C言語 整数型(int)の使い方

この記事のポイント

  • C言語における整数型(int型)の基本概念
  • 整数型変数の宣言と初期化方法
  • 整数型を使った演算と計算処理
  • 型変換と整数型の関係性
  • 整数型を用いた実用的なコード例

目次

C言語の整数型(int)とは?

C言語の整数型(int)は、プログラミングで整数値を扱うための基本的なデータ型です。intは「integer(整数)」の略であり、小数点のない数値を保存する際に使われます。int型は、C言語で最もよく使われるデータ型の一つで、メモリ上では、通常4バイト(32ビット)のスペースを使います。

int型は、変数の宣言、計算処理、条件分岐といったプログラミングのあらゆる場面で活用されます。int型が特に適しているのは、カウンターの値、年齢、個数など、整数値で表現できる情報を格納する場面です。また、int型には、負の値も扱える特徴があります。32ビット環境の場合、-2,147,483,648から2,147,483,647までの範囲の値を表現可能です。

int型の特徴は、小数点以下は切り捨てられる点で、例えば、5/2(5÷2)の計算結果は2.5ですが、int型では2として扱います。これはプログラミング初心者が混乱しやすいポイントです。

C言語にはint型のほかに、short、longなどの整数型があります。int型は、メモリ効率と処理速度のバランスが取れている理由から、このなかで最も汎用的に使われる種類になります。適切なデータ型の選択は、プログラム設計の基本です。特に大規模なプログラムやリソースが限られた環境では、メモリを効率的に使うために適切な整数型の選択が求められます。

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基本構文

C言語でint型を使う基本構文は、とてもシンプルです。int型の変数宣言は「int 変数名;」という形式で行います。初期値を設定する場合は「int 変数名 = 値;」とします。以下で基本的なコード例を3つ示しましょう。

int age; // 整数型変数ageを宣言 int count = 0; // 整数型変数countを宣言し、0で初期化 int result = 5 + 3; // 計算結果を格納

int型では、複数の整数型変数を一度に宣言することも可能です。「int 変数名1, 変数名2, 変数名3;」のように記述します。また、配列宣言やポインタとの組み合わせも、よく使われる構文です。int型は他のデータ型との演算も柔軟に行えることから、C言語プログラミングにおける大事な要素になります。

実用例

C言語のint型は非常に汎用性が高く、多くの場面で活用されます。このセクションでは、実際のプログラミングでint型がどのように使われるのかを具体的なコード例を通して解説いたします。

最初に紹介するのは、基本的な変数宣言です。それから、演算処理、条件分岐、ループ処理といったさまざまな場面におけるint型の活用法を紹介いたします。初心者の方は、コード例を参考に、実際にコードを書き、実行結果を確認すると、int型の理解が深まりやすくなります。また、入力したコードの一部を変更して動作がどう変わるかを観察することも、効果的な学習になります。

整数型変数の宣言と初期化

以下のコード例は、整数型変数の基本的な宣言と初期化の方法を示したものです。変数に動物の数を格納して表示する簡単な例となっており、プログラミング初心者でも理解しやすい内容です。以下のコードを確認することで、変数宣言、初期化、値の代入、変数を使った簡単な計算の基本を学べます。

#include <stdio.h> int main() { int cat = 3; // ネコの数 int dog = 5; // イヌの数 printf("ネコの数: %d\n", cat); printf("イヌの数: %d\n", dog); printf("ペットの合計: %d\n", cat + dog); return 0; }

出力結果:

ネコの数: 3
イヌの数: 5
ペットの合計: 8

整数型の四則演算

整数型を使った基本的な四則演算です。このコード例では、動物園の動物管理を想定し、基本演算(加算、減算、乗算、除算、剰余)を行っています。以下のコード例を確認すると、整数型で計算した場合の結果の表し方がわかるでしょう。また、整数除算の特性を理解するうえで、特に役立つコード例になります。

#include <stdio.h> int main() { int lion = 10; int tiger = 5; printf("ライオンとトラの合計: %d\n", lion + tiger); printf("ライオンとトラの差: %d\n", lion - tiger); printf("ライオンが2倍になると: %d\n", lion * 2); printf("飼育員1人あたりのライオン: %d\n", lion / 3); printf("3人で分けた後の余り: %d\n", lion % 3); return 0; }

出力結果:

ライオンとトラの合計: 15
ライオンとトラの差: 5
ライオンが2倍になると: 20
飼育員1人あたりのライオン: 3
3人で分けた後の余り: 1

型変換の基本

整数型と浮動小数点型の変換を扱うコード例です。動物の体重データをもとに、暗黙の型変換と明示的な型変換(キャスト)の違いを説明します。整数除算と浮動小数点除算の結果の違いも確認できるため、型変換が必要な状況を理解するうえで役立つコード例です。

#include <stdio.h> int main() { int elephant_kg = 5000; float elephant_ton = elephant_kg / 1000.0; int zebra = 15; int pens = 4; printf("ゾウの体重: %d kg (%.1f トン)\n", elephant_kg, elephant_ton); printf("整数除算: %d\n", zebra / pens); printf("浮動小数点への変換: %.2f\n", (float)zebra / pens); return 0; }

出力結果:

ゾウの体重: 5000 kg (5.0 トン)
整数除算: 3
浮動小数点への変換: 3.75

条件分岐での整数型の使用

条件分岐で整数型を使う際のコード例です。以下では、動物の年齢に応じた条件処理を示しており、比較演算子や論理演算子と組み合わせた条件式の書き方と、それによる分岐処理の流れを理解できる内容です。プログラム実行の制御に欠かせない基本構文となります。

#include <stdio.h> int main() { int panda_age = 8; if (panda_age < 2) { printf("パンダは子供です\n"); } else if (panda_age < 20) { printf("パンダは成体です\n"); } else { printf("パンダは高齢です\n"); } return 0; }

出力結果:

パンダは成体です

配列と整数型

整数型の配列使用例です。動物園の各エリアにいる動物数を配列で管理し、各要素へのアクセスと操作方法を示すコード例になります。以下のコードを詳しく見ると、配列のインデックスが0から始まることや配列を使った繰り返し処理など、データの集合を効率的に扱う方法が学べます。

#include <stdio.h> int main() { int animals[4] = {12, 8, 15, 7}; int total = 0; printf("北エリア: %dトラ\n", animals[0]); animals[2] = 17; // 東エリアに動物が増えた for (int i = 0; i < 4; i++) { total += animals[i]; } printf("動物の合計: %d匹\n", total); return 0; }

出力結果:

北エリア: 12トラ
動物の合計: 44匹

ループでの整数型カウンター

整数型をループ制御で使う際のコード例です。以下では、for文とwhile文の基本的な使い方を示したうえで、整数型でカウンター機能の結果を表示しています。反復処理は、プログラミングの基本要素で、このコード例では、整数型カウンターの適切な設定と更新方法を理解することが重要となります。

#include <stdio.h> int main() { // for文でのカウンター for (int i = 1; i <= 3; i++) { printf("インデックス%d: ウサギ\n", i); } // while文での使用 int count = 0; while (count < 3) { printf("カウント%d: キツネ\n", count); count++; } return 0; }

出力結果:

インデックス1: ウサギ
インデックス2: ウサギ
インデックス3: ウサギ
カウント0: キツネ
カウント1: キツネ
カウント2: キツネ

ビット演算と整数型

整数型のビット操作の基本コード例です。動物の特性をビットフラグで管理する例を示しています。このコード例では、ビット演算子(&, |, ^, ~, <<, >>)の使い方と、整数値をビットレベルで操作する方法を身につけることが大切です。整数型のビット操作は、低レベルのプログラミングやフラグ管理をするうえで必須の知識となります。

#include <stdio.h> int main() { // ビットフラグの定義 const int has_fur = 1; // 0001 const int can_fly = 2; // 0010 //const int is_wild = 4; // 0100 const int is_mammal = 8; // 1000 int bat = can_fly | is_mammal | has_fur; // 1011 printf("コウモリの特性: %d\n", bat); printf("コウモリは哺乳類か: %s\n", (bat & is_mammal) ? "はい" : "いいえ"); printf("コウモリは水生動物か: %s\n", (bat & 16) ? "はい" : "いいえ"); return 0; }

出力結果:

コウモリの特性: 11
コウモリは哺乳類か: はい
コウモリは水生動物か: いいえ

まとめ

この記事では、C言語における整数型(int)の基本概念から実用例までを幅広く解説しました。int型は、変数宣言、計算処理、条件分岐、ループ制御といった幅広い場面で使われる重要なデータ型となります。整数型を理解することは、より複雑なプログラムをつくるうえでの第一歩となるでしょう。

整数除算の特性や型変換の必要性は、初心者が特につまずきやすいポイントです。コード例を参考にしながら実際に手を動かし、基本構文をしっかり理解する必要があります。整数型の知識をマスターすると、C言語プログラミングの基礎が固まり、より高度なデータ構造やアルゴリズムの学習に進みやすくなるはずです。整数型の基本をおさえたうえで、ぜひともプログラミングの旅を楽しんでください。

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