AIでコード生成するには?LLMを使った実践手法・比較・活用事例

この記事のポイント

この記事では、AIを使ってコード生成をする手法や代表的なコード生成モデルについて解説します。具体的には以下の内容を説明しています。

  • コード生成AIとはなんなのか
  • コード生成AIが出力したコードを使うメリットとデメリット
  • コード生成AIにコードを出力させる手法
  • 代表的なコード生成AIツールの比較

AIを使ってコード生成できるようになりたい方はぜひ参考にしてください。

目次

AIコード生成の仕組みと基礎知識

最近は生成AIを使ってコードを書くことも可能となっています。エンジニアの中には、プログラミングの際にAIを活用しているという人も多いのではないでしょうか。

AIを活用すれば、初心者やエンジニア以外の職種の人でもコードを生成することが可能です。

まずはAIを使ったコード生成の概要と仕組みについて解説します。

普段からテキスト生成系AIサービスを活用している人は多いかと思いますが、コード生成AIを使ったことはありますか。

これからAIにコードを生成させてみたい方はぜひ参考にしてください。

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AIコード生成とは

AIによるコード生成とは、簡単に言うと自然言語でのプロンプト(指示)や既存コードをもとに、コード生成AIがコードを出力する技術のことです。

コード生成AIとは、コードを自動生成できるAIのことです。コードの作成や補完、デバッグ、エラーの修正、レガシーコードの最適化などができるため、さまざまな開発で活用されています。

また生成されたコードの解説などもできるため、プログラミング初心者が学習や開発をする際にも役立ちます。

LLMを使ったコード生成

最近はLLMを使ったコード生成が盛んになっています。

LLM(Large Language Models)は、簡単に言うとテキスト生成に特化した大規模言語モデルで、大量のデータとディープラーニングによって構築されています。

LLMは自然言語で書かれた指示をもとに、ソースコードを生成します。たとえば「入力した西暦年数がうるう年かどうかを判定するコードを作成して」と指示をすると、LLMはうるう年判定システムのコードを生成します。

LLMは膨大なコードをデータとして学習しているため、目的に応じた適切なコードを生成できるのです。

生成コードの特徴と制約

コード生成AIは非常に便利ですが、使用にあたってはメリットとデメリットがあります。

メリット

▼開発効率が向上する

コードが自動生成されることで人間のコーディング作業が減少し、プログラミングのスピードが向上します。

▼コードの品質が向上する

AIが最適なコードを生成することで、品質が向上する可能性があります。またバグや問題の発見・修正なども可能となります。

▼プログラミング学習に役立つ

AIはコード例の提示や生成したコードの解説ができるため、初心者のプログラミング学習にも役立ちます。

デメリット

▼セキュリティ面の問題

AIが生成したコードには、セキュリティ面が脆弱な可能性があります。生成されたコードをそのまま開発業務に適用するのは危険なため、人間による確認や修正が必要です。

▼著作権の問題

現行の著作権法では、AIが生成したコードの著作権について明確な規定はありません。ただし今後新たな規定が設けられる可能性はあり、AIの生成したコードが著作権侵害とみなされる日が来るかもしれません。

AIコード生成を始める準備

コード生成AIは、エンジニア以外の職種の人やプログラミング初心者でも便利に使うことができます。

ただし利用にあたっては準備が必要です。ここからはAIを使ったコード生成を始めるための準備について解説します。

コード生成に必要なツール・サービス

まずはコード生成に必要なAIツールを選びましょう。

代表的なものとしては、GitHub Copilot、Gemini Code Assist、Code Llamaなどがあります。

のちほど詳しく説明しますが、ツールによってはエディタに連携してコードの自動補完や提案などといったサポートをしてくれます。

また普段テキスト生成AIを使うときのように、プロンプトを書いてコードを自動生成させることも可能です。

基本的な使い方と注意点

環境設定はそれぞれのサービスによって異なるため、公式サイトの解説を確認しましょう。

ただプログラミング言語などの環境設定とは異なり、アカウント作成やインストールのみで使えるサービスが多く、初心者でもすぐに使い始められるでしょう。

AIツールが使えるようになったら、生成AIに指示を出すためのプロンプトを作成します。

的確なコードを出力させるために重要なのは、どんなコードがほしいのかが明確で具体的な指示を書くことです。


たとえば「グラフを作成するコードを書いて」だけでは、指示が曖昧で具体性に欠けます。それよりも「プログラミング言語はPython、ライブラリはMatplotlibを使い、気温データのCSVファイルを読み込んで折れ線グラフを作成するコードを書いて」といった指示のほうが具体的で、精度の高いコードが出力されるでしょう。

コード生成の手法

ここからは生成AIを使ってコードを自動生成する主な手法について解説します。

多くのコード生成AIはコードエディタとの連携が可能です。そのためエディタにプラグインを導入して、自動補完やテストコードの自動生成などで活用する使い方が主流です。

エディタ連携型(プラグイン活用)

エディタ連携型ツールは、VS CodeやJetBrains製品などのエディタに組み込むことが可能です。

そのため対応しているエディタを普段から使っていれば、別途の環境設定等は必要なく、プラグインを導入するだけで使い始めることができます。

エディタ連携型のコード生成AIなら、リアルタイムでコードの自動生成や補完、デバッグ支援などを実行してくれます。

チャット型インターフェース活用

チャット型インターフェースを使う場合は、前述のように生成AIにプロンプトで指示を出してコードの生成やデバッグなどを依頼します。

プログラミング初心者やエンジニア以外の職種の方がコードを生成してみたい場合は、まずチャット型インターフェースで試してみるのもよいでしょう。

ただしエディタ連携型ツールのようにリアルタイムでの補完などはできないため、プロンプトやコードを毎回チャットに貼り付けて依頼する必要があります。

APIを利用した自動生成

少し高度な手法になりますが、OpenAPI仕様で作成したAPIを使い、プログラムからAPI経由でコードを自動生成する方法もあります。

OpenAPI Generatorというツールを利用すれば、APIの設計にもとづいた指示が自動的に発生し、コードやテストケース、ドキュメントなどを自動生成させることが可能です。

これにより開発の効率化は見込めますが、さまざまなツールの導入や環境設定が必要となるため一定の学習と知識が必要となります。

LLMコード生成モデルの比較と選び方

以下は代表的なコード生成AIの特徴などをまとめて比較した表です。下記に限らず、利用する目的に適したAIを選ぶとよいでしょう。

名前

特徴

目的・用途

利用金額

GitHub Copilot

GitHubとMicrosoftが共同で開発、コード補完の精度が高い、対応言語数が多い

コード補完、リファクタリング、テスト、デバッグ、ドキュメント作成など

月10$〜

Gemini Code Assist

Googleが開発、プロンプトの指示での自動生成もエディタ連携も可能

Google Cloud環境での開発、プロトタイピング、コード補完、テスト、個人開発、学習目的など

個人は0円〜

Code Llama

Meta社が開発、オープンソースで研究や商用利用も可、Python特化モデル・命令タスク特化モデルあり

Python開発での利用、研究目的での利用、コード補完、デバッグなど

0円〜

Amazon Q Developer

Amazonが提供、Amazon内部やオープンソースコードを学習

AWSサービスとの連携、コード補完、コードの提案、関数の作成、テストなど

個人は0円〜

Windsurf(Codeium)

生成AI機能を搭載した統合エディタ、コード補完の精度が高い、対応言語数が多い

コード補完、多言語での開発、チャットでの対話、AIエージェント機能の利用など

0円〜

高度な活用方法とファインチューニング事例

ここからは生成AIの高度な活用方法とファインチューニング事例について解説します。

ファインチューニングとは、簡単に言うと学習済みの言語モデルを特定の目的に沿って調整することです。モデルの重みを追加で学習させることで、生成AIの特定分野におけるパフォーマンスを向上させることができます。

業界特化型コード生成

たとえばAIを自社の商品情報や販売戦略でファインチューニングすれば、営業支援ツールが構築可能です。競合分析や成功事例、製品カタログなどといった情報を学習させれば、顧客ごとの的確な提案やカスタマイズ例も生成できるようになります。

また金融業界では投資に関する情報や市場分析に特化したAIアシスタント、医療分野では症例の分析や文献調査を支援するAIアシスタントが実際に開発されています。

社内コーディング規約適用

コード生成AIは、社内のコーディング規約や既存ライブラリなどを適用させることも可能です。

コード生成AIツールには、ルールやガイドラインを定義しておく機能があります。ここでスタイルや命名規約などといったコーディング規約を設定しておけば、規約やベストプラクティスに沿ったコードが生成されるようになります。

コーディング規約を守ったコードが生成されれば、あとからエンジニアがレビューや修正をする際の手間も減少するでしょう。

まとめ

この記事ではコード生成AIについて解説しました。

  • コード生成AIはコードの自動生成や補完、デバッグなどができる
  • AIを使うと開発効率や品質向上のメリットがある
  • コード生成AIにはエディタ連携型とチャット型がある
  • 代表的なAIツールはGitHub Copilot、Gemini Code Assist、Code Llamaなど

コード生成AIはすでに多くのエンジニアに利用されています。生成AIをうまく活用すれば、開発業務の効率を大きく向上させることも可能です。

生成AIを活用するスキルを身につけたい初心者の方には、paizaラーニングの「生成AI超入門 プロンプトエンジニアリングの基礎 ChatGPT編」がオススメです。ぜひチェックしてみてください。

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