PHPのfor文を基礎から応用まで徹底解説!初心者向け完全ガイド

この記事のポイント

プログラミングでは「同じ処理を何度も書くのは面倒だから、効率的に繰り返したい」という場面がよく出てきます。

for文を使うと、このような繰り返し処理を簡潔で読みやすいコードで実現できます。

この記事を読むと、次のようなことが身に付きます。

  • for文の基本構文と3つの構成要素の役割がわかる
  • 配列データを効率的に処理する実践的な手法を習得できる
  • ネストしたfor文による多次元データの操作方法を学ぶ
  • breakやcontinueを使った柔軟なループ制御を理解する
  • 実際の開発で使える配列操作のテクニックを知る

この記事を通して、for文の使い方をマスターすれば、PHPにとどまらずプログラミング全体的な考え方の基礎を身に付けることができます。

目次

for文とは?基本の仕組みを理解しよう

for文は、決められた回数だけ同じ処理を繰り返すための構文です。

手動で同じコードを何度も書く代わりに、for文を使えば簡潔に表現できます。これにより、コードの重複を避けて効率的にプログラムを作成できます。

PHPのfor文の特徴

  • 「初期化」「条件」「増分」の3つの部分で構成される
  • 配列の要素数に応じて自動的にループ回数を調整できる
  • ネスト(入れ子)構造で複雑なデータ処理も可能
  • breakやcontinueでループの流れを細かく制御できる

ちなみに、for文は特に配列処理で有用です。配列の要素数に関係なく、同じコードで全ての要素を処理できるためです。

まずは基本的な構文から学んでいきましょう。

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for文の基本構文

PHPでfor文を書く際は、3つの要素を括弧内にセミコロンで区切って記述します。

最もシンプルな例として、ネコの数を数えるプログラムを見てみましょう。

<?php for ($i = 0; $i < 3; $i++) { echo "カウント: " . $i . "\n"; }

出力結果

カウント: 0
カウント: 1
カウント: 2

$i = 0で初期化を行い、$i < 3で条件をチェックし、$i++で毎回カウンタを1増やしています。条件が満たされる間、中括弧内の処理が繰り返し実行されます。

ループ処理の基本イメージ

for文は、次の順番で処理が実行されます。

  1. 初期化:ループで使う変数を設定する
  2. 条件チェック:ループを続けるかどうかを判定する
  3. 処理実行:条件が真の場合、ループ内の処理を実行する
  4. 増分処理:カウンタ変数を更新する
  5. 条件チェック:再び条件を確認する(2に戻る)
  6. 終了:条件が偽になったらループを終了する

ループ処理を使って、動物の名前を表示するプログラムを見てみましょう。

<?php for ($count = 1; $count <= 5; $count++) { echo "ネコが" . $count . "匹います\n"; } echo "ループ終了\n";

出力結果

ネコが1匹います
ネコが2匹います
ネコが3匹います
ネコが4匹います
ネコが5匹います
ループ終了

カウンタを1から始めて5まで増やしながらネコの数を表示し、ループが終了すると最後にメッセージが表示されるという流れです。

処理の流れをイメージできるようになりましょう。

配列との組み合わせで繰り返し処理を効率化

for文の真価は配列データの処理で発揮されます。for文を使えば、配列に何個の要素が入っていても、同じコードで全ての動物を処理できます。

配列とfor文を組み合わせることで、データの量に関係なく効率的な処理が実現できるのです。これはプログラミングでとても便利な仕組みです。

実際に、配列の基本的な操作方法を学んでいきましょう。

配列の要素をfor文で取り出す

配列の全要素を処理するには、ちょっとした下準備があります。まず「count関数」という便利な機能を使って「配列の中に何個の要素が入っているか」を調べます。

条件は配列の長さ未満にします。配列のインデックス(番号)は1ではなく0から始まるためです。

<?php $animals = ["イヌ", "ネコ", "ウサギ", "ハムスター"]; for ($i = 0; $i < count($animals); $i++) { echo ($i + 1) . "番目: " . $animals[$i] . "\n"; }

出力結果

1番目: イヌ
2番目: ネコ
3番目: ウサギ
4番目: ハムスター

count($animals)で配列の要素数(4個)を取得し、その値を条件に使っています。$i + 1で表示用の番号を調整することで、1番目から始まる自然な表示になっています。

indexを使った要素アクセス

配列のインデックスを活用することで、特定の条件に合う要素だけを処理したり、要素の値を変更したりできます。

インデックスは配列の位置を示す数値で、0から始まるというポイントを忘れないようにしましょう。

<?php $scores = [85, 92, 78, 95, 88]; for ($i = 0; $i < count($scores); $i++) { if ($scores[$i] >= 90) { echo "動物" . ($i + 1) . ": " . $scores[$i] . "点(優秀)\n"; } }

出力結果

動物2: 92点(優秀)
動物4: 95点(優秀)

各動物のスコアをチェックして、90点以上の動物だけを「優秀」として表示しています。if文とfor文を組み合わせることで、条件に応じた柔軟な処理を実現できている例です。

for文と他のループ処理の違い

PHPには複数のループ構文があり、それぞれ異なる特徴と用途があります。for文とforeach文の使い分けや、break文を使った制御方法を理解することで、より効果的なプログラムを作成できます。

foreachとの違い

PHPにはfor文以外にも、いくつかのループを書く方法があります。処理の目的に応じて使い分けることが重要です。

for文は回数を明確に制御したい場合に適しており、配列のインデックスが必要な処理に向いています。

一方、foreach文は配列の全要素を順番に処理する場合、より簡潔に書けます。

<?php $animals = ["トリ", "サカナ", "カメ"]; // for文の場合 for ($i = 0; $i < count($animals); $i++) { echo "for文: " . $animals[$i] . "\n"; } // foreach文の場合(比較用) foreach ($animals as $animal) { echo "foreach文: " . $animal . "\n"; }

出力結果

for文: トリ
for文: サカナ
for文: カメ
foreach文: トリ
foreach文: サカナ
foreach文: カメ

foreach文は「配列の要素を1つずつ取り出して処理する」ための構文です。基本的な形はforeach (配列 as 変数)となります。

この書き方により、配列のサイズを気にすることなく、すべての要素を自動的に処理できます。

for文と比べてコードがシンプルになり、インデックスを間違える心配もありません。配列の全要素を順番に処理したい場合は、foreach文の方が適しています。

breakでループを途中終了する

break文を使用すると、特定の条件が満たされたときにループを強制終了できます。

無限ループを防いだり、目的の値が見つかった時点で処理を終了したりする場合に活用します。

<?php $animals = ["ライオン", "ゾウ", "キリン", "シマウマ", "カバ"]; for ($i = 0; $i < count($animals); $i++) { echo $animals[$i] . "を発見\n"; if ($animals[$i] === "キリン") { echo "キリンを見つけたので探索終了\n"; break; } }

出力結果

ライオンを発見
ゾウを発見
キリンを発見
キリンを見つけたので探索終了

動物を順番に探索していき、キリンが見つかった時点でループを終了しています。break文により、無駄な処理を避けることができるというメリットがあります。

複数ループやネストされたfor文

複雑なデータ構造を処理する際は、for文をネスト(入れ子)して使います。

実務でも、エクセルのような表形式のデータ情報を扱う際によく使われる技術です。最初は少し複雑に感じるかもしれませんが、仕組みを理解すればシンプルに活用することができるでしょう。

ネストされたfor文の書き方

ネストしたfor文は、「外側のループが1歩進むたびに、内側のループが最後まで実行される」という動き方をします。

例えるなら、本棚の本を整理するときに「1段目の本を全部チェックしてから、2段目に移る」ようなイメージです。段数が外側のループで、本が内側のループですね。

<?php for ($i = 1; $i <= 3; $i++) { echo "グループ" . $i . ": "; for ($j = 1; $j <= 2; $j++) { echo "ネコ" . $j . " "; } echo "\n"; }

出力結果

グループ1: ネコ1 ネコ2
グループ2: ネコ1 ネコ2
グループ3: ネコ1 ネコ2

適切にインデントを付けることで、コードの構造がはっきりと見えるようになるので、認識しておきましょう。

実務でよく使う配列操作の例

表計算ソフトで動物の情報を管理していることを想像してみましょう。「種類」「サイズ」「個体数」のような情報が行と列に整理されているようなケースです。

このような二次元配列は、実際の開発現場ではとてもよく使われます。
データベースから取得した情報や、CSVファイルから読み込んだデータなど、行と列を表すインデックスを使い分けることで、複雑なデータ構造も効率的に処理できるのです。

<?php $zoo_data = [ ["ゾウ", "大型", 3], ["ペンギン", "小型", 15], ["トラ", "大型", 2] ]; for ($i = 0; $i < count($zoo_data); $i++) { echo "動物情報" . ($i + 1) . ": "; for ($j = 0; $j < count($zoo_data[$i]); $j++) { echo $zoo_data[$i][$j] . " "; } echo "\n"; }

出力結果

動物情報1: ゾウ 大型 3
動物情報2: ペンギン 小型 15
動物情報3: トラ 大型 2

動物の名前、サイズ、個体数の情報を含む二次元配列を処理しています。

外側のループで各動物を、内側のループで各動物の詳細情報を表示することで、構造化されたデータを整理して出力できています。

for文の学習ポイントと初心者向けのコツ

プログラミング初心者がfor文を扱う際に、「なぜかエラーが出てしまう」「思った通りに動かない」ということがよくあります。

よくあるエラーにはパターンがあるので、そのポイントを知っておけば避けることができます。実践的なコツを身に付けて、確実にスキルアップしていきましょう。

エラーを避けるための注意点

初心者が最もよく遭遇するのが「配列の範囲外アクセス」というエラーです。これは、配列に入っていない場所にアクセスしようとすることで起こります。

配列のインデックス(番号)は0から始まるため、最大の番号は「要素数 - 1」になります。また、「ループが永遠に続いてしまう無限ループ」を防ぐため、カウンタ変数がきちんと増減しているかもチェックしましょう。

<?php $birds = ["ツバメ", "カラス", "スズメ"]; for ($i = 0; $i < count($birds); $i++) { echo $birds[$i] . "\n"; } // エラーになる例(参考用) // for ($i = 0; $i <= count($birds); $i++) { // echo $birds[$i] . "\n"; // 範囲外アクセスエラー // }

出力結果

ツバメ
カラス
スズメ

条件を$i < count($birds)とすることで、配列の範囲内でのアクセスを保証しています。<=を使うと配列の範囲を超えてアクセスしようとするため、エラーが発生してしまいます。

練習問題で理解を深める

「習うより慣れろ」という言葉があるように、プログラミングは実際に手を動かすことがとても大切です。

簡単な練習から始めて、徐々に複雑な処理にチャレンジしていきましょう。

次の例では、動物の体重データを使って合計値を計算する処理を行っています。数学でいう「足し算を繰り返す」処理です。

<?php $weights = [5.5, 12.3, 8.7, 15.2, 6.8]; $total = 0; for ($i = 0; $i < count($weights); $i++) { $total += $weights[$i]; echo "動物" . ($i + 1) . ": " . $weights[$i] . "kg\n"; } echo "合計体重: " . $total . "kg\n";

出力結果

動物1: 5.5kg
動物2: 12.3kg
動物3: 8.7kg
動物4: 15.2kg
動物5: 6.8kg
合計体重: 48.5kg

ループの中で各動物の体重を表示しながら、同時に合計値を計算しています。

$total += $weights[$i]により、配列の各要素を順番に合計に加算することで、最終的な合計体重を求めています。


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よくある質問(Q&A)

Q: for文とwhile文はどう使い分ける?
A: for文は繰り返し回数が明確な場合に使用し、while文は条件が満たされる間だけ繰り返したい場合に使用します。配列処理や決まった回数の処理にはfor文が適しています。

Q: $iの初期値を1から始めてもよい?
A: 問題ありません。ただし配列のインデックスは0から始まるため、配列処理の際は調整が必要です。処理の目的に応じて適切な初期値を設定しましょう。

Q: ネストしたfor文で変数名は何を使うべき?
A: 慣例的に外側から$i、$j、$kを使用します。ただし、意味のある名前($row、$colなど)を使用することで、コードの可読性が向上します。

<?php for ($row = 0; $row < 3; $row++) { for ($col = 0; $col < 3; $col++) { echo "(" . $row . "," . $col . ") "; } }

出力結果

(0,0) (0,1) (0,2) (1,0) (1,1) (1,2) (2,0) (2,1) (2,2)

Q: for文内で配列の要素を変更できる?
A: インデックスを指定することで配列の要素を変更できます。元の配列の値を直接書き換えることが可能です。

<?php $prices = [100, 200, 300]; for ($i = 0; $i < count($prices); $i++) { $prices[$i] *= 1.1; echo $prices[$i] . "円 "; }

出力結果

110円 220円 330円

Q: for文の中でcontinueは使える?
A: 使うことができます。continue文を使用すると現在のループをスキップして次の繰り返しに進めます。特定の条件の時だけ処理を飛ばしたい場合に便利です。

<?php for ($i = 1; $i <= 5; $i++) { if ($i === 3) continue; echo "ウサギ" . $i . " "; }

出力結果

ウサギ1 ウサギ2 ウサギ4 ウサギ5

まとめ

この記事では、PHPのfor文について基本構文から実践的な活用方法までくわしく解説してきました。

for文は、繰り返し処理を効率的に行うための重要な制御構文です。PHPだけではなく、プログラミングの根幹をなす重要な考え方なので、必ず習得しておきましょう。

まとめとして、for文を活用したい場面を確認しておきましょう。

for文が活躍する場面

  • 決められた回数だけ同じ処理を繰り返したいとき
  • 配列の全要素を順番に処理したいとき
  • 二次元配列や複雑なデータ構造を操作したいとき
  • 特定の条件でループを制御したいとき

for文を使う上で押さえておきたいポイントは次の通りです。

重要なポイント

  • for文は初期化、条件、増分の3要素で構成される
  • 配列処理ではcount関数とインデックスを組み合わせる
  • インデックスは0から始まる
  • ネストしたfor文により二次元データの効率的な操作ができる
  • break文やcontinue文の働き
  • 配列で範囲外にアクセスするとエラーが起きる

for文をマスターすることで、データ処理の幅が大きく広がり、より実践的なプログラムを作成できるようになります。まずは、簡単な例から始めて徐々にネスト文のような複雑な処理にチャレンジしていきましょう。

継続的な学習でプログラミングスキルを向上させていくことが上達への近道です。

実際に手を動かしながらさまざまなパターンのfor文を書いて、PHPプログラミングのスキルを身に付けていきましょう。

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