Python chr関数の使い方

この記事のポイント

Pythonにおけるchr関数の基本概念と文字変換の仕組みについて詳しく解説します。プログラミング初心者の方でも理解できるよう、豊富なサンプルコードとともに紹介していきます。

  • 数値から対応するUnicode文字への変換処理を理解
  • 基本構文からさまざまな活用パターンまで段階的に習得
  • 実際の開発現場で使える実践的なコード例を豊富に紹介

これらのポイントを押さえることで、chr関数を効果的に活用できるようになるでしょう。

目次

chr関数とは?

chr関数は、整数値を受け取ってそれに対応するUnicode文字を返す組み込み関数です。この関数を使うことで、数値コードから文字への変換を簡単に行えます。

例えば、65という数値を入力すると大文字のAが返されます。Unicode規格に基づいているため、世界中のさまざまな文字や記号、絵文字なども扱えます。プログラムで動的に文字を生成したり、特殊文字を表示したりする際に非常に便利な関数として広く活用されています。文字コードの理解を深めることで、より柔軟なプログラミングが可能になるでしょう。

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基本構文

chr関数の基本的な使い方を見ていきましょう。引数には0以上1,114,111以下の整数を指定できます。chr関数は引数として整数を1つだけ受け取り、対応するUnicode文字を文字列として返します。ASCII文字の範囲では、大文字のAが65、小文字のaが97、数字の0が48に対応しています。範囲指定と組み合わせることで、連続した文字を効率的に生成できます。この基本構文を理解することで、さまざまな応用パターンへと発展させることが可能になります。

# 基本的な使用例 print(chr(65)) print(chr(97)) print(chr(48))

出力結果

A
a
0
# 範囲を指定した文字生成 for i in range(65, 70): print(chr(i))

出力結果

A
B
C
D
E

実用例

chr関数の実践的な活用方法について、具体的なサンプルコードとともに詳しく解説します。ここでは実際の開発現場で使われるパターンを中心に、初心者の方でも理解しやすい形で紹介していきます。

各コード例では、chr関数の特性を活かした効率的な処理方法を学ぶことができます。これらの実用例を通じて、単純な文字変換から複雑なデータ処理まで、幅広い場面でchr関数を活用する方法を身に付けることができるでしょう。豊富なサンプルコードとその出力結果を確認しながら、実際に手を動かして理解を深めていってください。

基本的な文字変換

最も基本的なchr関数の使い方として、数値から文字への変換処理を行います。ASCII文字コードの理解にも役立つ例です。

numbers = [72, 101, 108, 108, 111] result = "" for num in numbers: result += chr(num) print(result)

出力結果

Hello

アルファベットの生成

プログラムでアルファベットを動的に生成する際に、chr関数は有効です。ループ処理と組み合わせた例を紹介します。大文字のAのASCII値である65を基点として、26文字分のアルファベットを生成しています。このパターンは辞書データの作成や文字列処理で頻繁に使用されます。

uppercase_letters = [] for i in range(26): letter = chr(65 + i) uppercase_letters.append(letter) print(" ".join(uppercase_letters))

出力結果

A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z

特殊文字の表示

Unicode規格に含まれる特殊文字や記号をchr関数で表示する例を説明します。国際化対応のアプリケーションでも重要な技術です。このコードでは著作権記号、登録商標記号、商標記号といった特殊文字を生成し、動物名と組み合わせて表示しています。ビジネスアプリケーションでよく使用される記号の処理例です。

special_chars = [169, 174, 8482] animals = ["コピーライトマーク", "レジスターマーク", "トレードマーク"] for i, char_code in enumerate(special_chars): symbol = chr(char_code) print(f"{animals[i]}: {symbol}")

出力結果

コピーライトマーク: ©
レジスターマーク: ®
トレードマーク: ™

文字列の動的生成

条件に応じて文字列を動的に生成する処理は、データ処理やゲーム開発などで使われます。chr関数を活用した例を紹介します。関数の引数として受け取った数値を基点にして、3文字の識別コードを動的に生成しています。動物名との組み合わせにより、実用性の高いID生成システムを構築できます。

def create_animal_id(base_value): animal_names = ["パンダ", "ライオン", "ゾウ"] animal_id = "" for i in range(3): char_code = base_value + i animal_id += chr(char_code) return animal_names[base_value % 3] + ": " + animal_id print(create_animal_id(65))

出力結果

ゾウ: ABC

暗号化の基礎処理

chr関数を使った簡単な暗号化処理の例を紹介します。セキュリティの基礎知識としても重要な概念です。この例では、シーザー暗号の基本原理を使って文字列を暗号化しています。ord関数でASCII値を取得し、指定した値だけシフトした後、chr関数で文字に戻す処理を行っています。

def simple_encrypt(text, shift): encrypted = "" for char in text: if char.isalpha(): shifted = ord(char) + shift encrypted += chr(shifted) return encrypted animals = ["トラ", "クマ", "キリン"] result = simple_encrypt("ABC", 3) print(f"{animals[0]}: {result}")

出力結果

トラ: DEF

ランダム文字の生成

ランダムな文字生成は、パスワード生成やテストデータ作成で重要な技術です。chr関数を活用した例を解説します。random.randint関数でランダムな数値を生成し、chr関数で文字に変換してランダムな文字列を作成しています。毎回異なる結果が得られる動的な処理です。

import random def generate_random_chars(count): random_chars = [] animals = ["サル", "ペンギン", "カンガルー"] for i in range(count): char_code = random.randint(65, 90) random_chars.append(chr(char_code)) return animals[count % 3] + ": " + "".join(random_chars) print(generate_random_chars(5))

出力結果(例)

カンガルー: OBDXQ 

※実行ごとに出力結果は変わります

Unicode絵文字の表示

現代のアプリケーションでは絵文字の表示も重要な機能です。chr関数を使ってUnicode絵文字を扱う例を紹介します。Unicode規格の高い番号領域にある絵文字コードをchr関数で文字化し、動物名と組み合わせて表示しています。国際化対応アプリケーションで重要な技術です。

emoji_codes = [128049, 128052, 128053] animal_names = ["ネコ", "ウマ", "サル"] for i, code in enumerate(emoji_codes): emoji = chr(code) print(f"{animal_names[i]}: {emoji}") print("絵文字表示完了")

出力結果

ネコ: 🐱
ウマ: 🐴
サル: 🐵
絵文字表示完了

ASCII文字の確認

開発過程でASCII文字の確認が必要になる場合があります。chr関数を使った例を説明します。指定した範囲のASCII文字を一覧表示する関数です。デバッグ作業や文字コード学習において、視覚的に文字と数値の対応関係を確認できる便利なツールとして活用できます。

def check_ascii_range(start, end): animals = ["リス", "タヌキ", "キツネ"] print(f"{animals[0]}の範囲確認:") for i in range(start, end + 1): char = chr(i) print(f"Code {i}: {char}") check_ascii_range(65, 67)

出力結果

リスの範囲確認:
Code 65: A
Code 66: B
Code 67: C

まとめ

chr関数は数値から文字への変換を行う組み込み関数として、さまざまな開発場面で活用されています。基本的な文字変換から複雑なデータ処理まで、幅広い用途に対応できる柔軟性が大きな特徴です。Unicode規格に対応しているため、日本語や絵文字を含む世界中の文字を扱うことができます。

chr関数の活躍する場面

  • データ変換処理における文字コード操作での基幹技術
  • ゲーム開発でのランダム文字列生成や暗号化処理
  • 国際化対応アプリでの多言語文字表示システム

重要なポイント

  • Unicode規格準拠により世界中の文字を統一的に処理
  • ord関数との組み合わせで双方向の文字変換が実現
  • エラーハンドリングで範囲外値への適切な対応が必要

プログラミング初心者の方も段階的に学習することで、効率的なコードを書けるようになるでしょう。継続的な実践を通じて、より高度なプログラミング技術の習得につなげていくことが重要です。

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