Ruby end文の使い方

この記事のポイント

Rubyのend文は、プログラムの構造を整理するために必要な基本要素です。

この記事を読むと、次のようなことが身に付きます。

  • if文やloop、メソッド定義など様々な構文でのend文の使い方がわかる
  • 正しい対応関係を理解してコードを読みやすくする方法を知る
  • 複数のブロックが重なった場合の対処法を学ぶ
  • エラーを避けるためのend文の基本ルールを理解する
  • 実際のプログラミングで活用できるend文の実践パターンを知る

この記事を通して、end文の正しい使い方をマスターすれば、構造がはっきりしたRubyコードを書けるようになります。

目次

Rubyのend文とは?

Rubyのend文は、プログラム内で様々なブロック構造を終了させるための役割を持っています。

Rubyで「ブロック」を形成するほとんどの構文に対応するペアとなります。
具体的な構文でいうと、下記です。

  • 条件分岐:if文、unless文
  • 繰り返し処理:while文、for文、each文
  • メソッド定義:def文
  • クラス定義:class文

Rubyでは他の言語で使われる波括弧{ }の代わりに、よりシンプルで読みやすいコードを実現する役割を果たしています。

日常生活で例えると、end文は「話の終わり」を示す「以上です」のような役割です。

話の始まりがあれば必ず終わりがあるように、Rubyでもブロックを開始するキーワード(if、def、classなど)には必ずendが必要です。

end文の最も重要な役割は、コードのスコープ(範囲)を明確に区切ることです。「end」というキーワードによって、プログラム内のどの部分がひとつのブロックとしてまとまっているかが視覚的に理解しやすくなります。

初心者がRubyを学ぶ際、endの配置を間違えるとエラーが発生するため、対応関係を正しく理解することが重要です。

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end文の基本構文

Rubyのend文の基本的な使用パターンを見てみましょう。

# 条件分岐の場合 if 条件 # 処理内容 end # 繰り返し処理の場合 while 条件 # 処理内容 end # メソッド定義の場合 def メソッド名 # 処理内容 end # クラス定義の場合 class クラス名 # クラスの内容 end

Rubyでは、ブロックを開始するキーワード(if, while, def, classなど)とペアになるendが必ず必要です。これによりブロックの範囲が明確になります。

また、endはそれぞれのブロックの終了地点を表すため、入れ子構造になった場合は複数のendが必要になります。

if 条件1 # 処理1 if 条件2 # 処理2 end # 処理3 end

endの数が足りない場合や多すぎる場合は構文エラーになるため、開始キーワードとendの対応関係を常に意識しましょう。

実用例

ここからは実際のコード例を通して、end文がどのように使われるかを見ていきましょう。

これから紹介するコード例は、すべて実際に動かすことができます。実際にコードを動かしてみると、より理解が深まるはずです。

動物を題材にした身近な例を中心に、段階的に説明していきますので、一つずつ試してみてください。

条件分岐とend

条件によって処理を変えたい場合に使うのがif文です。if文を使うときは、必ず最後にendが必要になります。

条件が複数ある場合でも、最後に必ずendを書きます。

animal = "キリン" height = 5.5 if height > 4 puts "#{animal}は背が高い動物です" elsif height > 2 puts "#{animal}は中程度の高さの動物です" else puts "#{animal}は背が低い動物です" end

実行結果:

キリンは背が高い動物です

キリンの身長が5.5メートルなのでheight > 4の条件に当てはまります。そのため「キリンは背が高い動物です」と表示されます。

if文は「if」で始まり、「end」で終わるのがルールです。間にelseifやelseがあっても、最後は必ずendで締めくくるということは覚えておきましょう。

繰り返し処理とend

同じ処理を何度も繰り返したい場合に使うのが、while文やfor文などの繰り返し処理です。

繰り返し処理でも、必ずendで終了する必要があります。endがないと、どこまでが繰り返される処理なのかわからなくなってしまうためです。

animals = ["ゾウ", "キリン", "サイ"] i = 0 while i < animals.length puts "サファリで#{animals[i]}を見ました" i += 1 end

実行結果:

サファリでゾウを見ました
サファリでキリンを見ました
サファリでサイを見ました

この例では、配列に入っている3つの動物を順番に表示しています。

i < animals.length(animalsの要素数 = 3)という条件が満たされている間、繰り返し処理が続きます。

while文も「while」で始まり、「end」で終わるのがルールです。繰り返したい処理は、whileとendの間に書きます。

メソッド定義とend

自分で新しい処理を作りたい場合に使うのがメソッド定義です。メソッドを定義するときも、必ずendで終了する必要があります。

endによって、どこまでがそのメソッドの処理なのかを示しています。

def describe_animal(name, species) puts "#{name}は#{species}に分類される動物です" end describe_animal("トラ", "ネコ科") describe_animal("コアラ", "有袋類")

実行結果:

トラはネコ科に分類される動物です
コアラは有袋類に分類される動物です

この例では、describe_animalという名前のメソッドを作っています。このメソッドは、動物の名前と分類を受け取って、説明文を表示していますね。

メソッドの処理内容が、defとendの間に書かれているのを確認できるかと思います。

クラス・モジュール定義とend

関連する処理をまとめて管理したい場合に使うのがクラス定義やモジュール定義です。クラスやモジュールを定義するときも、必ずendで終了する必要があります。

endがないと、どこまでがその定義の内容なのかわからなくなってしまいますからね。

class Animal def initialize(name) @name = name end def speak puts "#{@name}が鳴きました" end end dog = Animal.new("イヌ") dog.speak

実行結果:

イヌが鳴きました

この例では、Animalという名前のクラスを作っています。このクラスは動物の名前を覚えて、鳴き声を表示する機能を持っています。

クラスは「設計図」のようなもので、同じ種類のオブジェクト(この場合は動物)を作るための型を定義します。

Animal.new("イヌ")でクラスから実際のオブジェクトを作り、そのオブジェクトに対してspeakメソッドを呼び出しています。

クラスの中にはメソッドも定義できるので、classとendのペア、defとendのペアが両方登場しています。endの数を見てもそれぞれ対応しているのが確認できますよね?

ちなみに、モジュールは複数のクラスで共通して使いたい機能をまとめるために使います。

例えば、複数の動物クラスで共通する「移動する」機能をモジュールにまとめるような場合です。

モジュールを定義する場合も同様に、moduleとendのペアが必要になります。

ブロックとend

配列の要素を一つずつ処理したい場合に使うのがeachメソッドです。

eachメソッドを使うときは、「各要素に対してどんな処理をするか」を指定する必要があります。この処理内容をまとめて書く部分を「ブロック」と呼びます。

ブロックとは、「ここからここまでが一つの処理のかたまりです」ということを示すコードの書き方です。Rubyではdoで始めてendで終わる方法と、{}を使う方法があります。

animals = ["ペンギン", "カンガルー", "コアラ"] animals.each do |animal| puts "#{animal}は珍しい動物です" end

実行結果:

ペンギンは珍しい動物です
カンガルーは珍しい動物です
コアラは珍しい動物です

この例では、配列の中の動物を一つずつ取り出して、それぞれについて同じ処理を行っています。

eachは配列に用意されているメソッドで、配列の要素を一つずつ順番に取り出してくれます。|animal|の部分は「取り出した要素をanimalという名前で受け取る」という意味です。

each文の仕組み

  • animals.each:配列animalsの要素を一つずつ処理する
  • |animal|:取り出した要素をanimalという変数で受け取る
  • do〜end:各要素に対して実行したい処理を書く

つまり、「ペンギン」「カンガルー」「コアラ」が順番にanimal変数に入り、それぞれについてputs文が実行されるという流れです。

ブロックもdoで始まり、endで終わるのがルールです。処理したい内容は、doとendの間に書きます。

end文の省略パターン

endを省略できる書き方もあります。
一行で収まるような短いブロックでは、{}を使ってendを省略することができます。

短い処理を一行で書きたい場合、do〜endの代わりに{}を使うこともありますが、複数行にわたる処理ではdo〜endを使うのが一般的です。

animals = ["cat", "dog", "bird"] # do-endを使用した場合 result = animals.map do |animal| animal.upcase end puts result.join(", ") # 中括弧を使用して省略した場合 upcase_animals = animals.map { |animal| animal.upcase } puts upcase_animals.join(", ")

実行結果:

CAT, DOG, BIRD

この例では、配列の中の文字を大文字に変換する処理を、do〜endと{}の両方の書き方で示しています。

プログラムの流れを確認してみましょう。

プログラムの流れ

  1. animals = ["cat", "dog", "bird"]:3つの動物名が入った配列を作成
  2. animals.map:配列の各要素を変換して新しい配列を作成する
  3. |animal|:配列から取り出した一つ一つの要素をanimalという名前で受け取る
  4. animal.upcase:受け取った文字を大文字に変換する("cat" → "CAT")
  5. result =:変換した結果をresultという変数に保存
  6. puts result.join(", "):配列の要素をカンマで区切って表示

mapはeachと似ていますが、各要素を変換した結果で新しい配列を作ってくれる便利なメソッドです。短い処理なら{}を使って一行で書くこともできます。

endの対応関係とインデント

複数のブロックが組み合わさった場合、どのendがどの開始キーワードに対応するかを明確にすることが大切です。

コードを読みやすくするために、インデント(字下げ)を使って構造を分かりやすくします。
endは、それが対応する開始キーワードと同じ位置に書くのがルールです。

def check_animal(animal) if animal == "トラ" puts "危険な動物です" else puts "おとなしい動物です" end # if文のend end # メソッド定義のend check_animal("ウサギ")

実行結果:

おとなしい動物です

メソッド定義の中にif文が含まれています。内側のif文はendで終わり、外側のメソッド定義もendで終わります。

例えば、個人学習で慣れない内はコメントで「何のendか」を書いておくと、複雑なコードでも対応関係が分かりやすくなります。

ネストされたendの扱い

複数のブロックが入れ子になった場合は、内側から順番にendで閉じていきます。どのendがどのブロックに対応するかを理解することが重要です。

入れ子構造では、最も内側のブロックから順番にendで閉じていくのがルールです。

各endが、どのブロックに対応するかを意識してコードを書きましょう。

animals = {"哺乳類" => ["ゾウ", "キリン"], "鳥類" => ["ワシ", "ペンギン"]} animals.each do |category, list| puts "#{category}:" list.each do |animal| puts "- #{animal}" end # 内側のeach文のend end # 外側のeach文のend

実行結果:

哺乳類:
- ゾウ
- キリン
鳥類:
- ワシ
- ペンギン

この例では、each文の中にもう一つeach文が入っています。内側のeach文を先にendで閉じて、その後で外側のeach文をendで閉じています。

実際の流れを確認しましょう。

プログラムの流れ

  1. animals = {"哺乳類" => [...], "鳥類" => [...]}:分類と動物のリストをペアにしたハッシュ(辞書のようなもの)を作成
  2. animals.each do |category, list|:ハッシュから分類名(キー)と動物名(値)を一つずつ取り出す
  3. puts "#{category}:":分類名を表示(例:「哺乳類:」)
  4. list.each do |animal|:その分類の動物リストから動物を一つずつ取り出す
  5. puts "- #{animal}":動物名の前に「- 」を付けて表示
  6. 内側のeach文が動物リストを全て処理し終わったら、内側のendで終了
  7. 外側のeach文が次の分類(鳥類)に進み、3〜6を繰り返す
  8. 全ての分類の処理が完了したら、外側のendで終了

 また、each文とendに着目すると、こういうことです。

  • 外側:分類ごとに処理を繰り返す
  • 内側:各分類の動物リストを一つずつ処理する
  • 内側の処理が完全に終わってから、外側で次の分類に進む

慣れないうちは難しいかもしれませんが、経験を重ねて対応関係をすぐに掴めるようになりましょう。

まとめ

Rubyのend文は、プログラムを書く上で絶対に必要な基本要素です。
この記事では、基本的な使い方から実際のコード例までくわしく解説しました。

endは、プログラム内でさまざまなブロック構造を終了させるためのキーワードでしたね。

end文が必要になる場面について振り返ってみましょう。

  • 条件分岐:if文で「もし〜なら」という処理を書くとき
  • 繰り返し処理:while文で「〜の間、繰り返す」という処理を書くとき
  • メソッド定義:def文で自分だけの処理を作るとき
  • クラス・モジュール定義:class文やmodule文で関連する処理をまとめるとき
  • ブロック:each文やmap文で配列の要素を一つずつ処理するとき

どの場面でも「開始キーワード(if、while、def、classなど)で始まったら、必ずendで終わる」というルールは同じです。

また、endを使う上で押さえておきたいポイントもまとめます。

  • endの数が足りなかったり多すぎたりするとエラーになる
  • 入れ子構造では内側から順番にendで閉じていく
  • インデント(字下げ)とコメントを使って、どのendがどの開始キーワードに対応するかをわかりやすくする

初めてRubyを学ぶ方は、この記事で紹介したend文の基本的な使い方を実際にコードを書いて試してみてください。

endの対応関係を正しく理解することは、エラーのないコードを書くための力につながります。

まずは簡単な条件分岐といったものから始めて、徐々に入れ子構造など複雑なプログラムにも挑戦して慣れていきましょう。

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