラムの実行結果やデータを画面に表示するための基本的なメソッドです。

プログラミングを始めたばかりの方が最初に覚えるメソッドといえるでしょう。「put string」の略称で、文字列を「置く」という意味があります。

例えば、あなたが書いたプログラムが正しく動いているか確認したいとき、putsを使えば変数の中身や計算結果をすぐに画面で確認できます。

つまり、putsはプログラムに問題がないかチェックするデバッグ作業で特に重要な役割を果たすということです。

putsの大きな特徴は、データを表示した後に自動的に改行を追加する点です。 複数のデータを連続して表示しても、各データが新しい行に表示されるため、かなり見やすくなります。

また、putsはあらゆる種類のRubyオブジェクトを表示できる柔軟性を持っています。

文字列はもちろん、数値、配列、ハッシュなど、さまざまなデータを人間が読みやすい形で出力してくれます。

初めてRubyを学ぶ方にとって、putsは自分のコードが正しく動作しているかを確認するための強力な味方です。

プログラムの動きを実際に目で見て理解できるため、学習の効率も大幅に向上することでしょう。

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putsの基本構文

Rubyのputsの基本構文は、驚くほどシンプルです。「puts」の後に表示したいデータを指定するだけで機能するからです。

実際に、最もシンプルな例から見てみましょう。文字列を表示する場合は、次のように書きます。

puts "こんにちは、Ruby!"

このコードを実行すると、画面に次のように表示されます。

実行結果:

こんにちは、Ruby!

引用符で囲まれた部分が文字列で、putsはその文字列をそのまま画面に出力します。

数値を表示する場合もシンプルです。引用符なしで直接数値を指定できます。

puts 42

実行結果:

42

変数の内容を表示したい場合は、変数名をそのまま指定します。

name = "イヌ" puts name

実行結果:

イヌ

putsが便利なのは、与えられたオブジェクトの種類に応じて適切な形式で表示を行うからです。

例えば、配列を渡すと各要素を1行ずつ表示し、nilを渡すと空行を出力します。
このような柔軟性は、デバッグや情報表示の場面で非常に重宝します。

putsは、Rubyのプログラムの実行結果を確認するための基本ツールとして、初心者から上級者まで幅広く活用されているメソッドです。

実用例

putsがどのように使われるのか、実際のコード例で見てみましょう。日常生活の身近なものに置き換えると、とても分かりやすくなります。

ということで、動物たちの例を使って確認していきます。
すべてのコード例は実際に動かすことができるので、ぜひ試してみてください。

Rubyを始めたばかりの方でも分かるように、一つずつ丁寧に説明します。

文字列の出力

最初は文字列(テキスト)を画面に表示する方法です。引用符(")で囲んだ文字がそのまま画面に表示されます。

プログラムの出力結果を確認する最も単純な方法として、初心者にもおすすめの使い方です。
では、動物の特徴を説明する簡単な例で見てみましょう。

puts "イヌは忠実なペットです" puts "ネコは気まぐれな性格です" puts "ウサギはピョンピョン跳ねます"

実行結果:

イヌは忠実なペットです
ネコは気まぐれな性格です
ウサギはピョンピョン跳ねます

このように、putsを使うと「"」で囲んだ文字がそのまま画面に表示されます。
putsを3回書いたので、3行に分かれて表示されているというわけですね。これがputsの基本的な使い方です。

変数の出力

変数とは、データを入れておく箱のようなものです。この箱の中身を画面に表示することができます。
また、文章の中に変数の値を混ぜて表示することもできます。

animal = "キリン" height = 5 puts "#{animal}の身長は約#{height}メートルです" puts animal puts height

実行結果:

キリンの身長は約5メートルです
キリン
5

実行結果の最初の行では、#{animal} の部分が「キリン」に、#{height} の部分が「5」に置き換わって表示されています。

ちなみに、この#{変数名}という書き方は式といいます。

このように、 #{} を使うと変数の値を文章の中に埋め込むことができます。2行目と3行目では、変数の値がそのまま表示されていますね。

複数行の出力

長い文章を表示したいときには、ヒアドキュメントという書き方が便利です。何行にもわたる文章を見やすく書くことができるからです。

まず「<<」の後に任意の名前をつけます。そして、表示したい文章を挟むような形で、その名前を再度書きます。

すると、その名前で挟んだ部分の文字列がすべて表示されます。
実際に確認してみましょう。

puts "動物クイズ" puts <<TEXT 問題1: 最も速く走れる動物は? A. チーター B. カンガルー C. ダチョウ TEXT

実行結果:

動物クイズ
問題1: 最も速く走れる動物は?
A. チーター
B. カンガルー
C. ダチョウ

この例では<<TEXTと書いて、最後にTEXTと書くまでの間がすべて表示されていますね。

ヒアドキュメントを使うと、このように複数行の文章を手軽に見やすく表示できます。

普通のputsの書き方だと一行ずつ書く必要がありますが、この方法なら長い文章でも一気に見やすく書けるので便利です。

配列の出力

配列とは、複数のデータをまとめて管理できる仕組みです。

例えば、動物の名前をいくつかまとめて一つの変数に入れることができます。この配列をputsで表示すると、中身が一つずつ別々の行に表示されます。

また、joinというメソッドを使うと、すべてを一行にまとめることもできます。
ちなみに、メソッドとは簡単にいうと、データに対して何かの処理を行う命令のことです。

配列としての使い方を、実際に見てみましょう。

animals = ["ゾウ", "キリン", "サイ", "カバ", "ライオン"] puts animals puts "---" puts animals.join(", ")

実行結果:

ゾウ
キリン
サイ
カバ
ライオン
---
ゾウ, キリン, サイ, カバ, ライオン

配列を puts で表示すると、配列の中身が一つずつ改行されながら出てきます。「---」で分けられた上の部分がそれです。

下の部分はjoinを使って、カンマで区切って一行にまとめたものです。用途に応じて使い分けましょう。

ちなみに、「|」を指定するとどうなるでしょうか?実際に試してみてください。

数値計算結果の出力

計算の結果もputsで表示できます。

文章の中に計算式を入れると、その答えが表示されます。動物の体重を使った計算を例に見てみましょう。

puts "ゾウの体重: #{5000}kg" puts "キリンの体重: #{1200}kg" puts "合計体重: #{5000 + 1200}kg" puts "平均体重: #{(5000 + 1200) / 2}kg"

実行結果:

ゾウの体重: 5000kg
キリンの体重: 1200kg
合計体重: 6200kg
平均体重: 3100kg

#{} の中に計算式を書くと、その答えが表示されます。

3行目の 5000 + 1200 は計算されて 6200 になり、4行目の (5000 + 1200) / 2 は計算されて 3100 になっています。

このように、putsは文字列内でも数字を計算式として扱え、結果も簡単に表示できるのです。

条件分岐での出力

「もし〜なら」という条件によって、違う内容を表示したいケースがあります。これを「条件分岐」と呼びます。

Rubyではif文とputsを組み合わせて、この条件分岐を作ることができます。

動物の種類によって、違うメッセージを表示する例を見てみましょう。

animal = "ワニ" if animal == "ワニ" puts "#{animal}は水辺に住んでいます" else puts "#{animal}について詳細情報がありません" end

実行結果:

ワニは水辺に住んでいます

この例では、animalが「ワニ」なので、ifの条件(animal == "ワニ")が真になります。

そのため、ifの中のputsが実行されて「ワニは水辺に住んでいます」が表示されるというわけです。

もし、animalが別の値の場合は、elseの中のputsが実行されます。

繰り返し処理での出力

配列の中身を一つずつ順番に処理したいときは、「繰り返し処理」(ループ処理)という方法を使います。
Rubyでは、eachというメソッドでこれを行います。

putsと組み合わせると、番号付きのリストのように表示できます。また、each_with_index を使うと、何番目のデータかということも一緒に取得できます。

animals = ["ペンギン", "シロクマ", "アザラシ"] animals.each_with_index do |animal, index| puts "#{index + 1}番目の動物: #{animal}" end

実行結果:

1番目の動物: ペンギン
2番目の動物: シロクマ
3番目の動物: アザラシ

each_with_indexを使うと、配列の中身を一つずつ取り出しながら、同時に何番目かという情報も得ることができます。

ちなみに、index + 1 としているのは、コンピューターは0から数え始めるという特性があるので、人間にとってわかりやすい1から始まる番号にするためです。

試しに、ただindexとして実行してみるとわかるでしょう。

メソッド内での出力

メソッドとは、簡単にいうとデータに対して何かの処理を行う命令のことでしたね。メソッドは、処理をまとめて名前を付けることができます。

このメソッドの中でputsを使うと、同じような出力を何度でも簡単に行うことができます。
実際に、動物の情報を表示するanimal_infoメソッドを作ってみましょう。

def animal_info(name, habitat) puts "#{name}は#{habitat}に生息しています" end animal_info("パンダ", "中国の竹林") animal_info("コアラ", "オーストラリアのユーカリの森")

実行結果:

パンダは中国の竹林に生息しています
コアラはオーストラリアのユーカリの森に生息しています

animal_infoというメソッドを作って、2回呼び出しています。

メソッドに渡した値(「パンダ」と「中国の竹林」など)が、メソッドの中で nameとhabitatとして使われ、決まった形式で表示されます。

同じような出力を何度も行いたいときに便利です。

まとめ

Rubyのputs メソッドについて、基本的な使い方から実践的な応用まで学んできました。

まず、putsは「データを画面に表示して、自動的に改行する」という基本的な機能を持つことを学びましたね。

これは、プログラムの動作確認やデバッグ作業で非常に重要な役割を果たす機能でした。

この記事で学んだputsの使い方を振り返ってみましょう。

  • 文字列の出力(基本的なテキスト表示)
  • 変数の出力と式(データを文章に埋め込む)
  • 複数行の出力(ヒアドキュメントを使った長い文章の表示)
  • 配列の出力(リストのデータを見やすく表示)
  • 数値計算結果の出力(計算の答えを確認)
  • 条件分岐での出力(状況に応じて違う内容を表示)
  • 繰り返し処理での出力(データを順番に処理しながら表示)
  • メソッド内での出力(再利用できる表示処理の作成)

putsはRubyプログラミングで最も基本的で重要なメソッドの一つです。

実際にプログラムを作る際は、まずputsを使って動作を確認しながら進めることが多いですからね。

初めてRubyを学ぶ方も、このputsメソッドをマスターすることで、プログラムの動作確認やデバッグ作業がスムーズになるでしょう。

ぜひ実際にコードを書いて、putsを使いこなせるようになりましょう。

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